5月25日、2025年F1第8戦モナコGPの決勝レースが行われ、ランド・ノリス(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインで今季2勝目/自身通算6勝目を飾った。ノリスにとっては、初のモナコ優勝となった。
2位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3位にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が続いた。角田裕毅(レッドブル)は17位でチェッカーを受けた。
【F1第8戦決勝の要点】小手先のルールいじりではモナコGPは救えない
F1とともに歴史を紡いできたモンテカルロ市街地コースを舞台に開催された第8戦。今大会は最低3セットのタイヤを使用(2回のピットストップ)が義務化され、20台中10台がミディアムタイヤ(イエロー/C5)、8台がハードタイヤ(ホワイト/C4)、2台がソフトタイヤ(レッド/C6)と、スタートタイヤから選択が別れ、今まで以上に予測が難しいグランプリとなった。
78周の決勝レースは気温22度、路面温度45度、湿度51パーセントというコンディションでスタートを迎えた。ポールシッターのノリス(ミディアム)を先頭に2番手ルクレール(ミディアム)、3番手ピアストリ(ミディアム)、4番手マックス・フェルスタッペン(レッドブル/ハード)、5番手アイザック・ハジャー(レーシングブルズ/ミディアム)と上位勢はグリッド順のままターン1を通過する。
そんななか、ターン8(ポルティエ)でアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)とサイド・バイ・サイドとなったガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)がバリアにヒット。ボルトレートが一時的にマシンを止めたことで、オープニングラップからイエローフラッグが振られ、上位勢が2周目に入ってからバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入された。
そのVSC導入直前に角田、ガスリーらがピットに滑り込み角田はソフトからハードへ、ガスリーはミディアムから2セット目のミディアムに交換。スタートでひとつポジションを下げていた角田だったが、このVSC導入時点でのタイヤ1回交換済グループの首位となる。
VSCは4周目途中に解除されると、ノリス、ルクレールの2台は後続を引き離し、2番手ルクレールと3番手ピアストリのギャップは8周目に4.5秒まで広がる。
そんななか、角田の背後についていたガスリーがブレーキトラブルに見舞われ、9周目にターン11(ヌーベル・シケイン)で左フロントタイヤを角田の右リヤタイヤにヒット。左フロントサスペンションを破損し、ガスリーは自走でピットまで戻ったもののここでレースを終えた。
幸い角田には大きなダメージはなかったようで、先行するランス・ストロール(アストンマーティン/ハード)とのギャップを縮めにかかった。
15周目、5番手のハジャーがソフトタイヤに履き替えた。レーシングブルズはハジャーのポジションを守るべく、もう1台リアム・ローソンのペースを4~5秒と大幅に落とし、後続を抑える戦略を敢行した。この戦略が成功し、ハジャーはローソンの前、前方がクリアな8番手でコースに復帰した。
さらに、ハジャーは21周目にハードタイヤに履き替えタイヤ2回交換義務を消化。その時点でも、ローソンが後続を抑え続けたため、ハジャーは8番手/2回義務消化組トップという好位置を掴んだ。
20周目にトップのノリス、21周目に3番手のピアストリ、22周目に2番手のルクレールがそれぞれミディアムからハードへ交換。29周目にハードスタートの4番手フェルスタッペンがミディアムに履き替えたが、トップ4の順位は変わらず。
一方、14番手の角田はスタートからピットストップを引っ張り続けるアントネッリのペースに付き合わされるかたちに。チャンスを待ち続ける展開が続く。
そんななか38周目に6番手走行のアロンソのマシンから白煙が上がり、アロンソはターン18(ラスカス)のエスケープゾーンにマシンを止めた。
レース折り返しを過ぎた43周目時点のオーダーは、ノリス(ハード/2セット目)、ルクレール(ハード/2セット目)、ピアストリ(ハード/2セット目)、フェルスタッペン(ミディアム/2セット目)、ハミルトン(ハード/2セット目)、ハジャー(ハード/3セット目)、オコン(ハード/3セット目)、ローソン(ハード/3セット目)、アルボン(ハード/2セット目)、サインツ(ハード/1セット目)、ラッセル(ハード/1セット目)、アントネッリ(ハード/1セット目)、角田(ハード/2セット目)というトップ13に。
44周目には2回交換義務を済ませたアルボンが、未だピットに入らないサインツをコース上で先行させる。サインツにフリーストップを与えるべく、アルボンは3秒近くペースダウン。これでラッセル、アントネッリ、角田、ストロールら後続は数珠繋ぎとなる。
抜けないモナコ・モンテカルロでは、ペースをコントロールされると後続は為す術がない。レーシングブルズ、そしてウイリアムズの術中に、メルセデス勢、そして角田もハマってしまうかたちとなった。
そうして迎えた50周目、アルボンのペースに付き合わされたラッセルは我慢の限界を超えたのか、ヌーベル・シケインをショートカットしてアルボンの前に出た。ラッセルは「アルボン危ないよ!避けるしかなかった」と、無線の上ではわざとのオーバーテイクではないとした。
ただ、ラッセルは「タイムペナルティでいいよ」と、アルボンにポジションを戻さなかったことでドライブスルーペナルティが課せられる結果となった。
なお、サインツは54周目に2度目のタイヤ交換を済ませ、ラッセル(タイヤ交換義務1回消化)の前でコース復帰。ウイリアムズ2台はメルセデス勢からポジションを守ることに成功した。結果的にここが入賞の分かれ目となった。
49周目に3番手ピアストリがハードへ、50周目に2番手ルクレールがミディアムへ、51周目に首位ノリスがハードへ履き替え、トップ3は2回交換の義務を消化する。戦略の異なるフェルスタッペン(義務消化1回のみ)は見た目上のトップを守るも、ノリスとは2秒差と僅差であり、赤旗が入らなければ逆転は難しい状況に。
また、角田(義務消化1回のみ)も赤旗などの“きっかけ”を待つことしかできず、ハードタイヤでの走行が70周以上我慢が続くことに。結果的に角田は75周目に2回交換の義務を消化し、17番手でコースに復帰した。
後続ではチームプレーも見られたなか、表彰台を争う4台のポジションはスタートから事実上変わらず。首位のノリス(ハード)、2番手のルクレール(ミディアム)は1秒以内の接近戦のままレース終盤を迎えた。
ただ、すでにタイヤ2回交換義務を消化した同士であり、勝負はコース上でつけるしかない状況だったが、抜けないモナコでは順位変わらず。78周目を終え、ノリスが開幕戦オーストラリアGP以来となる今季2勝目/自身通算6勝目を飾った。
なお、マクラーレンのモナコGP優勝は2008年のルイス・ハミルトン以来となる。3.131秒差の2位にルクレール、3.658秒差の3位にピアストリが続いた。
以下、4位にファイナルラップにソフトタイヤに履き替えたフェルスタッペン、5位ハミルトン、6位ハジャー、7位オコン、8位ローソン、9位アルボン、10位サインツまでが入賞となった。角田はレーシングブルズ、ウイリアムズ、そしてメルセデス勢のチームプレーに翻弄され、完走18台のうち17位となった。なお、ローソンは今季初入賞を飾っている。
次戦となる2025年F1第9戦スペインGPは5月30日~6月1日に、カタルーニャ州バルセロナのカタロニア・サーキットで開催される。
[オートスポーツweb 2025年05月25日]
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みんなのコメント
わざと遅く走るなんて、いくらポイントのためとはいえファンとして観たくなかった。
まるで2時間無駄にした気分ですね。
ノリスにはおめでとう。