現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「ハリアー」vs「RAV4」トヨタの人気SUV買うならどっち?

ここから本文です

「ハリアー」vs「RAV4」トヨタの人気SUV買うならどっち?

掲載 更新 40
「ハリアー」vs「RAV4」トヨタの人気SUV買うならどっち?

トヨタのSUV、クロスオーバーモデルの勢いが止まらない。ここ最近の国内向けだけでも、新型RAV4、シエンタFUNBASE、ライズ、新型ハリアー、そしてヤリスクロスが控えている。

マイカーの売却検討理由、60歳以上の「免許返納」はわずか4%、20~30代は「カーリースへの移行」が増加

ここでは、今、話題騒然の新型ハリアーと、同プラットフォームGA-Kを使う、ある意味兄弟車の2019-2020日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞のRAV4を徹底比較したみたい。RAV4の人気ぶりは周知の通りだが、新型ハリアーはなんと、7月16日時点で月販販売目標の3100台に対し、こんな時期にもかかわらず、14.5倍の約4万5000台もの受注があったというのだから驚きを隠せない。

新型ハリアーは、誰もが一目でハリアーと分かる、都会の高級ホテルのエントランスにも似合う、クーペライクな乗用車的スタイリングから(あるいはこれまでのハリアーのキャラクターから)、あくまで都市型のクロスオーバーモデルだと分かるだろう。そう、泥にまみれる姿は似合わない。



一方、5代目となったRAV4はキャラクターを一新。泥まみれが似合う、クロスカントリー志向を強め、ガソリン車のアドベンチャーグレードが象徴するように、世界初のダイナミックトルクベクタリングコントロールを採用するなど、アウトドア、悪路走破性にこだわったオールラウンダーへと舵を切っているのが特徴だ。



そこで、都会派なら新型ハリアー、アウトドア派ならRAV4・・・という、しっかりとしたキャラクター分けとなりそうなのだが、同じGA-Kプラットフォームを使うトヨタのミッドサイズのSUV同士でも、使い勝手面、装備面でけっこうな違いがあることを見逃してはならない。

新型ハリアーの最低地上高は、HVで190mm、ガソリン車で195mm。スタイリッシュさを極めた都市型クロスオーバーモデルとはいえ、悪路にも対応するSUVと言えるだろう。一方、RAV4の最低地上高はHVで190mm、ガソリン車でグレードにより195~200mmとなるから、最低地上高だけを見れば、大きな違いはない。ただし、4WDシステムで上回るのは(より悪路に強い)、RAV4、それもダイナミックトルクベクタリングコントロールを備えたアドベンチャーグレードになる。

新型ハリアーにダイナミックトルクベクタリングコントロールは未採用なのである。もっとも、それ以外の4WD同士になると、メカニズム、、走破性に関して大きく変わらないのも事実である(例えばHV車の電気式4WD)。

装備面では、さすがにより新しい新型ハリアーが優位に立つ。一例を挙げれば、ボイスコントロールで「空を見たい」「夜空を見たい」と発声すると、自動で調光パノラマルーフが瞬時に透過モードになり、ダークガラスのようなパノラマルーフが障子越しのような透過ガラスルーフに一変する。さらにデジタルルームミラーに、トヨタ初の前後録画機能を持たせているあたりは、現時点でRAV4に望めない装備・機能のひとつと言える(デジタルルームミラーのドライブレコーダー機能は、今後、RAV4などに装備される可能性あり)。

また、トヨタ最新の先進運転支援機能=トヨタセーフティセンスやヘルプネット=SOSコールは、新型ハリアー、RAV4のどちらにも標準装備されている。

RAV4

新型ハリアー

で、新型ハリアーとRAV4の決定的な違いは、走行性能を別にすれば、パッケージング、ラゲッジスペースの使い勝手ということになりそうだ。新型ハリアーを後ろから見ると分かるのだが、美しすぎるクーペスタイルを完結させるため、ボディのリヤセクションを絞り込んでいる。結果、荷室容量は先代ハリアーの456Lに対して409Lへと減少。RAV4は上下に位置を変えられるデッキボード下位置で580L(すべてVDA方式)だから、新型ハリアーのラゲッジスペースは、リヤボディのスタイリッシュさと引き換えに、かなり容量減となっているのである。具体例を挙げれば、先代ハリアーとRAV4がゴルフバッグ4セットを積み込み可能なのに対して、新型ハリアーは3個までしか積みこめないという。まぁ、ウイズ・コロナ、ソーシャルディスタンスの時代に、1台に4名”密”乗車でゴルフに出かけるのは非現実的だからゴルフバッグ3セットでも問題はないとも言えるのだが、アウトドアでキャンプ・・・といったシチュエーションでは、RAV4のほうがたっぷり荷物を積みこめ、使いやすいはずだ。

