レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、2019年における空力規則の変更を「間違い」だと考えており、それがレースの質に悪影響を与えないことを期待している。
2019年、F1はレースにおけるオーバーテイク増加を目的として空力規則の変更を行った。その結果、各チームは大規模な新規開発を余儀無くされた。
■レッドブル、新空力ルールで約19億円失うも、政治的立場の強化に成功?
新規則の下ではフロントウイングがよりワイドかつシンプルになり、バージボードとブレーキダクトも簡素化する。このことにより前方車からの乱気流が軽減され、以前よりマシン同士が接近できるようになるとされている。
しかし、先日ロンドンで行われたレッドブルのメディアイベントに姿を見せたチーム代表のクリスチャン・ホーナーは、新ルールについて懐疑的だ。
新しいマシンデザインになることによってレースがどのように変化するかと問われたホーナーは、motorsport.comに対してこう答えた。
「トラックのエリアによってはわずかに違いが出るところもあるだろう。ただ接近戦が劇的に増えるかと言われれば、私はそうは思わない」
「この変更が正しいと思っている人もいるし、すべきでないと思っている人もいる」
このような劇的な変更に、レッドブルをはじめとするいくつかのチームは反対したが、昨年のオーストラリアGPで追い越しが少なかったことをきっかけに、これらは半ば強行に推し進められた。
リバティ・メディアが推し進めたこの新規則が失敗に終わった場合について尋ねられたホーナーは「そうなれば彼らは、早急にフロントウイングの変更に踏み切ったことが間違いだったと受け入れるだろう」と答えた。
「彼らは(大規模なレギュレーション変更が予定されている)2021年型のコンセプトとは全く違ったものを現行マシンに取り入れてきた」
「全てに共通することだが、特効薬などは存在しない。全てのことがうまく調和する必要がある」
「ただ単にフロントウイングを変えてレースを良くしようといっても、それはとても高価なアプローチだ。そしてその費用はもちろんチームの負担だ」
レッドブルのモータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコは、冬の間、新ルールに合わせたエアロパーツの開発に1500万ユーロ(約18億8千万円)を費やしたと語った。
ホーナーはシーズン開幕戦のメルボルンで多くの追い越しは見られないと予想している。ただそれはマシンの空力以前に、タイトなコースレイアウトが原因だという。
「オーストラリアのレースは昨年と同じようなものになるだろう」
「問題はマシンではなく、サーキットの方だ」
「このサーキットにはビッグブレーキングをする場所がほぼない。速度差が大きくない限り、オーバーテイクは不可能だろう」
「それは何年も同じだ。レギュレーションは関係ない。メルボルンは素晴らしい場所だが、素晴らしいレースを提供するには限界がある」
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