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<いざ鈴鹿8耐05> こうなったらVツインでがんばります!~衝撃! パニガーレV4R、鈴鹿8耐に参戦できず!~

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<いざ鈴鹿8耐05> こうなったらVツインでがんばります!~衝撃! パニガーレV4R、鈴鹿8耐に参戦できず!~

すでに何度かお伝えしたように、今年の鈴鹿8時間耐久レースには、トライアウトを通過したドゥカティ・パニガーレV4Rが2台、参戦枠を獲得していました。チームは大阪のBANNERレーシングと、鈴鹿のTeam de”LIGHT。6月17日に発表された暫定エントリーリスト<https://www.suzukacircuit.jp/8tai/8tai-race/entry/>にも、この2チームの名前がばっちり^^ 
でも、参戦マシンの欄が、なぜだか「TBA」(To Be Announce=後日発表)になっています。なんだよー、鈴鹿ももったいぶるじゃんかw パニガーレV4Rが出るっていうのは、それほど大ニュースなんだねぇ、なんて思ってたんです。

――それが…V4Rで出られなくなりました……
そう連絡をくれたのはTeam de"LIGHTの代表・片岡誉さん。え? なんで? トライアウト、こないだの鈴鹿サンデーで通ったじゃないですか!
――もちろん、うちのチームはトライアウト通って、8耐に出られます。でもね、V4Rがアカンのですわ……。

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すでにコチラ<https://www.autoby.jp/_ct/17279591>でお伝えしたように、今年の鈴鹿8耐への参戦は、前年の実績を持っているシードチーム以外は、全日本ロードレース開幕戦・もてぎ大会、第2戦・鈴鹿2&4、そして鈴鹿・近畿選手権・第2戦「鈴鹿ロードレース」のどれかを勝ち抜いて参戦権を獲得しなければなりませんでした。
そして、このトライアウト・ファイナルである「鈴鹿ロードレース」で、Team de”LIGHT、BANNERレーシングともトライアウトを通過。鈴鹿2&4ではトライアウトをパスできなかったけど、ファイナルでなんとかかんとか、鈴鹿8耐への参戦権を獲得したのです。

「トライアウト通って、数日後かな、鈴鹿にエントリーに行ったんです。そうしたら担当の人が『あ、参戦マシン欄をは空欄にしといてください』って……」(片岡さん)
ここから物語は動き始める。片岡さんは当然、その理由を尋ねる。すると衝撃の事実が!
「パニガーレV4Rは、鈴鹿8耐の、つまりは世界耐久(=EWC)のホモロゲーションを通ってないっていうんです」

ホモロゲーションとは、簡単にいうと車両公認のこと。MotoGPやWSBKを含め、もちろんF1もスーパーフォーミュラも、ホモロゲーション、つまり公認を受けたマシンで、しかもレギュレーションに合致したマシンしか参戦できない。この公認とは、レギュレーションはもちろん、技術的ルール、市販台数とか安全基準とか、もちろん価格も含まれる。ドゥカティ・デスモセディチRRやホンダRC213VSが出られないのは、こういうこと。

しかし、ご存じのようにパニガーレV4Rは、WSBKに参戦しているし、現在ドゥカティワークスチームのアルバロ・バウティスタがランキングトップにもいるほど。

「それが、WSBKは違う選手権だから問題ないんですけど、EWCはまた違う、と。つまり、EWCはパニガーレV4R、出ちゃいけないモデルなんです」
もちろん、そういわれて「ハイそうですか」と引き下がるわけにはいかない。まだ発売日も決まっていないうちからイタリアのドゥカティ本社からマシンを空輸してもらって、昨年の8耐出場を回避してまで8耐出場を見据えてテストもしてきたし、鈴鹿ロードレースにも参戦してきた。片岡さんは言わないけど、ずいぶん予算だって使ってきたはずだ。
鈴鹿サーキット側も、ドゥカティ本社も、ドゥカティジャパンも、ぜひV4Rに出てほしい。けれど、ルール上ダメ、の一点張りだったのだという。

「ドゥカティ本社も、社長のドメニカーリさん直々にEWC、そして主催のユーロスポーツに推薦状を書いてくれたし、鈴鹿サーキット(=モビリティランド)も動いてくれた。でも、アカンかったんです」

実は、現在の開催システムもV4R公認に不利に働いていた。というのも、この鈴鹿8耐は「2018-2019 世界耐久選手権」の最終戦ということで、車両公認は、現在のシリーズ開幕前の昨年の秋ごろ行なわれ、その頃にはパニガーレV4Rは存在していなかったのだ!
さらに、WSBKでOKなのにEWCではNGという理由は、EWCは世界選手権スーパーバイクのひとつ下部のヨーロッパ選手権STKと同等レギュレーションとなっていて、つまりはSTKにもパニガーレV4Rは出場できていないのだ。車両価格だって、WSBKは400万ユーロ(日本円約500万円)までOK、STK1000とEWCは300万ユーロ(約370万円)とかね。

とはいえ、鈴鹿のイベントだし選手権の最終戦だし、ドゥカティのオフィシャルチームでもなければ、優勝争いに絡んでくるわけでもない(片岡さんゴメン)んだから、主催者推薦とか、賞典外でも出してくれたらいいじゃんか……と僕らは思うんだけれど、そこはルールの壁が立ちはだかって、ダメなものはダメ、という結論だったのだ。そりゃぁ、クラウディオ・ドメニカーリが言ってダメなものは…ダメだわねぇ。

「実は耐久選手権でも、鈴鹿あけの2019-2020年シリーズ開幕戦からはV4Rが公認車両になってるんです。つまり、ほんの1か月くらいの差で、出られないってことです」
去年の鈴鹿8耐が終わってから、2019年7月末の鈴鹿8耐に向けて準備を進めてきた2チームの無念さは察するに余りある。けれど、グズグズ言ったって、もう始まらない!

「スパッと切り替えましたよ。ウチもバナーさんも、旧型、つまりVツインのパニガーレでがんばります! 今はもう、マシンを鈴鹿仕様に作ってるところなんですよ」

パニガーレV4R、鈴鹿8耐参戦NG!の衝撃ニュースが公になって数日、ちょうどアジア選手権取材で鈴鹿にいたから、ディライトさんへお邪魔して片岡さんにお話を聞いたんだけど、お話を伺っていたまさにその時も、奥の整備室ではパニガーレVツインが着々と整備されていた。幸い、ディライトからは鈴鹿ロードレースにもVツイン車は出場していたし、それを鈴鹿8耐仕様に作り直すだけだ。バナーさんはまだ、ベースマシン探しに奔走しているみたいだけど……。

「こうなったらVツインで頑張ります! V4Rで出るから、ってサポートしてくれたスポンサーさんも『ぼくらV4Rにスポンサーするんやない。ディライトの8耐にスポンサーするんや』なんてありがたい言葉をいただいたので、Vツイン最後の鈴鹿8耐、全力でがんばりますよ!」
片岡さん、そしてディライトのスタッフの目は、もう前を向いている。Vツイン最後の鈴鹿8耐、そして2020年7月の「V4R初めての8耐」も応援しちゃいます!

写真 文責/中村浩史

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