RAV4アドベンチャーグレード

新型ハリアー

加えて、荷室そのものの使い勝手の考え方にも両車は違いがある。RAV4はこうしたSUVがアウトドアや海山のスポーツで使われることを想定し、後席よりもラゲッジスペースを優先したパッケージを採用している。両車の荷室寸法を実測値で紹介すると、RAV4はラゲッジスペースのフロア開口部地上高695mm、開口幅1130mm、開口高805mm、荷室フロア長1020mm、幅1150~1345mm、最低天井高805mm、床下収納あり、デッキボードの上下位置による容量可変可能。

RAV4アドベンチャーグレード

新型ハリアーはラゲッジスペースのフロア開口部地上高800mm、開口幅1055mm、開口高700mm、荷室フロア長975mm、幅~1240mm、最低天井高700mm、床下収納あり。それぞれの実測数値を比較すれば分かる通り、新型ハリアーはRAV4に対して荷室フロアが高く、開口部が狭く、フロアの長さ、幅、高さともにリードされることになる。もちろん、新型ハリアーのラゲッジスペースが日常的に狭いと感じるシーンはまずないと思えるが、決定的なのは重い荷物の出し入れの容易性で、ラゲッジスペースのフロア地上高がグっと低いRAV4のほうが使いやすいということになる。

新型ハリアー

後席の居住性に関しては、格段の差はない。身長172cmの筆者の運転姿勢(シート位置)基準でその背後の後席に着座すれば、新型ハリアー(パノラマルーフなし)は頭上に150mm、膝周りに200mm。RAV4は頭上に180mm、膝周りに210mmと、わずかに余裕がある程度。

新型ハリアー

RAV4

では、走行性能面で両車はどう違うのか。RAV4は、個人的な推奨グレードとして挙げられるガソリン車、かつシリーズ中、唯一2トーンカラーボディが選べるアドベンチャーグレードであれば、ダイナミックトルクベクタリングコントロールによるオンロード、オフロードでの痛快とも言える曲がりやすさ、エンジンの高回転での気持ち良さ、悪路走破性の高さなどが美点となる。つまり、アドベンチャーグレード=ガソリン車をお薦めしたい(アウトドアでAC100V/1500Wコンセントを使いたいならHVだが)。



逆に、新型ハリアーは、企画、開発の狙い通りの、高級サルーンを思わせる車内の静かさや、モーターのアドオンによる滑らかでスムーズさ極まる走行性能が魅力となるHVを選ぶべきだと思える。AC100V/1500Wのコンセントは、アウトドアで、というより、ビジネスユースで活躍しそうである。

ちなみに、それぞれの推奨グレードの価格は、RAV4のアドベンチャーグレード 4WDが331万円。新型ハリアーのGハイブリッド 2WDが400万円(前後録画機能付きデジタルルームミラー込み。調光機能付きパノラマルーフはZグレードのみにオプション)となる。

結論としては、当たり前だが、都会により似合うのは新型ハリアー。背の高いスタイリッシュな高級サルーンとしてのキャラクターが際立っている。ビジネスユースにもなかなかだ。一方、RAV4はなるほど、アウトドア、悪路にめっぽう強い、ラゲッジスペースにもより余裕あるオールラウンダー。使い方、デザイン、価格などを考慮して、自身に最適な1台を選んでいただきたい。同じSUVのカテゴリーでも、泥が似合う、似合わないというような方向性が大きく異なるため、選びやすいとも言えそうだ。どちらも魅力溢れるSUVであることは言うまでもない。くどいようだが、新型ハリアーはSUVの皮をかぶった都市型の高級で先進装備満載のサルーンそのものである。

ちなみに犬と暮らし、犬とドライブに出かけ、アウトドアを楽しむ機会も多いわが家としては、RAV4のアドベンチャーグレード(あるいは現在、注文を一時停止しているPHV)に惹かれていたりする。

トヨタ・ハリアー
https://toyota.jp/harrier/
トヨタRAV4
https://toyota.jp/rav4/

文/青山尚暉

モータージャーナリスト。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。自動車専門誌の編集を経て、現在、モータージャーナリスト、愛犬との快適安心なカーライフを提案するドッグライフプロデューサーのふたつの肩書を持つ。小学館PETomorrowでも「わんこと行くクルマ旅」を連載中。最新刊に「愛犬と乗るクルマ」がある。

