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メルセデスF1、ペナルティ続発の異常事態。ウルフ代表「問題をまだ完全に理解できていない」

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メルセデスF1、ペナルティ続発の異常事態。ウルフ代表「問題をまだ完全に理解できていない」

 メルセデスは、F1第17戦アメリカGPのフリー走行1回目を前に、バルテリ・ボッタスのパワーユニット(PU)のICE(内燃エンジン)を交換することを発表した。ボッタスはこれで、6基目のICE投入となり、決勝では5グリッド降格ペナルティを受ける。

 ICEに信頼性の問題を抱えているとされるメルセデス。ボッタスは第14戦イタリアGPでPUを交換し、最初のペナルティを受けて以降、これで直近4レースで3回目のペナルティを受けることになる。明らかに異常事態だ。

■メルセデスのボッタス、F1アメリカGPで6基目のICE投入へ…ここまで4戦中3戦でPU交換のグリッド降格ペナルティ

 またアメリカGPでは、メルセデスのカスタマーチームであるアストンマーチン、ウイリアムズもPUを交換。これにより、それぞれセバスチャン・ベッテル、ジョージ・ラッセルがグリッド最後尾への降格ペナルティを受けることになる。

 メルセデスのトト・ウルフ代表は、アメリカGPのFP1終了後、スカイスポーツのインタビューで、メルセデスが「再発し続ける信頼性の問題」に対処していると語った。

「我々は問題が何なのか、今ではかなり理解していると思う」

「しかし、それは走らせる上で耐久性がなく、リタイアの潜在的なリスクが有るということを意味している」

 その後、金曜日のFIA記者会見に出席したウルフは、カスタマーチームに影響を与えないように、メルセデスはこの問題の理解に努めていると説明した。

「今年、我々は信頼性に苦しんでいることがお分かりいただけると思う」

「バルテリのために6基目のICEを搭載することになったが、これは我々が選んでやったことではない。それどころか、我々は問題に打ち勝とうとしているところであり、まだ完全には理解できていないんだ」

「今は(解決に)一歩近づいたと思っている。だからエンジンがあるからといって、文字通り楽なわけではない」

「すべてのカスタマーに製品を供給するために必死になっているわけで、それは決して些末な問題ではない」

 エンジンのエアバルブに問題があるのではないかという指摘があることについて、ウルフはスカイのインタビューで”でたらめ”だと否定している。

 タイトル争いの状況を踏まえ、ウルフはこの問題が常に懸念事項になっていると認めた。ルイス・ハミルトンがレッドブルのマックス・フェルスタッペンと激しい戦いを繰り広げており、残り6レースでハミルトンが6点ビハインド。リタイアやノーポイントは致命傷となりうる。

 また、コンストラクターズタイトル争いではメルセデスがレッドブルを36ポイントリードしているが、こちらもまだまだ大きな差が開いているとは言えない。

「例えばモンツァでは、バルテリが後方からスタートしなければならず、ポイントを失っていたと思う」

 そうウルフは付け加えた。

「我々は毎年、パフォーマンスを高めようとしているが、今年はそれによってポイントを失ってしまうところまで来てしまった。ここ7、8年は、そのような考え方でレースやチャンピオンシップを勝ってきた」

「だから、私はもう少し使うエンジンとペナルティを減らしたいと思っていたのだが、今年は本当に厳しい状況になってしまった」

「マクラーレンやアストンマーチンは(メルセデスよりも)”幸運”だった。その点を我々は冷静に受け止め、可能な限りの仕事をするしかない」

 一方、マクラーレンのザク・ブラウンCEOは、メルセデスPUの信頼性について懸念はないと語り、メルセデスを称賛した。

「メルセデスは非常にハードにプッシュしてきた」

「素晴らしい競争があるのだから、プッシュしているときは常に信頼性が問われることになる。しかしマクラーレンの観点から言えば、我々は非常に満足していると言わざるを得ない。彼らには信じられないほどの実績があるので、心配はしていない」

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