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今が狙い目の中古車はコレ 2021年夏の相場情報(ミドルクラスミニバン編/萩原文博レポート)

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今が狙い目の中古車はコレ 2021年夏の相場情報(ミドルクラスミニバン編/萩原文博レポート)

人気車種のモデルチェンジや季節的な要因などによって中古車の相場は日々動いています。そんな中古車市場で、今狙い目のお得なモデルはどれなのか。中古車相場にも詳しい自動車評論家の萩原文博さんに聞いてみました。2021年夏の中古車情報として取り上げるのは、トヨタヴォクシー&ノア、日産セレナ、ホンダステップワゴンなど人気モデルがそろうミドルクラスミニバンです。いったいどの車種が狙い目となっているのでしょうか。

ヴォクシーとノアの合計販売台数はミニバンでナンバーワン

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ファミリーカーとして定着し、安定した人気を誇っているミニバン。2020年の年間新車販売台数を見ると、最も売れたのはフラッグシップミニバンのトヨタアルファードで約9万台のランキング第5位。続いてコンパクトサイズのホンダフリードとトヨタシエンタが約7万2,000台で第7位、第8位と並んでいます。

そして、第10位にはトヨタヴォクシー、第11位には日産セレナ、第16位にトヨタノア、そして第20位にはホンダステップワゴンと各社のミドルサイズミニバンが並んでいます。なかでもヴォクシーとノアは外観デザインが異なるだけの兄弟車なので、この2モデルの販売台数を足すと、11万4,961台となり、アルファードと兄弟車のヴェルファイアを合計した10万8,752台を僅差で上回っていて、2020年最も売れたミニバンとなっています。ここでは、安定した人気の国産ミドルサイズミニバンの中古車事情を見て、今狙い目のモデルを紹介しましょう。

人気が衰えないトヨタヴォクシー/ノア

まずは、今回のターゲットとなる国産ミドルミニバン各車を紹介しましょう。まずは、最も販売台数の多いトヨタヴォクシー/ノアからです。

現行型のトヨタヴォクシー/ノアは2014年1月に登場し、同じミドルサイズミニバンの中で、最も古いモデルとなっていますが、新車の販売台数はいっこうに衰えません。これを見ると単に販売ネットワークが強いというだけでは片付けられないと思います。

ヴォクシー/ノアに搭載されているパワートレインは最高出力99ps、最大トルク142Nmを発生する1.8L直列4気筒エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステム、そして最高出力152ps、最大トルク193Nmを発生する2L直列4気筒エンジンの2種類。駆動方式はハイブリッド車が2WD(FF)となりますが、ガソリンエンジン車は2WDに加えて、4WDを用意。乗車定員も7人乗りと8人乗りを設定し、さらにヴォクシー/ノアには5ナンバーサイズモデルに加えて、エアロパーツを装着した3ナンバーサイズモデルも設定されています。燃費性能は、WLTCモード燃費でハイブリッド車が19.0~19.8km/L、ガソリンエンジン車が12.2~13.6km/Lと水準以上の燃費性能を実現しています。

ヴォクシー/ノアは2014年の登場以降、商品力に磨きをかけ続けており、2016年1月の一部改良では衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンスC」を採用し、安全性を向上。同時にヴォクシー/ノアのガソリンンエンジン車のみに設定されていた3ナンバーのエアロ仕様がハイブリッド車にも拡大設定されています。

マイナーチェンジでユーザーのニーズを反映

2017年7月にマイナーチェンジを行い、それぞれの個性を際立たせたエクステリアデザインの採用をはじめ、操縦安定性、静粛性の向上。そして室内装備を充実させ、利便性を向上させています。また2019年1月の一部改良では、衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンス」の機能性を向上。プリクラッシュセーフティの検知対象に昼間の歩行者が加わりました。駐車場などのアクセルとブレーキペダルの踏み間違いによる衝突を抑制するインテリジェントクリアランスソナー(パーキングブレーキ・静止物)も新たに設定し、安全性を向上させています。モデルライフは長いですが、ユーザーのニーズに対応しているからこそベストセラーモデルとなっているのです。

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クラスナンバーワンの広い室内空間と先進装備が人気の日産セレナ

続いては、日産セレナです。5代目となる現行型セレナは2016年8月に登場。ライバル車のヴォクシー/ノアが2014年1月、ステップワゴンが2015年4月なので、最もフレッシュなモデルです。そういった背景もあり、高いユーティリティや先進装備などライバル車をリードしているのが特徴です。

セレナの魅力はまずはクラスナンバーワンの室内長と室内幅を実現した広い室内空間でしょう。先代モデルより180mm室内長が長くなったことで、1~3列目まですべてのシートで足元スペースの空間が拡大。3列目シートでも快適に移動できます。ユーティリティ面では、足先をクルマの下に入れて動かすとリアスライドドアが自動で開閉するハンズフリースライドドアを設定。お子さんを抱っこしていたり、買い物をして両手がふさがっていたりするときに便利な機能です。そして、狭い駐車場などで、荷物の積み降ろしに便利なデュアルバックドアを採用したのでガラスとガーニッシュ部分のバックドア上部だけで開閉可能となっています。

