次世代の脅威に対抗する「新型レーダー」開発へ
これまで、海上自衛隊は主力戦闘艦艇として各種の「汎用護衛艦」を運用してきました。汎用護衛艦は、とくに対潜戦能力を重視しつつ、さまざまな任務に投入可能な汎用性を有する艦艇です。そのため、とくに対空戦闘能力に関しては、自艦に接近してくる目標を迎撃する「自艦防護」が可能な程度の能力を有するにとどまっていました。
【海の向こうで続々製造中!】アメリカ海軍が採用したSPY-6をを見る(画像)
しかし、近年の中国による軍備増強を鑑みると、とくに長射程の対艦ミサイルや極超音速兵器、さらにステルス戦闘機など、これまでの汎用護衛艦の能力では対処できない脅威が高まりつつあります。そこで、2030年代に就役を見込む新型の汎用護衛艦である「将来護衛艦」では、防空能力強化の一環として「高速高機動目標対応レーダー」が搭載されることになりました。
これは、2種類の異なる帯域を使用するレーダーを組み合わせたもので、高高度から接近するミサイルやステルス機などを遠距離から探知するためのSバンドレーダーと、低高度で接近するミサイルなどの小型目標を探知するためのXバンドレーダーという構成がとられています。防衛装備庁によると、2024年度から2028年度にかけて開発試作が行われ、その後2029年度から2030年度に技術実用試験が行われる計画だといいます。
2025年3月には、高速高機動目標対応レーダーに関して、その試作契約が三菱電機との間で結ばれました。三菱電機は、これまで海上自衛隊向けに各種の艦載レーダーを開発・製造してきたことで知られ、最近では高度なステルス性で知られるもがみ型護衛艦に搭載されているOPY-2レーダーを手掛けています。
このOPY-2レーダーを含め、三菱電機はXバンドレーダーに関して確かな実績と経験を積み重ねてきました。そこで気になるのは、もう一方のSバンドレーダーについてです。
筆者(稲葉義泰:軍事ライター)はこれについて、2025年5月21日から23日にかけて千葉県の幕張メッセで開催された日本最大の防衛・安全保障の展示会「DSEI Japan 2025」において、新たな情報を入手することができました。
アメリカの大手企業がまさかのタッグ
筆者がアメリカの大手防衛関連メーカーであるレイセオンのブリーフィングに参加していた時のこと。レイセオンは、同社製の最新鋭艦載レーダーである「SPY-6」について、近年三菱電機との間で一部コンポーネントの製造に関する協業契約を結ぶなど、連携を強化していることで知られています。そして、このSPY-6はSバンドを用いるレーダーでもあります。
そこで、筆者はレイセオンでSPY-6を担当しているジョン・トビン氏(SPY-6 インターナショナル事業開発 ネイバルパワー)に、「三菱電機との間で将来護衛艦用のレーダーに関する協力の計画はあるでしょうか?」と質問しました。すると、トビン氏は次のように答えたのです。
「答えはイエスです。我々はすでに三菱電機との間でSバンドレーダーの開発協力に関する技術援助契約(TAA)を結んでいます。これに基づき、弊社は1年半ほど前から三菱電機による開発を支援しています。ただし、これはSPY-6やその技術をそのまま三菱電機にお渡ししているわけではなく、あくまで同社自身によるSバンドレーダー開発を弊社が支援しているということです」
海上自衛隊の艦艇が搭載する次世代レーダーについて、日米企業がタッグを組んで開発を進めているというのは、日米同盟が政治や軍事の当事者間のみならず、民間企業の間においても大きく進展してきているということを表しているといえるのかもしれません。(稲葉義泰(軍事ライター))
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まずは、スパイ防止法成立、サイバー攻撃対策の強化をお願いします。