現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【バイクのニュース x MOONEYES コラボ企画】"YAMAHA PAS City V"カスタマイズの道~Vol.3~"24インチ自転車バランス再考" パーツチョイス・ミーティングからのレンダリングデザインが完成!!

ここから本文です

【バイクのニュース x MOONEYES コラボ企画】"YAMAHA PAS City V"カスタマイズの道~Vol.3~"24インチ自転車バランス再考" パーツチョイス・ミーティングからのレンダリングデザインが完成!!

掲載 更新 2
【バイクのニュース x MOONEYES コラボ企画】"YAMAHA PAS City V"カスタマイズの道~Vol.3~"24インチ自転車バランス再考" パーツチョイス・ミーティングからのレンダリングデザインが完成!!

■USAの手法を取り入れてPASをカスタム

 USA のカスタマイズで、”チョップトップ”や”スムージング”という手法があります。

航続距離は300kmオーバー! 最高峰の性能を持った電アシ「DELFAST Top 3.0」

“チョップトップ”はルーフの高さを低く落としたり、トランクに向けて流れるようにルーフを再構築していく手法で、”スムージング”は機能的な部分であるドアノブであったり、凹凸がある部分をシェイプしていく手法です。

 諸説あると思いますが Speed を追求する為に車輌に施していった事が、後々のカスタムの手法に繋がってきています。僕(筆者:MOONEYES広報 PANスミ)は、何かを取り付けていく「足し算」のカスタマイズしか知りませんでしたので、削ぎ落としていく事によって、本来の魅力的な部分が強調されていくこの「引き算」のカスタムを知った時、衝撃を受けました。今でも個人的に一番好きなカスタマイズの一つです。

 横浜本牧にある MOONEYES に YAMAHA 「PAS City V」 が到着し、カスタム企画がスタート。前回は、新車の電動アシスト付自転車 PAS City Vをバラし、前輪後輪をUSAに送り、MOONEYES USA にてMOON Wheel Disc を製作したところまで進行しました。と言いましても僕は、後先考えずにバラバラにしただけですので何も偉そうな事は言えません。

 車輌を一度自宅に持ち帰り、前輪、後輪を外した状態の PAS City V を、帰宅後の時間で毎日眺めてみる事にしてみました。

 会社に居るときは、”動きを止めない”ように心がけていますが、自宅では、とにかくナマケモノのようなスローな時間を過ごしています。これは家族の理解あっての事、それ以外の何物でもありません。自身の好きな事が仕事に直結している恵まれた環境で勤務していますので、「出来る人」のイメージである「ON/OFFを使い分ける」なんて事はなかなかどうして出来ません。ほぼONですし、それで良いんです。ですので、帰宅してからは、じっくりと次の行動を考えています。次の日の朝一番に躊躇なく動き出せるよう、帰宅してからボーッと考える事が好きなんだと思います。

 うわぁ文章に起こすと地味だな……。イベント業務に集中している時は、夕食時、お味噌汁の具材の豆腐が会場のコマ割りに見える時もあります。豆腐と豆腐の間を滑らかな曲線で漂うほうれん草を見ながら「これくらいの通路幅だと動線がスムーズか……」ぬぉ~これも自覚症状なかったけど、文章に起こすと、だいぶ重症ですね……。

 そして、意外にも食後の洗い物をしている時に、今後の業務の企画であったり、イメージが閃く事が多いのです。恐らく幸福感に満たされた状態なので、何処かにある無敵スイッチが入るのかと。世の中の皆様にこれはお勧めします。洗い物は最高だ!! 「ひゃ~閃いたぜぇ~」なんて自宅で発狂する事はありませんが、洗剤で泡だらけの手をマッハで拭いて自分自身に閃いた内容をメールするんです。文通相手が自分だなんて、めちゃくちゃ地味且つ暗い行為に見える事かもしれませんが、これが重要。肩ぶん回しながら出社して、「さぁやったるぞ!」ってなった時に、何も覚えてなく「おや?」となった事なんて過去に数知れず。だから「拝啓、明日の僕へ」的なメールをする癖がつきました。

