マツコ「5時に夢中!」で発言
2025年5月19日に放送されたTOKYO MXの「5時に夢中!」で、マツコ・デラックスが新しく始まった「江戸川」ナンバー(5月7日導入)について話した。そのなかで「足立ナンバーが嫌なの?」「一緒だよ!」と皮肉を込めて発言した。
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表向きは冗談のような発言だが、その裏には東京の都市の仕組みや住民の気持ち、それに経済の動きが複雑に絡み合っている。
ナンバープレートはただの“記号”だ。しかし、この記号をめぐって住民の強いこだわりがある。それは地価や住宅の選び方、移動の理由といった都市の経済の本質が見えてくるからだ。
今回は
「足立ナンバーを避けたい」
という気持ちのなかにある、住民の選ぶ意識やお金の動きを調べて、ご当地ナンバー制度が持つ経済的な意味を考える。
ご当地ナンバー制度の再編動向
2006(平成18)年に「ご当地ナンバー」の制度が始まった。これは、それまでの運輸支局や自動車登録事務所の名前ではなく、市区町村の名前をナンバープレートに表示できる制度だ。観光を盛り上げたり地域を活性化したりするために、より地域に合った名前を車に付けられるようになった。
制度が始まってから、全国で順番に導入が進んだ。東京都内でも「杉並」「世田谷」「葛飾」「江東」などが新しく登場した。これらは、もともとあった「練馬」「品川」「足立」などのナンバーから分かれてできた。
足立ナンバーは、かつて東京東部の広い範囲をカバーしていたナンバーだ。そこから、
・葛飾(2020年)
・江東(2020年)
・江戸川(2025年)
という新しいナンバーが次々にできた。今では足立区、荒川区、台東区、墨田区の4区だけを管轄している。
これははっきりとした経済的な再分配だ。ナンバーの名前は、その土地のイメージと結びついている。車は移動の象徴であり、ナンバーは走る名刺のようなものだ。そのため、「足立」という名前への評価が住民の間で分かれている。
江戸川区7割の賛成率」
「江戸川もそうですよ。なんのプライド? 足立ナンバーが嫌なの? 一緒だよ! ってなるじゃないですか。江東ナンバーもできたからね。あれも豊洲とか住んでいる輩が『なんであたしたちが足立区なんかつけないといけないんですか、ざます』っていい出したわけでしょ?」(『デイリースポーツ』2025年5月20日付け)
ご当地ナンバーを導入するときは、地元の住民から賛成か反対かが問われる。江戸川区の場合、2022年のアンケートで7割が賛成している。これは非常に高い割合だ。ただの地域愛だけでは、これほどの支持は得られない。
その背景には「足立ナンバーのままでは困る」という住民の思いがあると考えられる。都市に住む人たちは、住宅を選ぶときに地名やナンバーで示される「周囲の評価」や「イメージ」を重視する。
足立区は犯罪発生率など、いくつかの統計で他の区よりも悪い「イメージ」がある。あくまでもイメージだ。それがナンバーを通じて他の区にも広がることに不満を持つ構造だ。
例えば豊洲(江東区)や葛西(江戸川区)などの新しい住宅地では、平均世帯収入や新築住宅の価格が明らかに高い。住んでいる人たちは、よりよい生活水準や教育環境を求めて引っ越してきている。そうした人たちにとって、足立ナンバーは自分のイメージに合わない記号であり、できれば避けたいと考える。これは感情だけでなく、経済的に合理的な判断だ。
つまり、車という移動手段が「見られる」「識別される」価値を持つ社会では、ナンバーのような小さな要素も身分や階層を分ける道具になる。
心理境界が生む地域分断の実態
では、足立ナンバーを避けたいという住民の願いがかなえられ、ご当地ナンバーが増えていくことは、都市にとって望ましいことなのだろうか。
この制度の普及によって、都市内部の「境界」がより明確になる。それはエリアブランドの確立につながる一方で、住民同士の距離感を広げるリスクもはらんでいる。行政上は同じ特別区であっても、ナンバーが異なれば車両は「別の共同体に属しているかのような心理効果が生じる。
この心理は教育や不動産、商圏における選別行動を促進することになる。結果として住民の移動が制限され、地域間の経済循環を妨げる可能性もある。
例えば、足立ナンバーに属する荒川区や墨田区では、ナンバー変更の機運は高まっていない。これはナンバー変更による「意味づけ」の効果が弱いと住民が判断しているからだろう。
いい換えれば、ご当地ナンバー制度は、自らの地域を「選ばれる場所」に変えるだけの経済的実力があるかどうかを、各自治体に問いかけている。
車登録地の価値上昇と社会的地位
江戸川ナンバーの導入により、地元の区民の満足度は確かに高まった。「この日をずっと待っていた」「最高だ」という声も聞かれるだろう。
制度の目的は達成されているように見える。しかし、そこにも経済的な選好が存在する。自分の資産である車に、自分の生活圏の「優位性」を示すことは、資産価値と同じように社会的地位を視覚的に示す手段である。住宅の住所が価値を持つように、車の登録地も価値を持ち始めている。
一方で、これが進むと、東京という都市は小さな自尊心の集まりに分かれてしまう。ナンバープレートが細かく分かれるほど、共通の都市意識は失われる。同じ都市圏に住む住民同士が、名前を盾に経済的な優劣を争うようになる。
その結果、車を使った地域ブランド戦略が、移動の自由を狭め、行政の負担を増やし、商圏の連携を断つ未来さえ見えてくる。
車ナンバーに刻まれる経済格差
マツコ・デラックスは「ナンバーはただの記号だ」といった。しかし現実では、その記号が都市で最も目に見える経済的な選別の道具のひとつになっている。
足立ナンバーは嫌われ、江東・葛飾・江戸川ナンバーは歓迎されている。その背後には地価や所得、教育水準、治安、都市開発などの統計的な事実がある。それが人々の選択に影響しているのだ。
車は移動の手段であるだけでなく、都市における自分の身分や存在を示すものでもある。
なぜ足立ナンバーが嫌われるのか。その問いには、イメージやプライドの表面だけでなく、都市の構造の深い部分や、選ばれない地域が抱える重い課題を正面から見つめる視点が必要だ。
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