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新型キャデラック CT5はセグメントイーターか? 高級セダンのダークホースを渡辺慎太郎が試乗レポート

Cadillac CT5

キャデラック CT5

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キャデラックのクルマづくりを変えたCTSから進化

キャデラックはその歴史上いくつかの大きな転換点があって、2002年に発表された4ドアセダンのCTSもそのひとつである。北米市場にターゲットを絞り、前輪駆動のプラットフォームでセダンの開発を続けてきたキャデラックは、気が付けば顧客の平均年齢が60歳を超え、北米以外のマーケットでの競争力が大きく減退していた。

そこでまったく新しいFRのプラットフォームを開発し、なんとニュルブルクリンクで徹底的に走り込んで作ったモデルがCTSだった。それまでのキャデラックのイメージとニュルブルクリンクなんておよそ結びつかない組み合わせだっただけに、当時はちょっとした衝撃的話題となった。

そしてCTSはCT5へ

CTSは当初からマニュアルトランスミッションも用意、2代目はコルベットのエンジンを搭載したCTS-Vを追加するだけでなく、クーペやワゴンまでも取り揃え、欧州市場でドイツ勢と真っ向勝負を挑んだ。その乗り味はそれまでのキャデラックとは大きく異なるもので、良くも悪くもドイツ臭の漂うアグレッシブなテイストだった。

CTSのプラットフォームはシグマ・アーキテクチャーと呼ばれていたが、唯一の欠点は重量がそこそこあったこと。そこでキャデラックは新たなFRプラットフォームを開発し、アルファ・アーキテクチャーと名付け、それを使ったATSをCTSの下に位置するモデルとして2012年にお披露目した。

3代目となっていたCTSは2019年、ATSは2018年に販売を終了。それぞれフルモデルチェンジを果たしCT5とCT4に名前を変えて現在に至っている。ちなみに、CT5の上に位置していたCT6は本国と日本での販売をすでに終了しており、現存するのは中国生産の中国市場向けのみとなっている。

「アメ車=高い」は昔のお話

そのCT5の販売が2021年1月から日本でも開始された。アルファ・アーキテクチャーを使うCT5のボディサイズは、全長4925mm/全幅1895mm/全高1445mm/ホイールベース2935mm。メルセデスのEクラスが4940mm/1850mm/1455mm/2940mmなので、BMW5シリーズやアウディA6などと同じEセグメントに属する4ドアセダンである。

CT5の性能やインプレッションを記す前にこんなことを言うのも何なんだけれど、EセグメントにおけるCT5の圧倒的アドバンテージはその価格にある。日本仕様にはいずれも2.0リッターの直列4気筒ターボエンジンを積むプラチナムとスポーツの2種類が用意されていて、価格はそれぞれ560万円と620万円。Eクラスの廉価モデルであるE 200 スポーツは769万円、5シリーズの523i ラグジュアリーは752万円、アウディ A6の40 TDI クワトロは745万円なので、ベースグレードならCT5のほうが約200万円も安いことになる。いまだに日本では「アメ車はデカい、高い」というイメージが蔓延っているようだが、そんなことはいにしえの時代の話であり、キャデラックに限らず現代のアメ車の価格の競争力は決してあなどれないのである。

駆動形式はFRもしくはAWD

エンジンは1997ccの直列4気筒ターボで、これは基本的にXT4のユニットと同一である。大きく異なるのは、XT4が横置きであるのに対してCT5は縦置きである点。縦でも横でも使えるチョクヨンなのである。最大トルクはどちらも350Nm/1500-4000rpmだが、最高出力はCT5のほうが10ps上乗せされていて240psとなっている。

これに組み合わされるトランスミッションは10速ATで、プラチナムはFR、スポーツはAWDの駆動形式を採用している。XT4のAWDはツインクラッチ式AWDと呼ばれ、後輪左右の駆動力配分も行うタイプである一方、CT5のAWDは前後の駆動力配分のみを可変する。前後駆動力配分はドライブモードによって変化し、ツアーモードでは40:60、スポーツでは20:60、アイス&スノーでは50:50に設定されている。サスペンションはフロントがストラット、リヤが5リンクで、タイヤ&ホイールのサイズはプラチナムが18インチ、スポーツが19インチの設定となる。

自動開閉シャッター付きグリルを採用

試乗車はセーブルブラックのエクステリアカラーをまとったCT5 スポーツだった。3ボックスのセダンではあるけれどそのスタイリングはファストバックで、Cピラーからのなだらかな曲線がリヤエンドまで繋がっている。

