一部新聞で「マツダがSKYACTIV-Xの開発・生産打ち切り」と報じられている。SKYACTIV-Xに投じる経営資源を他に振り向けるというのだ。しかし悲観することはまったくない。マツダの内燃機関はすでに次のフェーズに入っているからだ!
文:ベストカーWeb編集部/写真:マツダ、ベストカーWeb編集部
マツダ3が積む[SKYACTIV-X]は消えるのか? それでもマツダのエンジン技術が楽しみな理由とは!!!
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鳴り物入りで登場した画期的な技術だが……
2017年に発表、2019年に北米のマツダ3に積まれてデビューしたSKYACTIV-Xエンジン
2017年にマツダが発表したSKYACTIV-Xは、ガソリンエンジンの長年の夢だったHCCI(予混合圧縮着火=点火プラグに頼らず混合気の圧縮によって自己着火させる技術)を始めて実用化したエンジンとして話題を集めた。
正確に言うとSKYACTIV-XのHCCIはSPCCI(=火花天下制御圧縮着火)と呼ばれ、完全なHCCIではない。燃料が自己着火しない領域では点火プラグの力を借りて、超希薄燃焼を実現しているのだ。
このSKYACTIV-X、従来のSKYACTIV-Gに比べて20~30%熱効率が高まり、燃費やトルクの向上も実現したはずなのだが、いざマツダ3に搭載されて発売されてみると評価は微妙に。燃費やドライバビリティが期待したほどではなく、既存のSKYACTIV-Gよりもおよそ70万円高い価格に見合わないというのだ。
マツダの名誉のためにいえば欧州ではやや事情が違った。ヨーロッパではCO2排出量の多いエンジンに罰金が課せられて割高になるため、SKYACTIV-Xのシェアが高かった。欧州全体だとほぼ半数、オランダに限って言えばほぼ100%がSKYACTIV-Xモデルだったのだ。速度域の高い交通事情も、高回転域が得意なSKYACTIV-Xに有利に働いたようだ。
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SKYACTIV-Xの技術はSKYACTIV-Zが受け継ぐ!
SKYACTIV-Xの製造風景
そんな中で聞こえてきたSKYACTIV-X打ち切りの報道。マツダ広報部に問い合わせてみたところ「これまで通りマツダ3のSKYACTIV-Xモデルはお買い求めいただけます」とのことだったが、いっぽうで「さもありなん」と感じる人も少なくないはず。
とはいえ「新技術が潰えた」とがっかりする必要はない。そもそもマツダの開発者はSKYACTIV-Xの発表時に「やっと生まれたエンジンで改良を進めていく」と語っている。マツダはすでにその改良版にメドを付けたと予想する。2024年11月の決算説明会で発表された「SKYACTIV-Z」がそれだ。
改めてSKYACTIV-Zのポイントをまとめると以下のようになる。
・理論燃焼であるラムダワン燃焼を使い、低回転から高回転まで広いレンジでスーパーリーンバーン燃焼を実現することで高い熱効率を実現し、優れた環境性能と走行性能を提供する
・欧州ユーロ7や米国LEV4・Tier4などの厳しい環境規制に適合できるこのエンジンを2027年中の市場投入を目指して進める
・将来は直列6気筒エンジンにも、この新型エンジンの燃焼技術を移植して環境性能を高める
おそらくSKYACTIV-Zで用いられるスーパーリーンバーン技術は、SKYACTIV-Xが導入した「火花プラグ近傍の膨張火炎球で周囲の超希薄な混合気を燃焼させる」という理屈をアップデートしたものになるはず。言ってみればSKYACTIV-Zは、Xの劇的進化版なのだ。
他にもマツダは、既報の通りロータリーエンジンを主動力とするハイブリッドユニットも開発している。つまりマツダの内燃機関はまだまだ進化を遂げるということだ。
折しもアメリカではトランプ大統領が就任し、高効率な内燃機関に再び熱い視線が集まってもいる。SKYACTIV-Xの「その先」に期待しようじゃないか。
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自動車評論家(笑)とかクルマ好き(笑)がワッショイするだけで、結果的に彼らは買わない。