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「全バラでのフレーム塗装が必要」潮風に当たったエイプをメンテ&カスタム!━━3【プロカメラマンの作業記録】  

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「全バラでのフレーム塗装が必要」潮風に当たったエイプをメンテ&カスタム!━━3【プロカメラマンの作業記録】  

手間をかけてのサビ落とし!

こんにちは。カメラマンの小見です。
前回、かなり希望的観測のような方向性(「基本はSingle XXXtasyを目指しつつ、ストリート&草レース対応と欲張った仕様にしたい」)をブチ上げてしまいましたが、その下準備として、フレームを含む細部の劣化部分の復旧から開始してみました。
エンジンを降ろしてしまったからには、しっかりマウント部分の劣化や亀裂がないかを確認して、サビ落とし。
ボルト類や、リヤのブレーキロッドのネジ部分(腐食によりアジャスターの回りが悪い部分がある)をダイスに通して、ブレーキのタイコにかかる部品がスルスルと調整できるように手入れしておきました。
フレームの狭い部分のサビ落としやバリ取りも入念に行います。大型のサンドブラストマシンでもあればいいのですが、手作業だと時間がかかりました。ポリッシャーだけでなく、ドリルやインパクトドライバーに円形ワイヤーブラシを取り付けて、スイングアームのサス受けの隅を突くように攻めてみたり……まあ手間がかかります。

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※以下「■~」は写真の説明文。写真は【画像ギャラリー】にまとめてあります。

■サビサビだったものに簡単にシルバーを塗っておいたエンジン前部ハンガーです。やっぱ、これじゃダメだなと削ぎ落としてひと手間、ふた手間。

■内側が未遂ながら鉄の輝きが戻って良い感じ。ポリッシャーに240番のペーパーを付けて削り過ぎないようにサビを落とし、磨いたところ。エッジも滑らかにしました。

■鉄板打ち抜き部材の多い原付車両ゆえ、ペダル類もカドを丸めて手触りを改良。どうってことでもないんですけど、靴底やブーツ側面の傷みが減るかも。

■リヤブレーキのロッドが傷んでいたのでM6のダイスで汚れ&サビ落としと修正です。

■強度は必要だけど重さのあるサイドスタンド&左ステップのブラケット。ここの断面も少し削って斜めに。靴底の引っ掛かりが減る工夫。まだ加工途中です。

■左3個はサビを落として表面とネジ山を点検した後のもの。左端はエンジンのスペーサー。右2本はこれから作業する作業前のネジです。

■社外マフラーの付いていた部分にサビた鉄製カラーがポツンと残っていました。マフラーの取り回しを変更するかもしれないけど、このカラーは嬉しくない。

■内径がM8ボルトに合いそうなアルミ材があったので、外周を少し削って旋盤作業。これでダウンマフラーにする場合にはサビたカラーとサヨナラです。

体に当たる部分は、マメにさらっておきます

そんな作業の日々、途中でエイプの元オーナー、グース乗りのエイジ君が手伝いに来てくれて有り難かったです。ガレージでの食事に工夫を凝らしてみたり、気分転換や休憩の仕方にもいろいろと変化を加えてみたりして、作業を進めました。
ライダーの体に触れる部分、グローブやブーツを着用していたとしても接触する部品の角を丸める作業もマメにやってみました。以前、ダックスの再生ではそこまで手の込んだことはできませんでした。
今回は、原付ならではの打ち抜き(コストをかけない生産手段)で作った部品にできてしまっているカド、これを斜めに削ってライダーへの当たりを優しくしておくなら……それは分解している今の間に……という発想です。
ブレーキペダルやサイドスタンドのベース部分の断面を削り、ひと手前かけて差別化を計ってみます。また、マフラー取り付け部分の鉄製カラーのサビも酷かったので、アルミのパイプ材を旋盤で削って同寸のスペーサーを作るなど、ささやかな軽量化と美化作業もしてみました。

