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美しきF1マシン「2年半にわたって走った”多彩”な経歴を持つ1台」ティレル020

美しきF1マシン「2年半にわたって走った”多彩”な経歴を持つ1台」ティレル020

 現在のF1に通ずるハイノーズ、その始祖と言えるのが、1990年にティレルが走らせた019である。このティレル019はジャン・アレジと中嶋悟が駆り、印象的なシーンを幾度も見せた。今も名車として語り継がれる1台である。

 そしてこの019の後継である020は、特異な経歴を持つ1台と言ってもいいだろう。

■F1の歴史をガラリと変えた、奇抜なアイデア。ティレル019”ハイノーズ”誕生秘話

 019から引き継がれた、アンヘドラルウイングと呼ばれるハの字型のフロントウイング。ノーズも高く持ち上げられ、フロア下に乱れの少ない気流を送り込み、ダウンフォースの増加を目指した。キープコンセプトと言うことができよう。そこに、前年までのコスワースDFRに代わってホンダV10を搭載。このホンダV10は、前年マクラーレンが使いチャンピオンを獲得した際のエンジンの発展形であり、そのパッケージには開幕前から期待が集まった。

 開幕戦アメリカGPでは、ステファノ・モデナと中嶋悟がダブル入賞。モナコではモデナが予選2位となり、カナダではやはりモデナが2位表彰台を手にした。ただその後は日本GPでモデナが6位に入っただけ。当初の期待とは裏腹に、新チームのジョーダンに先行され、ランキング6位でシーズンを終えた。

 不振の原因は、パッケージとして見た場合にホンダV10では重すぎたことや、履いたピレリタイヤのパフォーマンス不足などと言われていた。

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