「楽しみで仕方ないんじゃないですか！？ 僕らがぶつかるの（笑）」ポール逃すも明るい太田格之進。僚友牧野倒し昨年の悔しさ晴らせるか

　モビリティリゾートもてぎで開催されているスーパーフォーミュラ第3戦・第4戦。土曜日に行なわれる第3戦の予選は、牧野任祐がポールポジションを獲得し、2番手は太田格之進が獲得。DOCOMO TEAM DANDELION RACINGのフロントロウ独占となったが、この結果からやはり思い返されるのは昨年8月のもてぎでのレースだ。

　昨年のもてぎ戦も、主役はダンディライアンのふたりだった。レース終盤、トップを走る太田はフレッシュタイヤで迫る牧野と激しいバトルを展開していた。まさに接触ギリギリの手に汗握る攻防はフェアな戦いでもあり、昨シーズンのハイライトのひとつだ。

　しかしその幕切れは悲劇的なものだった。残り2周の90度コーナーで太田にスロットルトラブルが起きてスピン。悔しがる太田の姿と、スタンドで涙を流すファンの姿も、同じく昨年を象徴するものとなった。

　8ヵ月ぶりのもてぎ戦で、フロントロウに並ぶことになった牧野と太田。太田にとってはライバルの牧野にポールを奪われる結果となったが、その表情には悲壮感はなく、むしろ明るかった。

「メディアの皆さんからしたら、楽しみでしょうがないんじゃないですか？　僕らがぶつかるの（笑）。ふたりでごちゃごちゃ～ってなって、3番手のイゴール（オオムラ・フラガ）くんがバコーンっていくかもしれないですよ？」

　いつもの調子で軽口を叩いた太田は、こう続けた。

「昨年のレースは本当に悔しかったので、ここで勝てたら嬉しいなと思います。僕としても3年連続予選2番手ということで、その間タイヤやダンパーが色々と変わっていく中で、常に高い次元にいられている点でチームを褒めたいですね」

　今回は開幕ラウンドと違い気温が20℃台中盤に入る初夏のような陽気であり、タイヤの性能劣化もある程度ありそうな予感。ただレース距離が短いことからも戦略の幅は小さくなるだろうとして、太田はスタートでの先陣争い、そしてピット後のアウトラップが重要になるだろうと予想。「臨機応変にやりたいと思います」とコメントを締め括った。