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ユーノス800を思い出すと、マツダSKYACTIV-Xがスタンダードになる未来が見える

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ユーノス800を思い出すと、マツダSKYACTIV-Xがスタンダードになる未来が見える

最初は特殊と思われたたミラーサイクル(高膨張比)エンジンもいまや当たり前になった

マツダが世界で初めて実用化に成功した燃焼方式「SPCCI(Spark Controlled Compression Ignition:火花点火制御圧縮着火)」を採用したエンジン『SKYACTIV-X』が、いろいろな意味で話題を集めています。ガソリンエンジンながら、火花点火だけなくディーゼルエンジンのような圧縮点火も可能としたことで、理想的な内燃機関を生み出すことができたというのがマツダの主張です。一方で、従来型のガソリンエンジン搭載車との価格差(60万円以上!)を考えると、それほどの価値があるのか疑問という声もあるようです。

たしかに、現時点での価格差は燃費性能の違いやパフォーマンスの優位性で埋められるものとはいい難く、最新テクノロジーを所有していることに喜びを感じるタイプのユーザーや、マツダの熱心なファンでなければ、60万円というエクストラコストを支払うことに納得できない部分はあるかもしれません。その意味ではマツダのブランディングにおいて欠かせない存在といえるRE(ロータリーエンジン)と似たようなポジションにある技術という印象も受けます。しかし「SPCCI」は REのように孤高の技術になるかといえば、そうではないように思えます。

SKYACTIV-Xを過去のマツダ製エンジンと重ねるならば1993年に生まれた「ユーノス800」が搭載した『KJ-ZEM』との共通点を多く感じます。このエンジン、量産型としては世界初のミラーサイクルエンジンでした。ミラーサイクルを日本語で言い換えると高膨張比となりますが、つまり圧縮比より膨張比を大きくとったエンジンのことです。通常のレシプロエンジンではピストンストロークは一定なので圧縮比と膨張比は同等になります。燃焼室の容積とピストンが下死点にいったときの容積比である膨張比が大きいほど効率がよくなるため、膨張比を大きくとることは理想なのですが、同時に圧縮比が高まってしまうのは異常燃焼などの問題がありました。そこで圧縮比を上げずに、膨張比だけ上げる手法が求められてきました。それを初めて量産エンジンとして実現したのがマツダだったのです。

さらに初のミラーサイクルエンジンであるKJ-ZENにはリショルム式スーパーチャージャーが使われていました。そういえば、SKYACTIV-Xにも高応答エア・サプライとしてルーツ式スーパーチャージャーが採用されています。世界初のミラーサイクルエンジンとSPCCI燃焼方式エンジンには、どこか共通性を感じてしまいます。そもそも高圧縮比によって課題となる異常燃焼は混合気の自己着火が原因ですが、それをコントロールしてやろうというのがSPCCIという見方もできます。だとすると、ミラーサイクルとSPCCIは同じような課題を解決するために生まれたエンジンともいえそうです。

さて、マツダが実用化したミラーサイクルエンジンですが、その後トヨタ、ホンダ、日産といった他社からも高膨張比エンジンは続々と登場します。その多くにアトキンソンサイクルという名称が使われていますが高膨張比であることは共通です。また、他メーカーではスーパーチャージャーを使っているのは日産くらいで過給が必須というわけではありません。マツダ自身もユーノス800以外のミラーサイクルエンジンはNA(自然吸気)で高膨張比を実現しています。つまり、コストを下げつつ、ミラーサイクルのメリットを引き出すことに成功したといえます。

SPCCIを実用化したSKYACTIV-Xエンジンにも同じような未来が感じられるのではないでしょうか。マツダ方式を使うかどうかは別として、ガソリンエンジンの圧縮着火は多くの自動車メーカーが目指している未来といえるからです。現時点では初物ということもあって凝ったメカニズムに見えますが、こなれてくることでコスト高につながる要素を省き、より広く使われる技術になる可能性が期待できます。SPCCIの真価を評すべきはいまではなく、そうして普及フェイズに入ってからではないでしょうか。

文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)

文:carview! 編集部
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みんなのコメント

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  • ユーノス800の様に消えてゆく運命
  • もともと、25年前にホンダのAR燃焼が実用化になってたが、それをヒントに直噴で燃焼制御したエンジン、思う。目新しい技術には感じない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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