FIAが事前に予告していたように、F1第9戦スペインGPから、フレキシブル・フロントウイングを規制するためのテストがより厳格なものに変更される。
マクラーレンがタイトル争いをリードするなか、レッドブルやフェラーリは、走行中に過度にたわみ、パフォーマンス向上をもたらす、いわゆる“フレキシ・ウイング”の存在を指摘してきた。FIAはどのマシンについても違法性を見出していないが、スペインGPで、フロントウイングの柔軟性に関する規則を大幅に厳格化する新たな技術指令を発表した。
FIAが2025年にF1フレキシブルウイングの検査を厳格化。昨シーズンのウイング論争決着を目指す
スペインGP前までは、フロントウイングの両側に100kgの荷重をかけた場合は最大15mmの垂直方向のたわみが許容され、片側のみの場合には最大20mmの垂直方向のたわみが許容されていた。それが、スペインGPからは、それぞれ10mmと15mmに変更される。
FIAは、リヤウイングについては、シーズン序盤から段階的にテストの厳格化を進めてきた。開幕前には、メインプレーンとフラップの間のスロットギャップの変化は2mm以内と定められていたが、中国GPでは0.75mm、日本GP以降は0.5mmに変更された。
■新規定導入がシーズン途中になった理由
FIAは、昨年終盤の時点でフレキシ・ウイングについての調査を完了していた。それにもかかわらず、今の段階で取り締まりを強化する理由について、FIAのシングルシーター部門ディレクターであるニコラス・トンバジスは、チームがコスト制限規定下で不要な財政的負担を被ることなく、適応するための時間を確保できるよう、シーズン途中での導入を選択したと述べた。
「(2025年)ベルギーGPとその後の複数のレースにおいて、我々はすべてのマシンのフロントウイングにカメラを設置し、再度調査を行った結果、テストを強化する必要があるという結論に至った」
「しかし、その結論に至ったのは昨年かなり遅い段階であり、今シーズン開始時に追加テストを導入した場合、チームはすでにあるフロントウイングを破棄しなければならなくなり、追加の費用が発生する可能性があると感じた。それはチームにとって厳しい状況だ」
「したがって、導入を延期することがより賢明であると考えた」
トンバジスはまた、選手権争いが激化するほどに、チーム同士が互いのマシンをより厳しく監視するようになるため、ルールの抜け道を利用しているのではないかという懸念が自然と高まることを認めた。そして、そうした監視の高まりが、フロントウイングに対するより厳しい評価の必要性を促した部分もあるという。
「選手権争いが熾烈になると、チームは互いのマシンに注意を向けるようになり、当然のことながら懸念が表明される。そして、シーズン後半に我々は2025年に向けたテストをさらに強化すべきだと判断するに至った」と彼は説明した。
FIAはこれが今年最後の主要な技術的変更となることを望んでいる。
「明らかに、FIAがある特定の領域が過度に活用されていると判断した場合に、柔軟性テストや剛性テストを追加するのは妥当であるが、今年に関してはこれが最後の変更になることを我々は願っている」
■さまざまなタイミングで行われる検査
FIAは、レース前後の詳細な検査を通じて、規則が順守されているかどうかを確認する。これにはパルクフェルメ状態での検査も含まれ、テスト時とレース時の仕様が一致していることがチェックされる。
「我々はシーズンを通じて様々なタイミングでチームをチェックする。特定のコンポーネントを持参するよう要求して、それらを単体で検査したり、時にはマシン全体に取り付けた状態でテストしたりする」とトンバジスは述べた。
「しばしば、パルクフェルメ条件下、すなわち予選後の土曜日や日曜朝にテストを実施する。というのも、パルクフェルメではチームはマシンに変更を加えることができないからである。それによって、テスト用に硬いウイングを装着し、レースでは別の柔らかいものを使用するという事態を防ぐことができる」
「また、必要があると判断した場合には、レース後に検査を行うこともある。これらのテストは、技術規則第3.15条に定義されている静的荷重試験となる」
新テストが導入されることが、各マシンのパフォーマンスに影響を与え、序列に影響する可能性すらあると考えられており、スペインの週末により大きな関心が集まっている。
[オートスポーツweb 2025年05月30日]
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みんなのコメント
荷重と風圧では力の向きが違うので、そこに目を付けたのでしょう。
ウィング単体で風洞実験を行うなどしないと駄目だと思う。
例えば、カーボン繊維やその他の複合材の重ねる向きや密度および接着剤で荷重と撓みの方向をコントロール出来るとかね。