幼少期から両親のサポートを受けドリフトを習い、中学生時代の2022年にFDJフォーミュラドリフトジャパンに参戦を始め、2023年にランキング2位に輝いた箕輪大也。10月11~12日に岡山国際サーキットで開催された2025年FDJ最終戦でも単走&追走優勝のパーフェクトウインでシリーズ2位となった彼が、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)WRCチャレンジプログラム5期生のファイナリストに選出された。まさに“ドリフト界の超新星”と言える箕輪に、ラリー挑戦のきっかけや今後のビジョンを聞いた。
2009年8月15日生まれの大也は、D1グランプリやFDJで活躍する慎治を父に、おなじく女性ドライバーとしてFDJに参戦する昌世を母に持つ16歳の現役高校生。両親がドリフト選手だったこともあり、7歳のときにエビスサーキットで初めてクルマを運転すると、その後本格的にドリフトを始め、2022年にクスコ・レーシングからFDJに参戦すると、翌年シリーズ2位に輝く。2024年からはFD USAにも挑戦を開始し、初年度ながらランキング4位とルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞、そして2025年5月にはUSAシリーズ最年少優勝を飾っている若きプロドリフト選手だ。
15歳の箕輪大也がフォーミュラドリフトUSAで史上最年少優勝。日本外務省も「世界に名を轟かせる若き日本人」と祝福
これまでほぼドリフトで名を挙げてきた大也。2025年からは日本人ラリードライバーとしてWRC世界ラリー選手権で活躍する勝田貴元の『TK Motorsport』とマネジメント契約を結んだことが明らかになっていたが、TGRが9月に発表したWRCチャレンジプログラム育成ドライバー5期生セレクションの最終選考に進むファイナリスト5名に大也が選出された。この挑戦のきっかけを彼に聞くと、同プログラム卒業生である勝田、そして同じくTGR-WRTで活躍するカッレ・ロバンペラに触発されたと言う。
「現在WRCで活躍する勝田選手とカッレ(・ロバンペラ)選手、そしてクスコ・レーシングからFDJに参戦したときの影響がすごく大きいです。勝田選手とカッレ選手とはラリーのさまざまなことをお話させていただいていて、そのお話を聞いているうちに『自分の成長に大きく繋がる良いチャレンジになるのではないか』ということで参加を決めました」
「もちろん勝田選手が協力してくださり、TK Motorsportさんでトレーニングもさせていただけます。僕は今までドリフトをやってきましたが『世界に挑戦しよう』という意味で、ラリーのトレーニングやセレクションに合格するためのトレーニングをしてきました。ですので、今の僕の最終目標はラリーに完全シフトしています。最終選考まで2カ月ほどあるので、さらなるラリートレーニングも取り入れていきたいです」
大也が最もラリーを意識し始めたのは、自身がフル参戦していた2023年のFDJにロバンペラが電撃初参戦したときだと振り返る。ふたりは同じクスコ・レーシングからFDJに参戦していたチームメイト。そのなかで繰り広げられたラリーの話や、FDJ初参戦初優勝を飾ったロバンペラのドライビングテクニックなどを見ているうちに、大きなラリーへの興味が湧く。そして、TK Motorsportで勝田のWRC経験談を聞いて『ラリーをやりたい』と心を動かされたという。
「勝田選手もチャレンジプログラムからWRCドライバーになっています。最初からラリー1などの上位クラスではなく、まずは下のカテゴリーからステップアップしていくという面でも、その過程ではすごく自分を成長させてくれる経験がたくさんあると思っています。将来的にラリーを続けるときや、ドリフトに戻ってきたとき、グリップ競技に進みたいというときの“引き出し”が欲しいという面もあります。でも、自分にとっては勝田選手とカッレ選手の存在がものすごく大きかったので、今はWRCにかなりの興味があります」
ちなみに、大也に大きなラリーの影響を与えたロバンペラは、10月9日にラリーからの引退と、2026年から全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦することを電撃発表した。世界中のモータースポーツファンに大きな衝撃を与えたニュースだが、それは大也にとっても同様だった。
「いや、本当にびっくりしましたよね!? 勝田選手とカッレ選手の存在が大きい僕が『よし、ラリーに進もう!』としているときに『あれ、引退しちゃうんだ……』という意味でも驚きがありました(苦笑)。いつか『おふたりとWRCで走行できたらな』という思いもあったので、すごく寂しい思いもありますけど、カッレ選手はスーパーフォーミュラに参戦するということで、自分にとっても『こういった世界もあるんだな』という楽しみも感じました。本当に、素直に応援したいという気持ちは強いです」
■息子のラリー挑戦決意に心配も、ファイナリスト選出に「家族で喜んだ」と母・昌世さん
今やドリフト界で知らないものはいないほどになった大也。話を聞いているときは好青年を感じさせるハキハキした返答で質問に答えたが、まだ16歳の高校生でもある。そんな彼を競技現場などでサポートしているのが母の昌世さんだ。彼女もドリフト選手ということで、FDJのピットでは、走行後に大也がドライブしたGRカローラのタイヤカスをきれいに削っている場面も見られた。
「本人はずっとドリフトをやりたいと思っていたので、小学校2年生のときに初めてやらせてみましたけど、最初は思っていたのとギャップを感じたのか、あまりドリフトをやらなかったですね。でも、エビスサーキットで水を撒いて、体にかかるGを弱くして練習させてあげたら楽しくなったのか、どんどんとやり始めましたね」
幼少期の大也をそう振り返った昌世さん。その後は「成長と習熟が早くて、なんかあっという間に今日まで来た感じですし、私たちも環境に合わせていくのに必死です」と若干の苦笑い。現在の息子の活躍は「素直に凄い」と感じている反面、ラリー挑戦には母親として心配事があると言う。
「ドリフトは私もやっているので分かりますが、ラリーのことは全然分かりません。正直、私の勝手イメージですけど、ラリーはドリフトと違ってジャンプがあったり道なき道を行く印象です。なので、主人は違う考えかもしれないですけど、私は母親として『怪我とか大丈夫なのかな?』ということを一番最初に思ってしまいました」
「ただ、勝田選手やカッレ選手に出会い、そういった夢を抱くようになり、自分から『挑戦したい』と言ってきました。主人とのドリフト練習や勝田選手にいろいろと教えてもらっているなかで、かなり頑張っていたので、ラリーへの思いは強いのかなと思います。今年1年間頑張ってきて、まずはファイナリストに一歩進んだということで、家族ですごく喜びました」
最後に昌世さんは「小さいときからドリフトを始めていますけど、応援してくれている皆さんの協力があってこそです。なので、常に謙虚な気持ちを絶対に忘れずに頑張ってほしいです」と語り、大也が決めた道を応援することを誓った。
TGR WRCチャレンジプログラムの最終選考は、12月上旬から中旬にかけてフィンランドで実施され、フィジカルテストや5日間に渡る走行テストを経て、来年からプログラムに参加する育成ドライバーが決定される予定だ。日本から未来のロバンペラは現れるのだろうか。
[オートスポーツweb 2025年10月14日]
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みんなのコメント
フライングフィンなんて言うけど、あっちは免許を取る前からクルマ(カートじゃない)で遊んでるし、その免許を取るにしたって様々な悪路を走るカリキュラムがある。
実車で、しかも速さではなくスライドコントロールを競う競技柄、ラリーに転用できる技術は多いかもね。
加えて年齢。
まだまだ伸びしろはあるから、いろんな競技にチャレンジして、もっとクルマ業界、モータースポーツを盛り上げてほしい。
と言った時はいくらなんでも、と思ったが
とうとう英才教育にまで至るとは