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初代アウディQ3はSUVの魅力をさらに広げるきっかけとなった【10年ひと昔の新車】

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初代アウディQ3はSUVの魅力をさらに広げるきっかけとなった【10年ひと昔の新車】

2011年4月の上海モーターショーで世界初公開されたアウディの新しいコンパクトSUV「Q3」が、2011年秋になって、欧州で正式発表された。世界的にSUV人気が高まる中で登場した「Q3」はどんなクルマだったのか。ここでは発表後間もなくスイスで開催された国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2011年9月号より)

仕上げ、デザインはどこから見てもアウディクオリティ
コンパクトカーやミニバンだらけの日本と異なり、世界ではいろいろな形のクルマが楽しく走り回っている。なかでもSUVは世界中で引っ張りダコ状態で台数を伸ばしている。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

今から約10年前の2000年には749万台で、そのシェアが9.55%であったものが昨年2010年には977万台、シェアは13.35%へと拡大している。そして市場予想によれば20年には16400万台、およそ14.9%のシェアを獲得すると言われている。 

ちなみに世界規模でのトップ3はホンダCR-V、トヨタRAV4、そして日産キャシュカイ(デュアリス)となっており、この後をフォルクスワーゲン ティグアンが追いかけている。世界制覇を企むフォルクスワーゲン コンツェルンとしては、ここで何とか差を縮めたいところなのは容易に察しがつく。

そこでティグアンの需要が一巡した今、同じプラットフォームを利用してアウディバージョン、すなわち「Q3」を助っ人として登場させた。

シングルフレームを大きなアイコンとするエクステリアデザイン、そしてインテリアデザインはもちろん完璧にアウディで、どこから見てもティグアンの面影はない。

インテリアの使用素材、加工、そして仕上げも明らかにアウディクオリティで、ティグアンとは一線を画しており、これはファンには重要なポイントとなるだろう。ただし短い全長と低いルーフ、さらにリアエンドはクーペ状に強い傾斜を与えられているのでトランクルームは通常で460L、リアシートを倒すと1365Lと、普段ではわずか10Lの差だが、最大量ではティグアンより145Lも小さい。しかもリアシートのバックレストは水平にはならないし、トランクルームの敷居も高い。

搭載されるエンジンもティグアンとは若干の違いがある。発売直後に用意されるエンジンはすべて2L 4気筒でガソリン(TFSI)が170psと211ps仕様、ディーゼル(TDI)が140psと177ps仕様となる。

高速巡航時に自動的に作動、燃費低減システムを搭載
スイスで開催された試乗会で選択したのはトップモデルの211ps仕様の2.0TFSIで、最大トルクは300Nm、7速Sトロニック、そしてクワトロの組み合せである。

TFSIエンジンは洗練されており、回転は滑らかで、低回転域から十分なトルクがわき上がり、車重1.6トンのコンパクトSUVを軽々と加速させる。

年々改良されているデュアルクラッチシステム、Sトロニックのシフト作動はこれまで以上にスムーズになっている。またこのQ3のトランスミッションには燃費低減のため特殊なシステムが搭載されている。100km/h程度で高速道路を巡航している際にクラッチが自動的に切れ、エンジン回転数がアイドリング状態になるのだ。これは緩い下り坂などでは非常に有効である。アウディでは実用燃費で約5%は向上すると言っているが、長距離巡航ドライブをする機会の少ない日本でどれだけ燃費に影響を与えるかはわからない。ちなみにこのシステムが働いている時もまったく違和感はない。

これらの技術により、アウディの発表ではこの211psバージョンは欧州定格燃費計測で100km走行あたり7.7L。単純に換算すると12.9km/Lという数字になる。

燃費低減のために、もはや電動パワーステアリング(EPS)は必需品だが、このQ3でも正確でシャープなステア特性で活躍している。ただし個人的にはセンター付近でちょっと軽すぎるのが気になる。とくにオプションで搭載されているドライブセレクトでエコモードを選択した場合はフニャフニャになってしまう。もうちょっとしっかりとしたサポート感が欲しい。

フロントにストラット、そしてリアにマルチリンクを採用するQ3の乗り心地は快適だ。ドライバーの視線が高く、見通しも良いので、街中でも、そして高速道路でも疲労の少ない運転ができる。こういったことも実はSUVの人気が高いひとつの理由なのだと思う。

アウディQ3は全長4385mmと日本でも手頃なサイズ、Q5のサイズが手に余ると感じる人がライフスタイルを満喫するには絶好のクルマだろう。

ドイツでの販売価格はティグアンよりもやや高めの設定だ。この211psモデルで3万6800ユーロ(19%の付加価値税込/約425万円)となる。日本での発売は2012年の春先になると予想される。価格は未定ながら、まずは211psのトップバージョンが輸入されるはずである。

アウディQ3はスペイン・マルトレルにある元セアト工場で生産が行われ、年間10万台を計画している。(文:木村好宏)

アウディ Q3 2.0TFSI クワトロ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4385×1831×1590mm 
●ホイールベース:2603m 
●車両重量:1565kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1984cc
●最高出力:155kW(211ps)/5000-6200rpm
●最大トルク:300Nm/1800-4900rpm
●トランスミッション:7速DCT(Sトロニック)
●駆動方式:4WD
●0→100km/h加速:6.9秒
●最高速度: 230km/h
※EU準拠

[ アルバム : 初代アウディ Q3 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

1件
  • win********
    今でもこの型みかけますが、フロントの外観と内装は時代を感じるけど、リアはスタイリッシュで今でもかっこいいと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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