■方向性が決まり、いざパーツ選びに

 だいぶ脱線しました。話を戻しましょう。今回の YAMAHA 「PAS City V」 のカスタム企画について、基本的にフレーム加工などの大掛かりなカスタムや、明らかにカスタマイズしましたと主張する部分は極力避けたいと考えています。YAMAHA 開発チームの方達が、僕の数万倍も数億倍も考えて考えて、イメージをカタチにしていって隙が全くない完成したモデルです。帰宅後、一人で考えたり自転車好きなご近所さん、同僚とガレージで沢山のパーツをあてがい「こうかな? いや違うな、ちょっとここもバラしてみよう」と夜な夜な繰り返していましたが、最終的に辿り着いたのが今回の冒頭の部分になります。そう「引き算」のカスタムです。今回の企画で1台の自転車として完成した時、”カスタム自転車”と主張満々の1台より、あたかもコンセプトモデルのような自然なバランスにしたいと考えています。

 目の前の24インチの電動アシスト付自転車を、”シンプル”に。魅力的な部分をより強調していくように細かい部分を削ぎ落としていく。電動自転車のメカニカル的な部分は、純正だと安全性、耐久性の事を考えフルカバードされていますが、ここの部分も逆に削ぎ落とし、敢えて見せる。そして純正フレームの深いシルバーカラーの質感の良さを更に強調する為、他の各パーツの”色”を統一もしくは、廃していく事にします。

 そうなってくると、各パーツのセレクトの段階になっていきます。

 ここで、次に連絡を取り、ミーティングを行ったのが横浜市平沼橋にある “045サイクル” の佐々木様です。かれこれ10年以上のお付き合いですが、元々は僕ら広報スタッフがプレス業務として一番連絡を取り合うメディア業界の方で、二輪雑誌を制作されていました。今は、Web媒体の制作を行いつつ、ビーチクルーザーに特化した自転車店も経営されています。

コロナ禍でイベント会場でお会いする事もなく、久しぶりの再会になりましたが、早速ミーティングに入ります。

 まず、ポスト部分が長く高いからなのか、車体を小さく見せてしまっているように個人的に感じていたので、高さを極限まで低くする為の045サイクルオリジナルステムを使います。そうする事で、自転車として一番見慣れているポストとハンドルバーのバランスに変更。

 ポストが低くなった分、ハンドルバーは高さがあるものにして、セット後に純正時の高さと変わらないように、そしてビンテージやビーチクルーザーのような幅がある主張が強めなモノではなく、定番のスタイルに見えながら24インチの自転車として最適なバランスとなるよう、立ち上がりまでの部分とグリップ部分の張り出しが最小限に作られている045サイクルオリジナルハンドルバーに。実際に手にしてみるとこれがだいぶナローな印象ですが、今回、通常の26インチの自転車とくらべ一回り小さい24インチの自転車です。そう考えると組んだ時に違和感の無いバランスになると思います。

 フロント部分のシルエットがイメージ出来たところで、今度はシンプルに削ぎ落とせる部分を考えていきます。完成後は、公道で乗る予定は無く、自社主催のイベント会場などで使用する予定なので割り切って考えていきます。

 まず、荷物用のラック、ライト、フロント(リアも)のフェンダーも外します。電動アシストの液晶コントローラーはハンドルバーがナローになった分、配置位置が無くなるのでポストセンターに。メインフレームの下側を走る大量のワイヤー&配線は、チョッパーの様にインナーケーブルも考えましたが、大掛かりな加工が必要になるのと整備性が難しくなるので、純正のパーツを活用しながら、極力隠していきます。ペダルもゴムや反射版がついていないシンプルなモノに。フルカバードされていたクランクの部分は、メカニカルでカッコ良い部分なのでカバーを取り外します。逆サイドの配線部分のカバーと、バッテリー、キーの部分のプラスティック部分はシルバーに塗装して、フレームから自然な流れで一体化していくようにしましょう。

 シート、グリップに関しては、純正のブラウンのレザーの質感がとても良く気に入っているのですが、ここは色を廃しシャープな印象を残せるようブラックにします。

 やっぱりカスタムを生業にされている佐々木さんのプロの意見は、的確ですし、僕がイメージしているモノが次々と出ていきます。いやぁさすがです!  045サイクルの佐々木さんとミーティングでイメージ、パーツ選択をしていったところで、次の段階に入ります。

■楽しみにしていたレンダリングデザインが完成!

