■人気の軽スーパーハイトワゴン市場に日産「ルークス」が殴り込み!?
近年、軽自動車に人気が集まっていますが、そのなかでもひときわ背が高い「スーパーハイトワゴン」が最近のトレンドです。
なぜホンダ「N-BOX」売れ続ける? 軽メーカーダイハツ・スズキが超えられない理由とは
とくに、ホンダ「N-BOX」の販売が好調で、2019年1月から12月のN-BOXシリーズの販売台数は、ホンダとして過去最高となる25万3500台を記録。
登録車を含む新車販売台数においては3年連続、軽自動車の販売台数においては5年連続で首位獲得し、日本で一番売れているクルマとして君臨しています。
ホンダ以外にも、ダイハツ「タント」やスズキ「スペーシア」といったスーパーハイト系が売れ筋ですが、2020年3月19日にフルモデルチェンジ予定の日産新型「ルークス」が注目されています。
王者N-BOXと、トップの座を狙う新型ルークスは、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。両車を比較してみます。
新型ルークスは、日産と三菱の合弁会社NMKVが手掛けた軽自動車で、企画・開発は日産主導でおこなわれました。
三菱では新型「eKスペース/eKクロススペース」として発表されており、新型ルークスと同じく2020年3月19日に発売される予定です。
新型ルークスは、先代モデルは「デイズルークス」として販売されていましたが、フルモデルチェンジを機に「デイズ」が外れて、先々代の名称であるルークスに戻りました。
なお、このときのルークスは、スズキ「パレット(現在のスペーシア)」のOEM車として販売されていました。
新型ルークスは、標準仕様とエアロ仕様の「ハイウェイスター」のふたつのスタイルを用意。
どちらのスタイルにも共通するのは、「Vモーショングリル」が採用されていることですが、ハイウェイスターはVの字が大きく、シャープな形状のヘッドライトを装備することで迫力のある表情となりました。
ハイウェイスターの最級グレード「プロパイロットエディション」のヘッドライトは、オートレベライザー付きのLEDヘッドライトで、ヘッドライト上部のハーフクロム部は、消灯時はメッキ、点灯時はアクセントランプへ変化するなど、スタイリッシュな演出も施されています。
N-BOXについても、標準仕様とエアロ仕様の「カスタム」を用意しています。
標準仕様は丸型ヘッドライトで愛嬌のあるデザインですが、カスタムはメッキ加飾を施したやや大型のフロントグリルに、流れるウインカー(シーケンシャルターンシグナルランプ)を組み込んだヘッドライトで存在感のあるデザインが特徴です。
ボディカラーは、新型ルークスは、標準仕様がモノトーン9色+2トーン2色、エアロ仕様がモノトーン8色+2トーン3色を用意。
N-BOXでは、標準グレードがモノトーン10色+2トーン2色、N-BOX カスタムがモノトーン6色+2トーン3色を取り揃えるなど、それぞれ豊富なボディカラーをラインナップしました。
軽自動車を購入検討するユーザーは、以前は燃費や経済性を重視することが多かったのですが、最近ではボディカラーを重視する人が多くなっているといわれています。
そのため、ユーザーのニーズに応えられるよう、各車は多くのボディカラーを揃えているのです。
■新型ルークス vs N-BOX 使い勝手や装備、安全機能はどう違う?