■フレームだけにするときには、チェーンスライダーその他、ゴム部品の位置を忘れないようメモとしての画像を撮っておきます。

■復元時にはつい忘れちゃいそうですから、画像を残しておくのは大事です。

■どしどしバラしていきます。どれがどこのネジだとか、分けておかないと。

■ここのボルトがスイングアームなどを外さないと抜けません。リンクの点検には必須ですね。

■フォークも抜いたので、あとはブラケットとヘッドライトステーだけ。

■リヤサスのリンクは非対称なので、これもいちおう画像でメモ。

■リヤサスも外れたし、スプリングを外して色でも塗るか~と改造した特殊工具でスプリングを縮めてみると、不具合で外れて怪我。大きな血豆ができました。痛かったなあ。懲りた。

■ともかくサビだけは見苦しいので取っておこうと血のにじむ(本当)努力。ベルトサンダーの使い古しベルトを切って手作業でゴシゴシ。これは便利です。

■分解時に比べれば、これでもかなり綺麗になったと思います。ロッドだけマスキングしてサビ止めクリヤーを塗って、そのまま乾燥させておきます。

■ものは試しに、水性の「塗料はがし剤」を使ってみました。いつも使っているヤツと比べて利き目はどう違うでしょう?

■少し効果が優しめだったので細部は2度塗り。でも、純正の強い塗膜にも利きますね。

サスのリンクに隙間が……ここは、ステンレスで削り出してもらいました!

フレームまでいったん全バラにすると、最後に外したのはリヤサスペンションリンクのボルトになりました。つまり、バラシと逆の手順で組み立てるのに最初に組むべきは、リヤサスのリンクからということになります。
足周りはだいじな項目。サビ固着でめっちゃ抜きにくかったピボットカラーを引っこ抜き点検してみると、なんとカラーの外周がサビでえぐれて痩せてしまい、リンクの内寸との間には目視できるくらいスカスカな隙間があります。
さすがにそんな状態で組み立てるわけにはいかないだろうと新品を注文してみたら、予想以上に高価でビックリ。今となっては絶版車両になったエイプ、部品調達も甘くはありませんね。
数日後に新品のリンクが届きましたが、痩せたピボットカラーの寸法変化はどうにもならず、こちらはすでにホンダの純正部品が欠品でした。せっかくリンクを新品にしたのに、中古のカラーをオークションで探すのも何だか癪に障ります。
こうなったらときどきお世話になる旋盤加工のプロに、SUS材を使って新品寸法で作ってもらおう!と、葛飾区青戸にある田中光製作所に依頼しました。
数日後に出来上がったカラーはピッカピカでとても良い仕上がり。これでリンクをしっかりと組み立てることができます。サスを後で変更するにせよ、リンクにガタがあってはミニバイクといえども気持ちよく走れませんからね。

■剥離と塗料落としの日々の合間、スイングアームの剥がしに没頭しました。まあ汚れとサビに苦労させられる部分ですね。このへんで苦労を終えたころ、突如四輪のレストアマニアの大ベテランから「ウチのクルマ用ブラスト室使う?」なんて急に電話をいただいた。あのヒト、テレパシー能力でもあるのだろうか? モーガン数台とかコスモスポーツをお持ちの大先輩。

■小汚かったスイングアームは、頑張ってヘアラインっぽく磨いてみました。楽しい。ここはクリヤーで金属感を残してみよう!

■こいつが問題児だったリンクです。ここのカラーが強烈に固着していました。

■上側カラーと本体内側の隙間にご注目ください。スカスカ、スポスポです。リンクの固着から外して汚れを取ってみたら、この有様でした。

■リンク内側も削れて磨耗していたので、新品を発注。これで5000円以上した。他の旧車部品の高騰に比べたら、まだ可愛いものかもしれませんが。

■固着していた左と、微妙にスカスカだった右のカラー。これはもう使用不可です。

■環七外回り・青戸橋近くにある田中光製作所の田中光男社長。頼りになります。

■田中光製作所で作っていただいた新品のカラー。これでガタつきなくサスが動く!

デイトナの耐ガソリンクリヤーが、とても便利に使えます!