 これも楽しみだったんですよ!! 今回の企画で絶対やりたかった事なんです。

 それは……USA のRace Car や、Show Car でよく見る製作前のレンダリングデザイン(完成予想イラスト)です。

 なかなか日本では馴染みが無いモノかもしれませんが、USA ではこのレンダリングデザインをプロに起こして貰う事はステイタスになっている部分もあるぐらい価値のある事で、一つのカルチャーとして成立していると思います。

 でもここは日本。誰に頼むかと言ったら、そりゃぁ決まってます。常日頃レンダリングデザインを起こしている人が社内にいるんですよ。本当に恵まれた環境にいますね僕は。

 はい、誰かというと、大先輩のこの方、Hiro “Wildman” Ishii です。

 ご存知ない方の為に Wildman のご紹介を。

 まだ、日本に Pinstriping Art という言葉が根付いていない1989年、 MOONEYES Signs & Pinstriping Studio がスタートします。日本で最初の Pro Pinstriper が誕生した瞬間でもあります。彼の名は、 Hiro? “Wildman” Ishii。 Wildman という名前は、修行にいった巨匠である Ed “Big Daddy” Roth から授かりました。Wildman は、あらゆるジャンルのオーダーにも変幻自在に対応する事が出来、日本のみならず世界中のファンを魅了するパイオニアとして現在も第一線で活躍しています。

 そうなんです。MOONEYES Signs & Pinstriping Studio 創業から32年、様々なデザインを起こしてきている Wildman はレンダリングデザインも当然ながら何度となく描き起こしています。当然、僕の目の前で描き起こしているのも何度となくみています。ですので、今回のこの企画、是が非でもレンダリングデザインが欲しかったのです。

 もう、僕が出来るのは、ベラベラベラベラ頭の中のイメージを Wildman に伝える事のみです。「ここが、こうなって、あそこがあーなる予定なんですよ。そうなるとここがこういう風に見えるじゃないですか」名前は Wildman ですが、人柄は”超”がつくほどの温厚で優しい先輩です。ただひたすらに僕の話に頷き、後日完成してきたのが……

