ワンテールと3Dディフューザーを採用! 加藤渉氏が放つ独自スタイル
何千万円もするランボルギーニ「ムルシエラゴ」のボディをカットし、オーバーフェンダーをリベットで打ち留める。世界中のカスタムファンを熱狂させる愛知県のチューニングブランド、リバティーウォークが世界へ突きつけたその手法は、日産「GT-R(R35)」にも向けられた。片側でフロント50mm、リア80mmという拡幅量である。2017年発刊の『Ultimate GT-R』に掲載されたインタビューから、代表の加藤 渉さんに、発想の源を紐解いていく。
見た瞬間フリーズ……R35GT-R化したスカイラインクロスオーバーの作り込みがヤバすぎる
(初出:『Ultimate GT-R』2017年発刊)
リバティーウォークのR35 GT-Rはフロント50mm・リア80mmのワイドフェンダーをリベット留め
ドレスアップでもカスタムでもチューニングでもなく、改造。リバティーウォークが繰り広げる世界観を言い表すなら、この言葉がいちばん近い。昭和の街道レーサーを思わせる日本独自のスタイルを、ハイエンドカーへ真正面から持ち込む。その大胆なアプローチが、LBワークス(リバティーウォークが展開する、世界的な大ヒットを記録していたワイドボディキット・ブランド)というブランドの芯になっている。
GT-Rのワイドボディ仕様も例外ではない。片側でフロント50mm、リア80mm広げたフェンダーをボディへ重ね、リベットで打ち留める。純正のプレスラインになじませる薄い被せ物ではなく、面と面の段差をあえて見せる構成である。あのGT-Rをここまでやるのか、という反応を狙った造形といえる。
フロントバンパーは大きく口を開けた抑揚のある造形で、リップ部分には鋭いエッジのフラップ形状を採用する。コネクションロッドまで追加され、GTマシンに通じる緊張感が漂う。フロントフェンダーのすぐ脇にはフェンダーダクトも設けられ、真横から見たときの情報量を増やしている。
ワンオフのワンテールと3D造形リアディフューザーで旧車テイストを注入
旧車テイストを決定づけているのは、テールランプの処理になる。純正の片側2灯式をワンオフのワンテール(片側1灯)へ変更し、1970年代のレースマシンを思わせる後ろ姿へ振った。日本の誇るスーパースポーツに昭和の記号を持ち込む手つきが、LBワークスらしい部分である。
リアまわりは大型開口と3D造形のディフューザーを組み合わせる。塗り分けの方法やボディ色によって見え方が変わる凝った造形で、フロントやフェンダーに負けない疾走感が宿る。リアウイングは2タイプが設定され、バージョン1はスワンネックの支柱の先に翼を持ち、翼端板まで備わる。
デモカーの足元にはフォージアートのエスポレーECLを履く。日本独特のワークススタイルと、米国の最上級ホイールブランドとの組み合わせになっている。車高調整はAirREXのエアサスペンションが担い、停車時と走行時で異なる姿勢をつくる。
「R32~R34は改造車じゃなかった」LBワークス代表がR35 GT-Rを選んだ理由
なぜGT-Rだったのか。取材に応じたリバティーウォーク代表の加藤 渉さんは、根っからの日産党を自認する。所有する旧車は30台にのぼる。
「若いころから大の日産党で、GT-Rの改造に憧れてこの業界に入ったほど」
それでも当初は輸入車のボディキットが仕事の中心で、のちにスーパーカーのワイドボディキット開発へ発展していった。GT-Rに取り組んだのは、じつは後年になってからである。理由ははっきりしている。
「R32~R34は走り屋イメージで、チューニングが中心。いわゆる改造車じゃなかったから、興味はあまりなかった」
惹かれたのはR35だった。
「昔のレース風なオーバーフェンダーを付けたら、オモシロイんじゃないか」
日本が誇るスーパースポーツを素材に、往年のレースマシンを意識したオーバーフェンダーを与えれば、大きなムーブメントが生まれる。その読みが当たったことは、世界のカスタムシーンにおけるLBワークスの存在感が示している。
街道レーサー文化を世界へ。ケンメリにもフロント60mmのワークスフェンダー
暴走族スタイルという言葉を、加藤さんは煙たがらずに肯定する。
「昭和の時代の街道レーサーは日本ならではのカスタム文化。それをハイエンドカーでやる。そんな日本が生んだ日本だけの族車スタイルを海外にも広めたい、それがこだわりかな」
バンパーを外して別車種のヘッドライトを移植し、ガツンと張り出したオーバーフェンダーを組む。誰も手を出さなかった領域へ踏み込んだ原点は、クルマに興味を持ち始めた18歳のころに惹かれたビス留めのオーバーフェンダーにある。30歳のころに手に入れた日産「スカイライン」、通称ケンメリにも、フロント60mm、リア80mmのビス留めワークスフェンダーが組まれ、公認も取得済みである。
「地上波TVには出演しないんです、だって僕はヒーローじゃないから」
そう言って、いたずらっぽく笑う。愛知県尾張旭市の本社にはショールームに併設するLBカフェがあり、クルマを眺めながらスタッフと打ち合わせをしたり、作業待ちの時間に食事をしたりできる。取材の場では、次のGT-Rにも手を入れるつもりだと明かしてくれていた。
「GT-Rは、世界中の男のロマン」
常識や枠にとらわれず、面白いと感じたことをそのまま形にする。垂涎のワイドボディが並ぶファクトリーで語られた言葉には、少年のころの憧れを大人の技術と資金で回収し続けてきた実感がにじむ。日本の街道レーサー文化を世界の共通言語へ翻訳したのは、純粋な情熱と、出過ぎた杭になる勇気だったのである。
■日産「GT-R(R35)」 LBワークス カスタムメニュー
コンプリートボディキット:LB WORKS-GTR コンプリートボディキット Ver.1(フロントバンパー、リアディフューザー、リアウイング Ver.1、ワイドフェンダー/FRP) エクステリア:LBフロントバンパー(FRP)、LBリアディフューザー(FRP)、リアウイング Ver.1(FRP)、リアウイング Ver.2(FRP/CFRP)、ワンオフ ワンテール加工 サスペンション:AirREX・エアサスペンション ホイール:フォージアート・エスポレーECL(F20×11J インセット-15/R20×12J インセット-72) タイヤ:トーヨー・プロクセス(F285/35R20/R315/30R20)
※本記事は2017年発刊の『Ultimate GT-R』に掲載されたインタビューをもとに再構成したものです。記事内の情報や人物の所属、発言内容等はすべて取材当時のものであり、現在の状況とは異なる場合があります。また各パーツにおいてはお乗りの年式への適合や最新ラインアップは、リバティーウォーク公式サイトでご確認ください。
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