この記事をまとめると
■クルマ好きのなかにはEVは退屈という印象が根強く残っている
【試乗】これこそがホンダでしょ! Super-ONEに先行試乗したら「斜め上の楽しさ」に秒で虜になった
■国産EVはまだ選択肢が少ないが走りを楽しめるEVも登場し始めた
■カーマニアにも人気を博しそうなEVのコンセプトを提案
カーマニアでも楽しめるEVは増殖中
根っからのクルマ好きやカーマニアのなかでは、電気自動車(以下EV)に冷たい人が一定数いる。これまで自動車メーカーがカーボンニュートラルをめざしEV戦略に邁進していたものの、その戦略を軌道修正していることもあるが、現在はハイブリッドが主流となり、ハイブリッドとEVの橋渡しになりうるPHEVが注目されているのも事実。たとえばホンダZR-Vやトヨタ・ノア&ヴォクシーはマイナーチェンジを機にガソリンモデルを廃止。全車がハイブリッド=電動車になっているほどだ。
では、EVはクルマ好きから見てつまらないクルマなのか? ガソリン臭いクルマで育った中高年のクルマ好きにとって選択肢に上がらないクルマばかりなのか? 答えはNOだ。レースの世界でも日産も参戦しているフォーミュラeがあり、爆音や燃料臭さはないものの、白熱のレースを繰り広げている。
しかし、クルマ好きはまだまだEVに冷静だ。走りにワクワクできるクルマがないから……と、EVが登場したころのEV=環境によいだけのクルマというイメージを引きずっているからだろうか? スポーツモデルを含め選択肢が少ないからだろうか?
たしかに国産車にEVの選択肢はまだまだ少ない。2025年時点で販売されていた国産EVは日産サクラ、アリア、トヨタbZ4X、レクサスRZ、ホンダN-ONE e:、N-VAN e:、三菱ekクロスEV、スバル・ソルテラぐらいのものだった。その数9台である。実際、EVの普通乗用車カテゴリーの国内での新車全体の販売台数比率は2020年には0.59%(14604台)、2023年に1.66%(43991台)、2025年で1.57%(39885台)。軽EVはといえば、軽自動車カテゴリーのなかで2022年に2.13%(26062台)、2023年で3.29%(44161台)、2025年では1.6%(20782台)と、普通乗用車、軽自動車のなかでまだまだ極めて少ないカテゴリーとなっているのも事実なのである。
が、本当にEVにはカーマニアを唸らすようなクルマはないのか? いや、そんなことはない。2026年、国産EVでいえば、N-ONE e:ベースの登録車となり、ホンダのシティターボIIブルドッグの再来ともいえる懐かしくも新しいSuper-ONEが登場し(先行予約中)、トヨタ・スバルからは、4WDではシステム最高出力380馬力を発生するbZ4Xツーリング、スバル・トレイルシーカーというEVのスポーツワゴンといえる新型車が加わっている。
とくにホンダSuper-ONEは、最高出力をN-ONE e:の47kWから70kWに引き上げ、アクティブサウンドコントロールによって迫力ある”エンジンサウンド”を響かせるBOOSTモードを備えた、軽さと低重心、刺激的な加速フィールを備えたコンパクトEVスポーツモデルなのだ。EVは静かでスムースだけど、退屈なクルマ……というイメージに真っ向から挑戦する1台といっていい。しかもフル装備のSuper ONEの経産省補助金は上限の130万円! 実質200万円前半で買えるというのだから、当時のシティターボIIブルドッグの新車価格123万円~とはいかないものの、かつてシティターボIIブルドッグでブイブイいわせていたカーマニアも熱狂するに違いなしだ。
いっぽう、輸入車に目を向けると、国産車に対してEVモデルのラインアップが豊富であることがわかる。主流のSUVだけではなく、セダン、ワゴン、ミニバンにまで及んでいる。アウディの例では15モデルがEVだ。
ただし輸入EVは高級車に多く、やはりそれなりの価格なのだが、なかでも羊の皮をかぶったスーパーEVといえるのが、ボルボの電動コンパクトSUVのEX30だ。2026年モデルとして加わった4WDのEX30 Ultra Twin Motor Performanceのモーターは、システム最高出力422馬力と超強力。0-100km/h加速は3.6秒(パフォーマンスモード)と、ポルシェ911カレラS/911カレラ4S(3.5秒)と同等のハイパフォーマンスを発揮してくれるのだから凄すぎる!