 ジャーン!! こちらになります。

 ひゃ~カッコ良い……痺れますね。贅沢なかぎりです。ちょっと待ってください。しばし僕は、悦に入らせていただきます。

 USA からオーダーしていたタイヤも到着しました。さぁ、ここから一気に現実世界の中で、カタチにしていこうと思います。

 次回も宜しくお願い致します。

MOONEYES 広報 PAN スミ

〈次回予告〉1.75=1-3/4 は大間違い!  壁を乗り越えろ! そして遂に……

関連タグ

こんな記事も読まれています

GTワールドチャレンジ・アジアがJ SPORTSで全戦放送。ジャパンカップはほとんどを生中継へ
GTワールドチャレンジ・アジアがJ SPORTSで全戦放送。ジャパンカップはほとんどを生中継へ
AUTOSPORT web
安かろう悪かろうなクルマをつかまされないために知っておくべき……[修復歴]と[事故歴]の違いとは  どうやって見分けりゃいいの
安かろう悪かろうなクルマをつかまされないために知っておくべき……[修復歴]と[事故歴]の違いとは  どうやって見分けりゃいいの
ベストカーWeb
もっと「アバルト595」で運転を楽しもう! 車高調からペダルの「ポッティングデカール」にドラシューまで、厳選アイテムを紹介
もっと「アバルト595」で運転を楽しもう! 車高調からペダルの「ポッティングデカール」にドラシューまで、厳選アイテムを紹介
Auto Messe Web
シェイクダウンはオジエが最速発進。トヨタ1-2にヒョンデ勢が続く/WRC第4戦クロアチア
シェイクダウンはオジエが最速発進。トヨタ1-2にヒョンデ勢が続く/WRC第4戦クロアチア
AUTOSPORT web
韓国勢が大健闘 合理的な「兄弟」モデル:ヒョンデ・コナ・エレクトリック キア・ニロ EV お手頃EV 12台比較(5)
韓国勢が大健闘 合理的な「兄弟」モデル:ヒョンデ・コナ・エレクトリック キア・ニロ EV お手頃EV 12台比較(5)
AUTOCAR JAPAN
安い? 高い? トヨタ新型「ランクル250」は520万円から!「無骨すぎて」カッコいい!? 原点回帰モデルに反響集まる
安い? 高い? トヨタ新型「ランクル250」は520万円から!「無骨すぎて」カッコいい!? 原点回帰モデルに反響集まる
乗りものニュース
レッドブルF1は2025年も現在のコンビを継続か。パフォーマンスを改善したペレスがシート争いをリード
レッドブルF1は2025年も現在のコンビを継続か。パフォーマンスを改善したペレスがシート争いをリード
AUTOSPORT web
初の中国GPに臨む角田裕毅。手強い週末を予想も「自信はある。Q3進出と入賞を狙いたい」/F1第5戦
初の中国GPに臨む角田裕毅。手強い週末を予想も「自信はある。Q3進出と入賞を狙いたい」/F1第5戦
AUTOSPORT web
【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第3回】温かい歓迎を受けた春の鈴鹿。悔やみきれないミスと、1ストップ戦略で得た自信
【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第3回】温かい歓迎を受けた春の鈴鹿。悔やみきれないミスと、1ストップ戦略で得た自信
AUTOSPORT web
ゴツすぎる新型「“軽”SUV」実車公開! ワイド化&オシャグレーがカッコイイ! まるで装甲車なスズキ「ハスラー」に反響も
ゴツすぎる新型「“軽”SUV」実車公開! ワイド化&オシャグレーがカッコイイ! まるで装甲車なスズキ「ハスラー」に反響も
くるまのニュース
日産 "武士の甲冑" デザインの新SUV公開 「キャシュカイ」改良新型、欧州で今夏発売へ
日産 "武士の甲冑" デザインの新SUV公開 「キャシュカイ」改良新型、欧州で今夏発売へ
AUTOCAR JAPAN
「ガンディーニ追悼」に初の「アメリカンヘリテージ」の企画など大人が楽しむ「オートモビルカウンシル2024」閉幕。過去最高の3万9807人が来場しました
「ガンディーニ追悼」に初の「アメリカンヘリテージ」の企画など大人が楽しむ「オートモビルカウンシル2024」閉幕。過去最高の3万9807人が来場しました
Auto Messe Web
スズキ「カプチーノ」や「アルトワークス」が激走! 軽自動車だけで争う200分の戦い「東北660耐久レース」が開幕
スズキ「カプチーノ」や「アルトワークス」が激走! 軽自動車だけで争う200分の戦い「東北660耐久レース」が開幕
Auto Messe Web
【殺人チャイルドシート】 違法チャイルドシート買った人に返金はある? アマゾンと楽天の対応は?
【殺人チャイルドシート】 違法チャイルドシート買った人に返金はある? アマゾンと楽天の対応は?
AUTOCAR JAPAN
高速SA・PAのNo.1「ハイウェイめし」決定! 「高級志向にしたくない」担当者の思い  1位のメニューは“ごはんノンストップ”!?
高速SA・PAのNo.1「ハイウェイめし」決定! 「高級志向にしたくない」担当者の思い 1位のメニューは“ごはんノンストップ”!?
乗りものニュース
海外ライターF1コラム:24戦の理不尽なカレンダーが招く問題。人材不足が深刻化、“根無し草感”で疲弊するドライバー
海外ライターF1コラム:24戦の理不尽なカレンダーが招く問題。人材不足が深刻化、“根無し草感”で疲弊するドライバー
AUTOSPORT web
スズキが「謎のクルマ」実車公開! めちゃゴツい“骨組み”に「Sマーク」装着! “強靭な構造”で未来を支える「新型ユニット」に期待!
スズキが「謎のクルマ」実車公開! めちゃゴツい“骨組み”に「Sマーク」装着! “強靭な構造”で未来を支える「新型ユニット」に期待!
くるまのニュース
マツダ、2024年スーパー耐久シリーズに3台で参戦
マツダ、2024年スーパー耐久シリーズに3台で参戦
レスポンス

みんなのコメント

2件
  • ムーンアイズ、アメリカンカスタムは素晴らしいです。
    一台がそこにあるだけで、空気を変えるオーラがある。イイんだけどなあ。
  • チョップトップだけはどうしても受け入れられない
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村