フロント左右の天地方向に伸びるLEDライトは現行のキャデラックに共通するシグネチャーのひとつ。プラチナムのフロントグリルはクロームのトリムが施されているがスポーツはブラックメッシュとなっていて、こちらのほうが若干凄みが増した印象を受ける。なお、グリルの奥にはエンジンルーム内の温度が適正な場合に閉じて空力を優先するアクティブグリルシャッターが設置されている。

機械式スイッチに覚える安心感

インテリアもまた基本的には現行のキャデラックと似たようなしつらえとなる。センターコンソールには10インチのディスプレイが配置されていて、これはタッチ式でもあるのだけれどロータリー式スイッチも置かれている。

センターコンソールにも機械式スイッチがズラリと並んでいて、最近のクルマがどんどん機械式スイッチを減らしていく中にあっては「ずいぶんスイッチが多いな」と感じてしまう。でも昭和生まれのおっさんにとっては、こういう機械式スイッチのほうが安心して触れるのも事実である。

「流石はキャデラック」な静粛性と乗り心地

アイドリング状態から法定速度の上限に至るまで、ほとんど同じような静粛性が保たれているのはCT5の特徴のひとつと言える。遮音や吸音に関しては、高級車メーカーとして長年培ってきた経験と実績がキャデラックにはあって、それらを余すことなくこのクルマにも投入しているようである。

遮音材や吸音材の適材適所な使い方やアコースティックラミネートガラスなどのアイテムも確かに効果を発揮しているが、そもそもアルファ・アーキテクチャーというのは剛性がすこぶる高く軽量で、NVの抑制にもひと役買っている。NVの発生量自体が少ないので、この静粛性のレベルにしては遮音/吸音材の使用量も少なく、全体としての軽量化にも大きく寄与していると思われる。

CT5は静かな上に乗り心地にも優れている。キャデラックは磁性流体を使ったマグネティックライドという電子制御式ダンパーを持っているが、日本仕様には採用されていない。それにもかかわらず、19インチのタイヤ&ホイールを履きながらこの乗り心地を達成するとはお見事である。路面からの大きめの入力に対しては少しタイヤがばたつくと感じるかもしれないが、それも想定内であり許容範囲内だと思う。速度依存度が低く、同じような乗り心地がどのスピードレンジでも提供されるので全般的に快適だ。

実力はEクラスや5シリーズと紙一重

今回の試乗会は都内で開催されたので、一般道と首都高のみでのドライブだった。それでもハンドリングや動力性能はいずれも申し分ないレベルだと断言できる。ハンドリングの印象を端的に言えば「素直によく曲がる」。ステアリング操作に対するクルマの応答性がいいので、3m近いホイールベースと5m近い全長よりもっと小さいクルマを運転しているような感覚である。

初期応答はいたずらに敏感でなく、かといって緩慢でもないちょうどいいセッティングだった。ハンドリングや動力性能に軽快感が伴うのは、1760kgという車両重量のおかげもある。最近は2トン前後のクルマばかりに乗っていたので、ことさらCT5の軽さが際立った。このサイズのボディに2.0リッターのチョクヨンではパワー不足ではないかと案ずる方も少なくないと思うけれど心配ご無用である。この車両重量なので加速力や瞬発力について不足だと感じた場面は1度もなかった。低回転域からトルクを重視したエンジン特性になっている上に、これを状況に応じてうまく引き出す10速ATとのマッチングが秀逸だった。

日本のメーカーはドイツ車のほうを向いてクルマを作っているような節があるけれど、中国と双璧を成す北米市場はキャデラックのお膝元でもあるわけで、特にEクラスや5シリーズと互角に戦える実力と挑戦的な価格を備えたCT5を、彼らはもっと真剣に精査したほうがいいのではないだろうか。

REPORT/渡辺慎太郎(Shintaro WATANABE)

PHOTO/北畠主税(Chikara KITABATAKE)、GM

【SPECIFICATIONS】

キャデラック CT5 スポーツ

ボディサイズ:全長4925 全幅1895 全高1445mm

ホイールベース:2935mm

車両重量:1760kg

エンジン:直列4気筒DOHCターボ

総排気量:1997cc

ボア×ストローク:83.0×92.3mm

最高出力:177kW(240ps)/5000rpm

最大トルク:350Nm/1500-4000rpm

トランスミッション:10速AT

サスペンション:前マクファーソンストラット 後マルチリンク

ブレーキ:前後ディスク

駆動方式:AWD

タイヤサイズ:前後245/40R19

車両本体価格(税込):620万円 ※テスト車:627万1500円

【問い合わせ】

GMジャパン・カスタマー・センター

TEL 0120-711-276

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