小さな部品の問題が解決したころにはフレームの剥離や脱脂も終わって、サビ止めとサフ、ベースとしたシルバーの塗装に取り掛かっています。
エイプの標準型フレームは純正色がブラック。特別仕様には違った色もありますが、まあ黒です。
ちょいと洒落っ気を出してメタリックブルーなんかカッチョ良いのではなかろうか?とトヨタの四輪の色合いを選び、よく晴れた日にその色調をジワジワと重ね塗り。仕上げには長年の信頼でデイトナの耐ガソリンクリヤー(2液性ウレタン)でフィニッシュです。
その際には、バラしておいたフロントフォーク取り付け部=上下ブラケットも事前にホイール塗装用のゴールドで塗っておいたものに、クリヤーを上塗りして塗膜を保護。このブラケットもサビが酷かったので、塗装前にポリッシャーで磨き上げてからよく脱脂して、サフを吹いたうえでゴールドに塗装しておいたのです。ウレタン系塗料はいったん缶底のピンを地面にたたきつけ混合させると、一定時間内に使い切らないと無駄が出ますからね。
フレームとブラケット類がブルーとゴールドになると、なんか豪華な感じになってきました!
ガソリンタンクやエンジン付近の部品にもウレタン塗料は有効なので、活用の機会は多いです。

■リンクカラーを田中光製作所に要請した合間にフレーム塗装の下準備。アプリリアの125を買ったエイジ君が遊びに来て作業を手伝ってくれている図。“にこにこオフロード”(茨城県笠間市上郷にあるオフロードコース)にキャンプと走りに行こうと計画したものの、未遂。

■いよいよフレームの下地でシルバーを塗装。ヘルメットホルダーなどはサビていたので、そのまま塗っちゃいました。後半に正立で塗りたかったので最初は逆さ塗り。

■局部にサビ止めクリヤーを吹いて、乾かしてからシルバー。だいぶ綺麗になりました。

■腹が減ってはイクサはできません。野菜を焼いてパンとラーメンで休憩。

ということで、夢を膨らませつつ、悩みつつの日が続きます

で、フレームの作業を先行させながらも気になるのは、エンジンのコンディションです。
また、外装をそれらしいダートラっぽくまとめるには、どーしたものか? 手元に存在する加工用の素材は、旧車イベントにて500円で買ってきたゼッツーテールカウル(モンキー用らしい)くらいしかありません。
タンクはともかく、シートはやっぱり定番らしいスタイルにはしたいもんなあ……。Single XXXtacyのような高級感は厳しいとしても、あんまりちゃちな完成形にしたくないもんなあ……。悩みの日々です。

■打刻部分が塗料で読みにくくなっていたので、いったん塗料を落としピックツールで刻印をしっかり出してから再塗装。

■残っていたホイールカラーのゴールドが目を引いたので、ちょっと試してみました。耐熱のチタンカラーとかマグネシウム風な色も良かったんですけどね。

■トヨタ用ブライトブルーメタリック(8K4)を選んでみた。

■表面の保護には塗膜の丈夫なウレタン系が良い。デイトナの耐ガソリンクリヤーでフレームと上下ブラケットの保護を試みます。

■暑い季節だったのですが、マスクで防護措置。暑くても湿度の高い日は悩ましい。

■フレームを塗った後に下側ブラケットも耐ガソリンクリヤーを吹いて、乾燥養生。単管パイプで組んだ一角に刺しておけば塗装面は浮いた状態で保っておける。

取材協力●株式会社デイトナ/有限会社田中光製作所

レポート&撮影●小見哲彦 

プロフィール●小見哲彦

無類のバイク好きカメラマン。
大手通信社や新聞社の報道ライダーとしてバイク漬けになった後、写真総合会社にて修行、一流ファッションカメラマン、商品撮影エキスパートのアシスタントを経て独立。神奈川二科展、コダック・スタジオフォトコンテスト等に入選。大手企業の商品広告撮影をしつつも、国内/国外問わず大好きなバイクを撮るように。『モーターサイクリスト』誌ほか多数のバイク雑誌にて撮影。防衛関係の公的機関から、年間写真コンテストの審査員と広報担当人員への写真教育指導を2021年より依頼されている。

文:モーサイ 黒田 卓

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