アメリカの西海岸が似合いそうな爽快さとゴージャスさ
昨2024年に通称“992.2”と呼ばれる改良型へと進化を遂げた現行型のポルシェ「911」シリーズ。
【画像】「えっ…!」これがエレガントさと野生が同居したポルシェ新型「911カレラ カブリオレ」です(30枚以上)
熱心なポルシェファンにとっては、「911カレラGTS」のパワートレインが電動化されるなど話題に事欠かない進化が盛り込まれた今回のバージョンアップですが、ノーマルの「911カレラ」系も内外装を中心にリフレッシュが図られました。
こうした改良は「911タルガ」や「911カレラ カブリオレ」といったバリエーションモデルも共通。というわけで今回は「911カレラ カブリオレ」で千葉・房総を目指しました。
60年以上に及ぶ長い歴史を持つポルシェ「911」ですが、フルオープンボディの「カブリオレ」がラインナップに加わったのは1983年のこと。空冷エンジンを搭載する初期型の中でも“ビッグバンパー”の愛称で親しまれる第2世代モデルに設定されたのが始まりです。
「911」の先祖に当たる「356」でも人気を博したポルシェのオープンモデルですが、主な輸出先であったアメリカでは1970年代を通じてオープンカーのラインナップ禁止や規制強化のウワサが絶えず、ポルシェもなかなか発表できずにいました。
結果的に、アメリカでは安全基準が強化されたもののオープンカーのラインナップ自体は禁止されることはなく、ポルシェからも待望のデビューを果たしたのです。
その後はご存知のとおり、タイプ“964”、“993”と続く空冷エンジン時代や、タイプ“996”から始まる水冷エンジン時代を通じ、「911」のカブリオレはシリーズに華を添える存在に。もちろん、新しい“992.2”にもオープン仕様がラインナップされています。
今回の試乗車も、まさに華やかのひと言。オプションの淡いシェードグリーンメタリックのボディカラーをまとっていることもあり、たたずまいこそ一見、落ち着いているように映りますが、つぶさに見ていくとアメリカの西海岸が似合いそうな爽快さとゴージャスさをたたえています。
何しろ試乗車のオプションリストには、エクステリアだけでも「SportDesignパッケージ」(前後バンパー・サイド/ハイグロスブラック塗装)、「コンバーチブルソフトトップ」(ブラック/グレー)、サイドの「PORSCHEロゴデカール」など華やかに彩ってくれるアイテムがズラリ。
インテリアも同様で、バサルトブラックとクラシックコニャックの「クラブレザーインテリア」を筆頭とするレザートリム一式、「BOSEサラウンドサウンドシステム」、「シートベンチレーション」など、思い浮かぶ限りの豪華装備が装着されています。
また、往年の「FUCHSホイール」を思わせる20/21インチの「カレラ・クラシック・ホイール」や「HDマトリックスLEDヘッドライト」、そして「スポーツエグゾースト」など、メカニズム関連のアイテムもフル装備。税込2110万円の車両価格に加えて、オプションの総額は同約750万円にも及びます。
こうした額面だけを見ると驚きもありますが、事実上のビスポークプログラムが用意されている辺りは高級スポーツカーならでは。また、パーソナルなグランツーリズモらしさを演出する部分ともいえるでしょう。
数々のオプションを含んだ試乗車の贅沢なしつらえ、そのコーディネートは思わずヒザを打つ仕上がりでしたが、一方で、それらが仮に備わらずとも、最新世代の「911カレラ カブリオレ」の魅力、そしてその本質は揺るぎません。
そもそも「911カレラ カブリオレ」の魅力において、根幹をになうスポーツカーとしてのフィジカルの進化はクローズドボディの「911カレラ」に準じます。
つまり、ツインターボチャージャーを備える3リッター水平対向6気筒エンジンは、“992.2”への進化に当たってプラス9psのパワーアップを実現。結果、最高出力は394ps、最大トルクは450Nmを発生し、トランスミッションには8速のデュアルクラッチ式トランスミッション“PDK”が組み合わされます。
“カブリオレ否定派”も満足させる優雅さと上質な走り