先進装備では、ミニバンで世界初となる同一車線自動運転技術「プロパイロット」を搭載しています。高速道路などの自動車専用道路において、先行車両との車間距離を一定に保つように速度を調整するだけでなく、車線中央を走行するようにステアリング操作も支援する機能で、ロングドライブなどでのドライバーの負担を軽減してくれます。

e-POWERの追加で人気がさらにアップ

現行型セレナに搭載されているパワートレインはデビュー当初は2L直列4気筒ガソリンエンジン+CVT、そして、スマートシンプルハイブリッドという2Lエンジンにモーターアシスト機能を追加した2種類でした。2018年2月には待望のハイブリッドモデルが追加されます。搭載する1.2Lガソリンエンジンで発電し、その電力でモーターを駆動させて走行するシリーズハイブリッドのe-POWER搭載モデルは、JC08モードで26.2km/Lという圧倒的に優れた燃費性能によってライバル車を販売台数で大幅にリードしたのです。

2019年8月にマイナーチェンジを行い、内外装を一新。売れ筋モデルのハイウェイスターは日産のアイコンであるダブルVモーショングリルをベースとした大きなフロントグリルを採用し押し出し感を強めた外観デザインとなりました。同時に、アクティブLEDヘッドライトシステムや踏み間違い衝突防止アシスト、後側方衝突防止支援システムなど、360°の安全を提供する「全方位運転支援システム」を標準装備としています。2Lエンジンのみのときは新車販売台数が伸び悩んだセレナでしたが、モーターを駆動して走行するe-POWERの搭載により、一時はクラストップの販売台数を記録しました。

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後部ドアの工夫と優れた走りが人気のホンダステップワゴン

最後に紹介するのは、ホンダステップワゴンです。5代目となる現行型ステップワゴンは2015年4月より販売開始しました。標準車のステップワゴン、そしてエアロパーツを装着したステップワゴンスパーダというモデル体系は、先代と同じ。

ワンモーションフォルムと呼ばれるエクステリアデザインを採用し、縦開きのリアゲートに、床下収納が可能なサードシートへのアクセスが容易な横開き式のサブドアを採用した「わくわくゲート」が特徴です。この重量のあるテールゲートを採用したことでリアの開口部の剛性が向上し、クラストップレベルの走行性能を実現しています。

ハイブリッドの追加、安全装備の拡充でアップデート

搭載されているパワートレインはデビュー当初は最高出力150ps、最大トルク203Nmを発生する1.5L直列4気筒ターボ+CVTのみでした。その後2017年9月に行われたマイナーチェンジの際に、スパーダにのみ「スポーツハイブリッドi-MMD(現在はe:HEV)」と呼ばれる2Lガソリンエンジンと駆動・発電用2つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステム搭載車を追加しました。

安全装備は、ホンダ独自の運転支援システム「ホンダセンシング」をデビュー当初は全車にオプション設定でしたが、2016年5月の一部改良でBを除くグレードに標準装備化。続く2017年9月に行われたマイナーチェンジで、歩行者事故低減ステアリング、さらにハイブリッド車にはアダプティブクルーズコントロール機能に時速0kmから作動する渋滞追従機能を追加し、全モデル標準装備となり安全性を向上させています。2020年にはハイブリッド車を「e:HEV(イーエイチイーブイ)」という名称に変更。その際に、エントリーグレードのB・ホンダセンシングとスパーダハイブリッドBホンダセンシングが廃止になるなどグレード構成が整理されています。

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走りの良さならステップワゴン

今回紹介した3モデルを走行性能、運転支援システム、使い勝手という3つのポイントで比較すると、走行性能はステップワゴンが最も優れていて、セレナ、ヴォクシー/ノアの順番となります。これは燃費性能ではなく、走行中の揺れの少なさや乗り心地の良さという点での比較です。先ほども書きましたが、ステップワゴンはボディ剛性を効果的に向上させており、カーブを曲がる際の左右の揺れなどが上手に抑えられています。

運転支援システムではセレナがリード

最近、注目度の高い運転支援システムで最も評価できるのは「プロパイロット」を搭載したセレナです。この機能により、長距離ドライブでのドライバーの負担は大幅に軽減されます。続いてはアダプティブクルーズコントロール(ACC)機能を搭載しているステップワゴン。ヴォクシー/ノアは改良を重ねているとはいえ、ACCの設定がないなど見劣りします。

リア乗降性の良さでホスピタリティに優れるヴォクシー/ノア

最後に使い勝手ですが、リアの乗降性を考えて、ステップを低くするなど高いホスピタリティを実現しているのはヴォクシー/ノアです。次いで、わくわくゲートを備えたステップワゴンとデュアルバックドアを採用したセレナは互角といえるでしょう。

中古車の流通台数は人気順

ミドルクラスミニバンの最新の中古車相場を見てみると、ヴォクシーは約4,500台流通していて、価格帯は約80万~約438万円。ノアは約2,300台流通していて、価格帯は約60万~約479万円。そしてセレナは約3,800台中古車が流通していて、価格帯は約85万~約412万円。ステップワゴンは約2,000台流通していて、価格帯は約100万~約539万円となっています。

一見、高く見えるステップワゴンの中古車価格だが

中古車の流通台数は人気順となっていますが、中古車の価格帯はこのクラスで最も人気薄のステップワゴンが高めとなっています。しかしセレナの中古車で価格が安いクルマは2Lガソリン車なので、e-POWERとなると相場は高くなりますし、ヴォクシー/ノアは運転支援システムが物足りません。

そう考えると、一見すると中古車相場は高く見えますが、運転支援システム「ホンダセンシング」の装着率の高さなどから、オススメはホンダステップワゴンということができます。独特なワンモーションフォルムは好みが分かれますが、高い走行性能と充実した安全性能、そして利便性の高いパッケージングは家族の相棒として非常に高い実力を備えています。

※記事の内容は2021年7月時点の情報で制作しています。

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