福井県副知事は維新の方針に反発
「これまでの議論を白紙に戻す進め方は、沿線の意向を無視したもので、極めて遺憾。これまでの議論を前に進めてもらいたい」。12月上旬、福井県議会。杉本達治知事のセクハラ辞職で知事職務代理者となった中村保博副知事は、自民党福井県議会と民主・みらい両会派の代表質問に答え、北陸新幹線大阪延伸ルートの見直しを進める日本維新の会を批判した。
福井県は小浜・京都ルート推進の旗振り役を務めてきた。中村副知事は今後の方針について「県議会とともに県民の思いを伝えていきたい」と述べ、小浜・京都ルートでの全線開業を訴える姿勢をあらためて示した。
しかし、福井県知事選は年明け早々の告示日となる見込みで、自民党や参政党、共産党が候補擁立に向けた動きを見せ、当選者次第で福井県の方針が変わることも考えられる。福井県新幹線建設推進課は「選挙後の対応は答えようがない」と言葉を濁した。
混迷が続く北陸新幹線の大阪延伸で日本維新の会はルート検討のたたき台として8案を自民党に提示することを決めた。近く初会合が開かれる自民・維新の与党プロジェクトチーム(PT)で協議に入る。
米原ルート再浮上が示す事業リスク
北陸新幹線の大阪延伸は2016年、自民、公明両党による与党PTで小浜・京都ルートに決まった。敦賀駅(福井県敦賀市)から同県小浜市へ進んだあと、京都府を南下し、京都市と京田辺市を経由して新大阪駅(大阪市淀川区)へ向かうルートだ。
新駅は小浜市のJR東小浜駅付近、京田辺市のJR松井山手駅付近と決まった。京都市内は3案からJR京都駅(下京区)近くの地下を南北に通す案と、JR桂川駅(南区)周辺に置く案に絞り込んでいる。
しかし、ルートの大半がトンネルとなることから、京都府で地下水など環境への影響や建設費の増加に懸念の声が高まった。石川県では早期開通に向け、敦賀駅から米原駅(滋賀県米原市)へ向かう米原ルートを推す声が出ている。詳細ルートの決定や工事着工のめどは立たないままだ。
日本維新の会の8ルートは、膠着状態を打開するためのたたき台で、党内PTの座長を務める前原誠司顧問は記者会見で「考えられるルート案すべてをひとつひとつ検討していく」と述べた。
8ルートはいずれも課題が山積
日本維新の会が示したルートは
・小浜・京都ルート
・小浜市から京都府亀岡市を通って大阪市を目指す「亀岡ルート」
・米原駅から東海道新幹線に乗り入れる「米原ルート」
・米原駅で東海道新幹線に乗り換える「米原ルート」
・敦賀駅から滋賀県の琵琶湖西側に新線を通す「湖西ルート」
・在来線の湖西線を活用する「湖西ルート」
・小浜市から京都府舞鶴市へ進んだあと、京都市を経由する「舞鶴ルート」
・舞鶴市から亀岡市経由で大阪市を目指す「舞鶴ルート」
の八つ。だが、小浜・京都ルートに決まる前に議論に上り、見送られたルートばかりだ。
米原ルートは延長約50kmと小浜・京都ルートの約140kmより短い。建設費を抑えられ、費用対効果も高いとみられる。だが、
・福井県
・滋賀県
・JR西日本
が反対している。北陸新幹線の大阪延伸ルートはJR西日本が運行するが、東海道新幹線はJR東海。東海道新幹線が過密ダイヤだけに、JR東海は乗り入れに難色を示している。
湖西ルートは約80km。北陸から京都市経由で大阪市へ向かう最短コースを走り、在来線の湖西線は大半が高架など立体構造で整備された。しかし、「比良(ひら)おろし」と呼ばれる局地風の発生が難題だ。各所に防風柵が設置されたが、運転見合わせや減速運転が頻繁に発生している。京都駅の東で東海道新幹線に乗り入れるとすれば、JR東海の同意が欠かせない。
舞鶴ルートは舞鶴市など京都府北部の地方自治体が過去に誘致を進めていた。人口減少が加速する京都府北部の振興策として期待されるが、延長が約200kmに達する見込み。建設費は小浜・京都ルート以上に高額で、費用対効果もかなり厳しい。京都市経由だと小浜・京都ルートと同様に京都市民の懸念を解消する必要がある。
亀岡ルートも亀岡市などが誘致活動をしていた。亀岡市から大阪府へ抜ければ、延長約120km。小浜・京都ルートより低コストとみられる。しかし、小浜市と亀岡市間の京都府南丹市は住民の反対運動が活発だ。新幹線連絡線となりそうなJR嵯峨野線が嵐山へ向かう観光客の増加で混雑が常態化しているのも頭が痛い。
沿線自治体の意向はばらばら
小浜・京都ルートがストップするなか、沿線自治体がそれぞれの主張を繰り返し、ばらばらに動いている。京都府は京都市とともに地元負担の軽減や府民の懸念解消を国土交通省、与党PTに訴えたが、自治体向けの説明会が1回あっただけで、府民向けの説明会は開かれないまま。京都府交通政策課は「今は国や与党の動向を見守るだけ」という。
ルートを滋賀県に移せば、京都府民の懸念は解消するが、滋賀県からすると重い地元負担に見合うメリットが見当たらない。滋賀県交通戦略課は「小浜・京都ルート推進の姿勢は変わらない」と見直しに拒否反応を示す。
福井県は嶺南(れいなん)地方活性化の切り札として長年、訴えてきた小浜延伸を簡単に諦められないはずだ。小浜市ではここに来て、住民の小浜延伸推進運動が活発化している。小浜市新幹線・交通政策課は「小浜延伸を粘り強く訴えるだけ」と力を込めた。
与党PTで議論がどこへ向かうのかは今のところ予測できない。だが、ここまでもつれた糸をほどき、沿線自治体の意向を一本化してルート決定するのは大変な作業になる。与党PTは難しい選択を迫られそうだ。(高田泰(フリージャーナリスト))
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