都心の地下駐車場で試乗車を預かり、ドアを開けて車内へ乗り込んでみたのですが、ルーフを閉じている限り目の前の景色はクーペボディの「911カレラ」と変わりません。プッシュ式になったスタータースイッチ、アナログ式タコメーターからフル液晶表示になった5連メーターも同様です。
もちろん、ブラック×コニャックのコンビカラー内装や、ダッシュボードほか細部までレザーで覆われた豪華なインテリアに身を置くと、ストイックな「911 GT3」系と生い立ちの同じクルマとは思えないほどの優雅さを感じます。
そんなイメージをさらに加速させるのは走り味でしょう。厳しさを増す環境&騒音規制に対応した最新モデルは、始動時から市街地でのドライブでは平穏そのもの。加えて“992.2”への進化に際し、各種規制への対応と合わせて乗りやすさや快適性も向上しています。
クローズドボディをまとうスタンダードな「911カレラ」系は、身のこなしの軽やかさと静粛性が記憶に鮮やかな“992.2”ですが、「911カレラ カブリオレ」は程よくしっとりとした印象です。
全長4542mm、全幅1852mm、全高1301mm(本国仕様)のボディに対し、車両重量は1600kgと今日では比較的軽めの部類ですが、これでもクローズドボディ比プラス80kgという数値です。
車重との比率ではプラス約5%、乗員ひとり分と少々の重量増加に過ぎないので、クルマの挙動に決定的な変化を及ぼすことはなさそうですが、程よいしっとり感はカブリオレのキャラクターに合っていて好印象でした。
首都高速から東京湾アクアラインを抜けて館山自動車道に入ります。天候にも恵まれたのでルーフを開け放ってみたのですが、後席部のウインドディフレクターを使えば法定速度内で走行する限り、風の巻き込みはほとんど感じません。
一般道へ降り、房総のタイトなワインディングでディフレクターを格納した状態で走行してみましたが、それでもサイドウインドウを下げない限り、走行風が心地よいと感じられるほどでした。
カブリオレのキャラクターを考えれば、目尻をつり上げて峠道を走り回るのは邪道ですが、舗装の荒れたワインディングでも新しい「911カレラ カブリオレ」はしなやかにコーナーを抜けていきます。もちろん、イマドキの高級カブリオレらしく“内装のきしみ”など皆無。身のこなしもクローズドボディと変わらない印章です。
普段は「静かだな」と感じる新型「911カレラ カブリオレ」のエンジン音/排気音ですが、“スポーツエグゾースト”を解き放ち、ドライブモードセレクターで「Sport」を選べば、このモデルが秘めた野生をクローズドボディ以上に感じとることができます。二面性というほどではありませんが、こうした演出や遊び心もカブリオレらしさ、なのかもしれません。
さて、帰路に就くべくパーキングエリアでルーフを閉じ、「911カレラ カブリオレ」を改めて外から遠くに、近くに眺めます。
最後の最後に本音を告白すれば、筆者(村田尚之)はこれまで“カブリオレ否定派”でした。というのも、“930”世代は元より、“996”、“997”世代においても美しいルーフラインを断絶するようなソフトトップカバーやエンジンフードのふくらみを、個人的に受け入れることができなかったのです。
ですが、“991”世代に至って、こうした問題は解決。走りにおいてもクローズドボディに迫る楽しさや質感を実現しています。その進化形たる“992”では、全方位的にブラッシュアップが図られ、もはや外野が指摘するようなスキなど見当たらない……というレベルに到達しています。
そして最新の“992.2”では、静粛性の向上に伴って電子デバイスによる変化も際立つようになりました。スポーツカーやグランツーリズモといった趣味性のあるモデルをエンターテインメントととらえるならば、こうしたデバイスによって手軽に“キャラ変”を楽しめるのは新たな魅力といえそうです。
最新世代の「911」に通じる走りの質感、そして、クローズドボディと変わらぬ美しいスタイル、さらに群を抜く遊び心……「GT3」系の対極に位置する仕立てでありながら、何かを否定するスキがない最新の「911カレラ カブリオレ」。その高い完成度は、さすがは「911」の血統を受け継ぐ存在であり、シリーズに共通する魅力ともなっています。
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