新型パジェロの特徴に迫る!
新型三菱パジェロの特徴
1.概要
2.新型ならではの特徴
3.歴代モデルと同じ点
4.歴代モデルと異なる点
1.概要
9月2日、三菱は、クロスカントリーSUVの新型「パジェロ」を世界初公開した。約5年のブランクを経て復活した5代目となるこのモデルは、三菱の新たなフラッグシップとしての役割を担う。
デザインコンセプトに「グランドカリスマ-泰然自若-」を掲げ、力強い存在感とフラッグシップにふさわしい上質感を両立しているのが特徴だ。
2.新型ならではの特徴
新型パジェロ独自の魅力は、最新技術を駆使したデジタル装備と快適性の追求にある。運転席には、メーターパネルとセンターディスプレイを一体化させた14.3インチ(または12.3インチ)の大型「モノリスディスプレイ」が採用され、高い視認性と先進性を誇る。
また、路面状況を死角なく確認できる「3Dアラウンドビューモニター」や、オフロード走行時に自動起動して障害物の確認を容易にする「フロントアンダーフロアビュー」、さらにはスマートフォンからエアコン操作や車両状態の確認が可能な「MITSUBISHI CONNECT」など、最新のインフォテインメント機能と運転支援システムも投入。
快適性の面でも、ヤマハと共同開発したプレミアムオーディオシステム「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」の搭載や、前後ドアへの遮音ガラスの採用により、すべての乗員が長距離ドライブを会話しながら楽しめる、静粛性の高い室内空間が実現されているという。
くわえて、新開発された5リンク式リジッドサスペンションをリアに採用することで、操縦安定性と乗り心地を両立されているのもポイントだ。
3.歴代モデルと同じ点
新型モデルは、歴代パジェロが長年培ってきた「悪路走破性と快適性の両立」の設計思想を受け継ぐ。
悪路でも高い走破性を発揮するための三菱独自の四輪制御技術「S-AWC(Super-All Wheel Control)」が搭載され、過酷な環境下でも目的地へ到達できる強靭さを備えている。
新型パジェロに搭載されているS-AWCは、単なる四輪駆動(4WD)システムではなく、四輪の駆動力と制動力を独立して最適に制御し、車両の運動性能を高める高度な統合制御システムだ。その心臓部となるのは、悪路に強い四輪駆動システム「SS4-II」をベースに、3つの重要な電子制御システムをひとつの頭脳で連携させている点にある。
ひとつめは、左右輪のブレーキ力や駆動力をコントロールして車体を曲げようとする力(ヨーモーメント)を制御し、旋回性能を高める「AYC(アクティブヨーコントロール)」。ふたつめは、エンジン出力とブレーキを自動制御して車体の横滑りやスピンを防ぐ「ASC(アクティブスタビリティコントロール)」、そして3つめがタイヤのロックを防ぐ「ABS」だ。S-AWCはこれらを統合的に制御することで、ドライバーのステアリング操作やアクセル開度、車両の挙動を瞬時に読み取り、各タイヤが持つグリップ力を最大限に引き出す。
これにより、滑りやすい雪道や泥濘地での強力なトラクション確保はもちろん、オンロードのカーブにおいても車両の姿勢を安定させ、ドライバーの意図通りのラインをトレースすることが可能だ。さらに新型パジェロでは、路面状況に合わせて「NORMAL」「GRAVEL(未舗装路)」「SNOW(雪道)」「MUD(泥濘地)」など7つのドライブモードをダイヤル操作で選択可能になっており、過酷な悪路からの脱出から高速道路での安定したクルージングまで、あらゆる環境下で最適な走りを実現する仕組みとなっている。
デザイン面においても、初代から続く水平基調のインストルメントパネルが継承され、オフロードにおける車体姿勢を把握しやすい優れた視界を提供。さらに、パジェロのアイコンとも言える「3連メーター」は、高度や傾斜角、方位などを表示する機能として、最新のセンターディスプレイ内にデジタル表示でしっかりと再現されている。
外観においても、ダメージリスクを減らすためにヘッドランプを内側に配置した歴代の「奥目」デザインからインスピレーションを受けた意匠が採用されており、パジェロらしいアイデンティティが随所に息づく。
4.歴代モデルと異なる点
一方で、車両の構造や生産体制には大きな変化が見られる。
3代目および4代目モデルではフレームとボディを一体化させた「ビルトインフレームモノコック構造」が採用されていたが、新型ではピックアップトラックの「トライトン」をベースに専用開発された、独立した「ラダーフレーム構造」へと回帰している点が大きな違いである。
ラダーフレーム構造とは、はしご(ラダー)状に組まれた強固な鋼鉄製フレームにエンジンやサスペンションを取り付け、その上に居住空間であるボディを載せる、車体とシャシーが完全に分離・独立した構造だ。
この構造のメリットは、極限状態における圧倒的な耐久性だ。オフロード走行時に岩石や切り株などに車体下部を激しく打ち付けても、厚肉で強靭なフレームが直接衝撃を受け止めて跳ね返すため、エンジンやトランスミッションといった重要なパワートレインへのダメージを防ぐことができる。また、万が一の横転や滑落などで上部のボディがひどく潰れてしまったとしても、土台であるフレームと駆動系さえ無事であれば自走して現場から生還できる可能性が高く、これが過酷な環境でラダーフレームが信頼を得ている理由だ。さらに、サスペンションのストロークを大きく確保しやすいため、極端な凹凸がある悪路での走破性にも優れている。
一方、強固な鋼材に依存する構造ゆえの物理的なデメリットも存在する。最も顕著なのは重量の増加であり、同サイズのモノコック構造車と比較して車重が重くなるため、燃費性能が悪化しやすい。また、床下に太いフレームが通るため必然的に車両の重心が高くなり、舗装路(オンロード)のカーブで車体が大きく傾きやすかったり、ステアリングの応答性にわずかなタイムラグが生じるなど、挙動が鈍重になりやすい傾向がある。くわえて、フレーム特有の剛性の高さから路面の微振動が車内に伝わりやすく、乗り心地が硬くなったり、船のように揺れる独特の揺れ(ピッチング)が発生しやすいことも弱点として挙げられる。
しかし、新型パジェロはこうしたラダーフレーム特有のデメリットを最新のエンジニアリングで巧みに克服。ベースとなるトライトンのフレームに対して高張力鋼板の適用を拡大し、フレーム断面幅を広げることで、重量増加を最小限に抑えつつ、ねじり剛性と曲げ剛性を向上させているのだ。
さらに、フロントにはダブルウィッシュボーン式、リアには新開発された5リンク式リジッドサスペンションを採用し、フレームとボディを繋ぐボディマウントを強化。これにより、荒れた路面からの不快な突き上げや振動を効果的に遮断し、自然なステアリングフィールとフラットで快適な乗り心地を獲得したという。ラダーフレームの美点である強靭さを妥協することなく、弱点であったオンロードでの操縦安定性と居住性を高い次元で両立させたことこそが、新型パジェロの技術的ハイライトだ。
また、かつては国内のパジェロ製造株式会社で生産されていたが、新型はタイを皮切りに日本やオーストラリア、そして世界約100カ国へと順次展開されるグローバルな海外生産モデルとなる。
エクステリアデザインには、近年の三菱車に共通するフロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」が取り入れられ、T字型の特徴的なヘッドランプや光の当たり方で表情を変えるテーマカラーと組み合わされることで、かつての武骨さだけでなく、現代的で洗練された高級感を獲得しているのだ。
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