筆者は雪道や山道、高速道路を含めた約600kmでEX30の試乗経験があるが、電費を気にしてゆったり走れば、素晴らしく快適かつスムースに走る。が、山道などでパフォーマンスモードにセットすれば、血の気が引くほどの加速力と低重心を生かしたグイグイ曲がるハンドリングを見せつける。そのシンプルなエクステリアと北欧モダンなインテリアからは想像もつかないスポーツモデルに変貌するのだ。
また、ホンダSuper-ONE同様にカッ飛んで走れるコンパクトスポーツEVの先駆でもある電気のサソリ、アバルト500eのようなアツいEVを知れば、EVが決して退屈なクルマでないことがわかるに違いない。
多彩なEVモデルの展開に期待!
とはいえ、カーマニアを唸らせる尖ったEVモデルは前述のホンダSuper-ONEや車格的にはちょっと高価すぎるアバルト500eぐらいなもので、現状では選択肢がまだまだ少ないのは確か。そこで、カーマニアにも刺さりそうな、今はないEVモデルの可能性を考えてみた。
まずはホットハッチ部門だ。VWゴルフ7にEVのゴルフeがあったことを思いだせば、走り自慢のトヨタGRヤリスやスズキ・スイフト、スバル・インプレッサのEVモデルがあってもいいはずだ。このクラスなら価格と重量に影響する大容量バッテリーによる一充電走行距離の長さをさほど望まなくてもよいし、EVとして軽量なEVスポーツハッチとして手の届きやすい価格で登場することが期待でき、面白そうだ。
国産車としては絶滅危惧種に近くなったワゴンも、bZ4Xツーリングやトレイルシーカーが登場したわけだが、ボディサイズは全長4830×全幅1860×全高1675mm(bZ4X)と大きめ。ゆえにもっとコンパクトなトヨタ・カローラツーリング、そしてスポーツAWDワゴンの筆頭といえるスバル・レヴォーグのEVモデルがあるとすれば、走りに特化したスポーツEVワゴンとしてカーマニアにも刺さりそうな予感がする。こちらの一充電走行距離はワゴンの使い勝手を踏まえると500kmオーバーが望ましいが……。
そうそう、ミニバンのEVはまだまだ少ない。今買えるのはVW ID.Buzzぐらいで、しかも巨体かつ約900万円からと、ファミリーユーザー向けとはいい難い。アルファードクラスになるとやはりPHEVでも1065万円! だから、EVモデルが出てきたとしても高嶺の花すぎる。そこで、ノア&ヴォクシーまたはシエンタのEVならどうか。日常使いも多いミニバンだけに、一充電走行距離はbZ4Xツーリングほど長くなくても実用EVとして成立しそうではないか。補助金を利用してハイブリッド車と同等の実質価格となれば、静かでスムースな走りによって子育て世代や愛犬家の足として活躍してくれるはずである。
ただし、ミニバンEVは、新し物好きな3列シート必須のユーザーに刺さっても、カーマニアに刺さるとは到底思えない。そこで台数限定を条件としてオープンモデルのEVはどうか。EVモデルをもつホンダからはS660、あるいはS2000クラスのオープンスポーツEV、eビターラをラインアップするスズキからはかつて存在したカプチーノ的軽オープンスポーツEVである。もちろん、EVの印象が強い日産からも、オープンモデルがあった2000年登場のシルビア・ヴァリエッタのような2+2のオープンEVをオーテックジャパンが作ってくれてもよい。
もともとアクティブサウンドコントロールを備えたホンダ・プレリュードでもEVのイメージが一瞬頭をよぎったが、ハイブリッドの価格からすると「びっくり価格」になりそうだから、実現性はないに等しいだろう。いずれにしても、次回のジャパンモビリティショーで、マニアに刺さる熱いEVモデルが登場し、EVの選択肢が広がることを願ってやまない。
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みんなのコメント
あれはガソリン車以上にヘタクソに乗らせてはいけない乗り物。