新型ルークスとN-BOXの使い勝手や室内空間は、どのような特徴があるのでしょうか。
新型ルークスは、2019年3月にフルモデルチェンジした新型デイズのプラットフォームを採用し、大人4人がゆったりと過ごせる広い室内を実現しました。
後席の室内高は1390mm、天井に設置されるリヤシーリングファン非装着車は1400mmと、子どもが立って着替えることができます。また、後席の足元空間は770mmと広々としており、ロングドライブも快適に過ごせます。
新型ルークスは乗り降りがしやすいのも特徴で、スライドドアの開口部は650mmを確保。後席へのアクセスがスムーズにおこなえます。
また、フロア下に足を抜き差しすることでスライドドアが開閉する「ハンズフリーオートスライドドア」が装備され、両手がふさがっていても便利な機能も設定されました。
さらに特徴的なのは、ロングスライドできる後席です。後席は最大320mmスライドし、一番前にすると運転席から後席の子どもや荷物に楽に手が届くようになっています。
その際にさらに便利な機能として、助手席の肩口にリクライニングレバーを設定し、前に倒すことができるようになりました。これにより、後席に手が届きやすくなっているといいます。
N-BOXの室内空間も広々としています。室内高は新型ルークスと同様に1400mmを確保。こちらも子どもであれば室内で経つことができます。
さらに、N-BOXにもハンズフリースライドドアが設定されています。新型ルークスのハンズフリーオートスライドドアは上級グレードに標準装備、もしくはメーカーオプションとなりますが、N-BOXでは全車にディーラーオプションとして用意されています。
N-BOXの後席のスライド量は190mmと新型ルークスには及びませんが、逆にN-BOXの場合は助手席が前後に570mmロングスライドするグレードがあり、助手席を後ろにスライドさせることで後席の子どもや荷物に手が届く仕様となっています。
ロングスライド機構を利用して、運転席から後席に手が届くのが新型ルークス、助手席から後席に手が届くのがN-BOXという違いがあります。
新型ルークスのパワートレインは、自然吸気エンジンとターボエンジンがありますが、全車にスマートシンプルハイブリッドを組み合わせました。駆動方式はすべてのグレードで2WDと4WDが選択でき、トランスミッションはCVTです。
N-BOXのパワートレインも、自然吸気エンジンとターボエンジンがあり、駆動方式は2WDと4WD、トランスミッションはCVTです。
気になる燃費(WLTCモード)は、新型ルークスが20.8km/L、N-BOXが21.8km/Lとなり、若干の差ではありますがN-BOXに軍配が上がります。
新型ルークスの安全装備は、踏み間違い衝突防止アシストやインテリジェントエマージェンシーブレーキ、車線逸脱防止システム+車線逸脱警報、前方追突予測警報、ふらつき警報、標識検知機能、先行車発進お知らせなどが全車標準装備ですが、運転支援技術「プロパイロット」はハイウェイスターに設定されている「プロパイロットエディション」に標準装備されます。
新型ルークスは、デイズで軽初搭載した「プロパイロット」をさらに進化させ、新たにミリ波レーダーを追加したことにより、より遠くの先行車の状況を検知し、スムーズな制御が可能になりました。
なお、標準仕様にはプロパイロットの設定がなく、オプションでも選択することができません。
一方のN-BOXは、安全運転支援システム「ホンダセンシング」が全車標準装備されています。ホンダセンシングには、衝突軽減ブレーキ、誤発進抑制機能、歩行者事故低減ステアリング、路外逸脱抑制機能、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)、車線維持支援システムなどが含まれます。
安全装備について、新型ルークスはグレードによって機能が異なりますが、N-BOXは全車で同じ安全機能を装備しています。
新型ルークスの価格(消費税込、以下同様)は、標準仕様が141万5700円から168万800円、ハイウェイスターが173万4700円から206万6900円です。
N-BOXの価格は、標準仕様が141万1300円から192万6100円、カスタムが174万6800円から212万9600円です。
価格を比べると、どちらももっとも安いグレードは141万円台となりますが、N-BOXはACCが全車標準であることを考えると、新型ルークスよりも割安だといえるかもしれません。
その一方で、標準仕様の最上級グレードは、プロパイロットが装備されない新型ルークスが168万円となり、ホンダセンシング標準装備のN-BOXの192万円より25万円ほど安くなります。
軽自動車のユーザーには日常使いがメインで高速道路を利用しないユーザーも多く、ACCのような運転支援機能が不要だという人もいます。価格が安くて上級グレードが欲しい、なおかつエアロ仕様の派手なデザインは苦手という人には新型ルークスの標準仕様が適しているといえます。
※ ※ ※
軽自動車のスーパーハイトワゴンは、各社からさまざまなモデルがラインナップされ、激戦区といえる状況です。
2019年暦年の販売台数は、N-BOXが25万3500台ですが、先代モデルのデイズルークスは6万7747台と、N-BOXの圧勝となっています。
フルモデルチェンジでルークスという名称に変更された理由について、同モデルのチームマーケティングマネージャーである小木曽氏は次のように説明します。
「新型ルークスが所属するスーパーハイトワゴンというセグメントで、2017年以降は販売台数が多くなっています。ルークスは、『ルーム』と『マックス』を掛け合わせた造語で、この激戦のセグメントのなかで名前を覚えていただきたいということでルークスとしました」
デイズが外れて単独のブランドとして新たな道を歩み始めた新型ルークスが、どれだけ販売台数を伸ばせるかということが注目されます。
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