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電気のハナシVol.1 今さら聞けない...どう違う?直流と交流

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電気のハナシVol.1 今さら聞けない...どう違う?直流と交流

 電気の流れ方には、大きく分けると直流と交流の2種類があります。では、このふたつはそれぞれどのような特性があり、どう使い分けられているのでしょうか。

 まず直流とは、時間と共に電流・電圧が変化することなく、回路のなかを常に一定の方向へ流れる性質を持つ電流のことを指します。英語ではDirect Currentと書き、この頭文字をとって直流はDCと表記されます。

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 常に電気が一定方向へ流れることで、無駄なく電力を利用できる点が直流のメリット。電力を蓄電することができる性質を持つため、電池やバッテリーなどに利用されています。ちなみに、電池を使用する際は、プラスとマイナスを合わせてセットしますが、これは、電池は電気の流れは常にプラスからマイナスへ流れる直流を使用していることが理由。電池を使用する機器は、おおむね直流が採用されています。

 例えば、電池を挿入して使う懐中電灯やリモコン、またはバッテリーを使うようなスマートフォンやパソコンなどの電子機器が挙げられます。

 直流のデメリットは、電圧の変更を容易にはできない点。直流の電圧を変更するには、大掛かりな装置や施設が必要となるほか、長い距離、電気を運ぶとロスが大きいため、後述するように送電には交流が利用されています。その他にも、直流は磁場を発生させる性質を持つため、気象庁地磁気観測所などの施設周辺では、磁場に影響をもたらさないように交流が使用されています。

 交流は、時間と共に電流・電圧が変化し、電気が流れる方向も回路のなかで周期的に変化する電流のことを指します。英語ではAlternating Currentと書くため、頭文字をとって表記はAC。交流が使用される代表例は、家庭用コンセントが挙げられます。

 コンセントの差込口には、電池と違ってプラスとマイナスの指定はありません。これは、交流はプラスとマイナスを行き来しているため、プラスとマイナスを決める必要がないからです。

 また、扇風機や掃除機など、モーターで動かす家電も交流が採用されています。

 交流のメリットとしては、長距離へ電気を運ぶことが得意な点が挙げられます。

 電気を運ぶ場合、距離が遠くなるほど電圧を高くする必要がありますが、交流は電圧の変更が直流に比べて容易です.電力の損失が少なく、効率よく電力を運ぶことができることから、一般的に送電には交流が用いられています。つまり、電信柱の電線のなかを流れている電流は交流。

 普段私たちが使っている電気は、発電所から交流を使って高圧な電気が送電されており、変電所で電圧を調整した交流が各家庭に流されます。そして私たちは、そのまま交流を使ったり、アダプターなどで直流に変換してから家電製品などに電気を流し、使用しているのです。

 では、最近増えてきている電動バイクは直流と交流のどちらが使用されているのでしょうか。

 電動バイクは、文字通り電気で動くバイクであるため、ガソリンでエンジンを動かすのではなく、電気でモーターを動かします。そして、その電気はバッテリーに蓄えられたものを使用します。蓄電するということは、すなわち直流が使用されているモデルが多いということです。

 ちなみに、送電に交流が使われるようになるまでには、直流派と交流派で大きな論争がありました。

 直流派は発明王のエジソン、交流派はニコラ・テスラです。もともとニコラ・テスラはエジソンの会社で働いていましたが、送電に関してエジソンの直流案を否定したことからエジソンに疎まれて、会社を去ることになります。直流派のエジソンと交流派のニコラ・テスラとの「電流戦争」は数年に渡って続きますが、最終的には交流での送電方法の有用性が認められて、今では世界中に広まりました。

 電流戦争中は、エジソンは死刑用の電気椅子に交流を使用して交流の危険性をアピールしたり、反対にニコラ・テスラは100万ボルトの交流を自身の身体に流して安全性をアピールするなど、過激な活動がおこなわれていたといわれています。しかし、これはあくまでも送電には交流が向いているという話であり、直流が劣っているということではありません。

 私たちの生活は、直流と交流を使い分けることによって成り立っているのです。

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