スーパーGT第4戦が行なわれる富士スピードウェイで、今季限りで現役を退く立川祐路の引退記者会見が行なわれた。GT500で3度王者に輝き、20年以上に渡ってトヨタ陣営を牽引してきたレジェンドの引退とあって、多くの関係者が詰めかけた。
「こういう発表をさせていただいた後の心境は、複雑でして、何を言っていいのかわかりません。なにぶん引退するのは初めてなもんで……(笑)」とおどける立川。長年コンビを組んできたチームメイトの石浦宏明に引退を使えた際には、「『よかったら石浦も一緒にどうだ?』と言ったんですけど」とエピソードを披露し、会場を笑わせた。
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コメントの端々で場を和ませた立川だが、引退を決断したことによる寂しさは拭いきれない様子。ただ、自身の引退を多くの人が惜しんでくれたことが何より嬉しかったという。
会見には、花束贈呈のゲストとして石浦の他、GTアソシエイションの坂東正明代表、同世代で共にトヨタ陣営を牽引した現TGR TEAM SARD監督の脇阪寿一、そしてトヨタ自動車の佐藤恒治社長が登壇。さらに会見場には阪口晴南や平手晃平など、立川ゆかりのドライバーらの姿もあり、立川が残してきた功績の偉大さを表すかのような光景であった。
キャリアの中で最も嬉しかったレースについて問われた立川は、レースについて語る前に次のように答えた。
「一番嬉しいと思っているのは今ですね」
「これだけ多くの方、ファンの方が、寂しいと言ってくれる。これ以上の幸せはないですね。こんなにありがたいことはないし、今までやってきてよかったと思います」
「レースで言えば、2005年の最終戦、土砂降りの鈴鹿は思い出に残っています。そのレースで予選最多PP記録に並んで、決勝で最多勝記録に並んだ。それでチャンピオンを取れた。その時の思いは覚えていますね」
また、自身のドライバー人生に点数をつけるならとの質問には、こう答えた。
「よく聞かれますけど、難しいですよね。100点つけるのもあれだし……95点くらい? 全部勝てたら100点と言えたと思います(笑)」
「多くの方々に支えられ、仲間たちと戦ってこれて、多くの応援してくれる方々に最後まで寂しいと言ってもらえたり……そういうドライバー人生が送れたのは幸せだし、満点と言ってもいいと思います」
スーパーGTドライバーとしては引退となるが、今後も何らかの形でモータースポーツに関わっていきたいと語る立川。今年でコンビ解散となる石浦も「今後も、モータースポーツを一緒に盛り上げていく仲間だと思っているので、これからもよろしくお願いします」と語った。
立川の引退を「愛車が盗難に遭ってサーキットに来る足がなくなったからだと思っている」とジョークを飛ばす板東GTA代表も、立川には今後もモータースポーツ界に貢献してほしいと期待を寄せた。
「スーパーGTを支えてくれた立川は、今後も関わってくれるんだと思いますが、トヨタが面倒を見ないなら俺が面倒を見る!……ここは強く言っとかなきゃいけないところだから(笑)。色んなところでお手伝いしてほしいと思いますし、支えてほしいと思います」
「これからもスーパーGT、モータースポーツを広げていくためには必要な人材です。みんなでスーパーGTを大事にして、その中でプロの世界ができるようにしたいと思います。長い間一緒にやっていただき、嬉しく思います」
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