こんな記事も読まれています

6速MT搭載! マツダ「小さな高級コンパクト」あった!? クラス超え“上質内装”×めちゃスポーティデザイン採用! 登場期待された「斬新モデル」とは
6速MT搭載! マツダ「小さな高級コンパクト」あった!? クラス超え“上質内装”×めちゃスポーティデザイン採用! 登場期待された「斬新モデル」とは
くるまのニュース
人気の無料地図アプリ「グーグルマップ」の道案内はまだ“純正カーナビ”にはかなわない!? 使いこなすのに覚えておくべきアプリの“クセ”とは?
人気の無料地図アプリ「グーグルマップ」の道案内はまだ“純正カーナビ”にはかなわない!? 使いこなすのに覚えておくべきアプリの“クセ”とは?
VAGUE
郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
郵便局の集配車が「赤く蘇る」、KeePerが8000台を施工
レスポンス
トヨタ「GR86」とスバル「BRZ」がそれぞれ「良いクルマ」を目指したら、驚くほど似た味付けになってしまいました
トヨタ「GR86」とスバル「BRZ」がそれぞれ「良いクルマ」を目指したら、驚くほど似た味付けになってしまいました
Auto Messe Web
7月にマイナーチェンジ版が生産開始! 新型「BMW i4」「BMW 4シリーズ グランクーペ」、テクノロジーとデザインを刷新へ
7月にマイナーチェンジ版が生産開始! 新型「BMW i4」「BMW 4シリーズ グランクーペ」、テクノロジーとデザインを刷新へ
LE VOLANT CARSMEET WEB
ハイパーSUV「アストンマーティンDBX707」がインテリアを大幅に変更。先進性とラグジュアリーさが高次元で共存
ハイパーSUV「アストンマーティンDBX707」がインテリアを大幅に変更。先進性とラグジュアリーさが高次元で共存
Webモーターマガジン
昨年までとは大違い! 大きな一歩を踏み出し”違う世界”を戦うハースF1
昨年までとは大違い! 大きな一歩を踏み出し”違う世界”を戦うハースF1
motorsport.com 日本版
いすゞとUD、「ジャパントラックショー2024」に共同出展
いすゞとUD、「ジャパントラックショー2024」に共同出展
日刊自動車新聞
〔試乗体験!〕5/11(土)~12(日)は国内外の電気自動車(EV)に試乗できる!
〔試乗体験!〕5/11(土)~12(日)は国内外の電気自動車(EV)に試乗できる!
Webモーターマガジン
GRヤリスRally2の潜在能力がヤバい! デビューしたてなのにトップドライバーたちが絶賛する「驚きの性能」とは
GRヤリスRally2の潜在能力がヤバい! デビューしたてなのにトップドライバーたちが絶賛する「驚きの性能」とは
WEB CARTOP
明暗別れた金曜の走り出し。勝田が語る“インカット”の影響と勝者オジエとの違い/WRCクロアチア
明暗別れた金曜の走り出し。勝田が語る“インカット”の影響と勝者オジエとの違い/WRCクロアチア
AUTOSPORT web
フロント一新、小型SUV『ミツビシASX』が大幅改良。HEV・MHEV・ガソリン車が6月から欧州で発売
フロント一新、小型SUV『ミツビシASX』が大幅改良。HEV・MHEV・ガソリン車が6月から欧州で発売
AUTOSPORT web
「ヘンタイ」が褒め言葉に聞こえたらかなりの重症! 重度のクルマ好きがやりがちな「一般人には理解不能」な行為7つ
「ヘンタイ」が褒め言葉に聞こえたらかなりの重症! 重度のクルマ好きがやりがちな「一般人には理解不能」な行為7つ
WEB CARTOP
スズキ「“超凄い”ソリオ」実車展示! 高機能レーダー多数搭載! “自動で走る“機能搭載の「ハイトワゴン」運行の理由とは
スズキ「“超凄い”ソリオ」実車展示! 高機能レーダー多数搭載! “自動で走る“機能搭載の「ハイトワゴン」運行の理由とは
くるまのニュース
全くもって一貫性がない……! ペナルティに泣くアストンマーティン、F1の裁定に不満タラタラ「アロンソとストロールに厳しい」
全くもって一貫性がない……! ペナルティに泣くアストンマーティン、F1の裁定に不満タラタラ「アロンソとストロールに厳しい」
motorsport.com 日本版
本誌執筆陣がオススメするいま注目のモデルをピックアップ!「このクルマ、間違いないです!」ル・ボラン2024年6月号、本日発売!!
本誌執筆陣がオススメするいま注目のモデルをピックアップ!「このクルマ、間違いないです!」ル・ボラン2024年6月号、本日発売!!
LE VOLANT CARSMEET WEB
トヨタ、北京モーターショー2024で、バッテリーEVの新型モデル「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開
トヨタ、北京モーターショー2024で、バッテリーEVの新型モデル「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開
月刊自家用車WEB
三菱ふそうが「ジャパントラックショー2024」に出展! 新型モデル「スーパーグレート」特別仕様車や新型「eCanter」キャリアカー展示
三菱ふそうが「ジャパントラックショー2024」に出展! 新型モデル「スーパーグレート」特別仕様車や新型「eCanter」キャリアカー展示
くるまのニュース

みんなのコメント

40件
  • 誤字で読む気が失せた。
    目標の31000台?あり得ないですよ
    7月16日時点で月販販売目標の31000台に対して、こんな時期にもかかわらず、14.5倍の約45000台もの受注があったというのだから驚きを隠せない。
  • トヨタだから買わないならコメントしなければいいのに頭悪いコメント多いですね。このクラスの車買えるならそこそこ大人でしょうに…精神面はガキなんですね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

168.0251.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

58.9590.0万円

中古車を検索
RAV4 Jの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

168.0251.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

58.9590.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村