マツダは10月31日、マツダCX-8の生産を12月下旬に終了すると発表した。
CX-8は、2017年に誕生した3列シートのクロスオーバーSUV。日本におけるマツダで唯一の多人数乗用車だ。マツダは今回の生産終発表に際して「日本のファミリーのための3列シートクロスオーバーSUVというカテゴリーを創出し、長い間たくさんのお客様にご愛顧いただきました。誠にありがとうございました」とコメントしている。
マツダがCX-8の生産終了を発表。CX-80の発表を前に車種整理か
生産終了を12月下旬としているが、注文数が生産台数に達した時点で販売終了となる予定。12月の生産終了までに注文可能な機種などは、販売店に問い合わせてみてほしい。
じつは今回の発表前、今年8月にマツダは公式ホームページでCX-8の生産終了を公表していた。だがその後、いったんその情報は取り下げられた。「もしかして”やめるのをやめる”のか!?」などと憶測を呼んだが、結局生産終了もそのタイミングもそのままだった。
そもそも、なぜ生産終了となってしまうのか? 一般的には売れないクルマは生産中止となってしまうが…CX-8はどうだったのだろうか? 登場からの販売台数を見てみる。下記は、CX-8が販売されていた日本、オーストラリア、その他の地域の合算だ。
■CX-8の販売台数(マツダ調べ)
2018年(1月~12月)3.3万台
2019年(1月~12月)3.1万台
2020年(1月~12月)2.7万台
2021年(1月~12月)3万台
2022年(1月~12月)2.7万台
2023年(1月~8月)2万台
登場からの約6年間、ほぼ3万台/年をキープ。ちなみに2023年の販売構成比は、日本1万1000台、オーストラリア3400台、その他の地域5700台だった。
日本だけ見れば、売れていないクルマではない。昨年11月には改良もあり、さらに生産終了が囁かれてからの駆け込み需要なのか、受注台数が伸びているという。”閉店セール”のような効果だろうか。
生産終了の理由は、生産、販売、開発の効率化だ。多人数乗用車の役目は後継車として登場を予告しているCX-80でカバーできるとのこと。マツダのようなスモールプレーヤーにとって、3列シート車を2機種もラインアップすることはいろいろな面で効率的ではないという判断だ。
CX-80は、CX-60から始まったラージ商品群の日本第二弾。CX-60と同じくFRプラットフォームを採用した上級機種で、2023年に日本導入予定だった。だが、そのスケジュールは2024年へと後ろ倒しになっている。
なぜ後ろにずれ込んだのか? マツダでは「商品性を確保するため」と説明しているが、これは今年導入したCX-60でユーザーが期待する商品性を実現できなかったから。同じプラットフォームを使うCX-80では、その投入を遅らせてでも「確かな商品性」を確保したいのだ。
ちなみにCX-5は、CX-60の導入後も販売を継続するとしている。なぜCX-5は継続で、CX-8は終了なのか…。簡単に言えば、グローバル車種かそうでないかだ。
CX-5は、今でもマツダの重要な基幹車種。今年9月に改良を実施するなど、その手ごろなサイズ感と熟成の域に達したデザイン・走行性能で人気を博している。それはグローバルの販売でも同じ。それに対してCX-8は、販売地域が圧倒的に少なく、販売台数もCX-5とは比べ物にならない。
CX-8は、スライドドアのミニバンを整理したマツダにとって、特に日本において重要な車種だった。その役目を受け継ぐCX-80は、どんなモデルなのか? 期待して待ちたい。
〈文=ドライバーWeb編集部〉
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みんなのコメント
スポーツアピアランスなんかはもう買えません。
CX-80は後釜としてカバー出来ないので無理して買いました。