「第46回東京モーターショー2019」が報道関係者向けに10月23日に公開される。今回の東京モーターショーは脱・自動車ショーを掲げて、異業種のさまざまな業界とのコラボレーションイベントなどが開催される。しかし、モーターショーの主役である自動車メーカー各社は電動車両や市販化の近い注目の新型車を相次いで公開する予定で、自動車市場の盛り上がりに期待している。
世界的に環境規制が強化される中、今回の東京モーターショーで最も目立ちそうなのが市販を想定したの電気自動車(EV)の出展だ。ホンダは初の量産型EV「ホンダe(イー)」を出展する。2020年夏に欧州市場に投入する予定で、日本市場でも販売する。欧州での価格は2万9470ユーロ(約357万円)からだが、今回のショーで日本市場での発売時期と価格が公表される可能性がある。
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EVではマツダも初の量産型EVを世界初公開する予定。「マツダ3」、「CX-30」に続くマツダの新世代商品第3弾となるモデルで、新型車の開発で重視している「人間中心の設計思想」を採り入れたEVを2020年に市販する予定だ。差別化が難しいとされるEVで、マツダらしさを打ち出せるのか注目される。
トヨタ自動車は2020年冬に市販する予定の超小型EVを出展する。航続距離は1回の充電で約100kmで、短距離の営業や巡回業務など、短距離移動と離駐車を繰り返す業務で活用されることを想定している。
市販用EVでは先行してきた日産自動車は、軽EVのコンセプトカー「ニッサンIMk」を世界初公開する。日産はアライアンスを組んでいる三菱自動車と軽EVを共同開発して市販する方針だが、今回のコンセプトカーは日産単独でデザイン。シティコミューターとしてのEVの活用を提案する。
自動車各社が電動車両の開発に注力しており、EV投入を本格化する見通しだが、EVの需要が本格的に立ち上がるのかは未知数だ。このため、実用的な内燃機関モデルの新型車も相次いで登場する。ホンダはスモールカー「フィット」を全面改良して世界初公開する。フィットはホンダのグローバル基幹モデルだ。ただ、ホンダは軽自動車の新型「N-WGN」が電動パーキングブレーキシステムの不具合で生産を停止しているが、新型フィットも同じシステムを採用する予定。このため、フィットの発売日が当初の予定からずれ込む見通しで、ホンダがショーで新型車の発売日に言及するか注目される。
また、フィットのライバルであるトヨタの小型車「ヤリス」も出展される。新型車から車名を「ヴィッツ」から海外市場で使用していたヤリスに統一し、日本では2020年2月中旬に販売する予定で、トヨタとホンダによるスモールカーの販売競争が再燃しそうだ。
市販間近のモデルとしてはスズキが軽クロスオーバーワゴン「ハスラー」の新型車のコンセプトモデルを世界初公開する。年内に発表される予定で、キープコンセプトながら機能性を向上する。国内市場ではスズキのライバルであるダイハツ工業が軽クロスオーバーのコンセプトカー「WakuWaku(ワクワク)」を出展する。
ワールドプレミアとなるスバルの新型「レヴォーグ」も注目の1台だ。6年ぶりの全面改良となる新型車には、先進運転支援システム「アイサイト」の進化版が搭載される見通しだ。
トヨタは2019年内に市販する予定のフルサイズワゴンの新型車「グランエース」を初公開する。トヨタ車の上級ミニバン「アルファード/ヴェルファイア」よりも大きく、VIPの輸送を想定、上質でゆとりのある室内空間が最大の特徴だ。
このほか、三菱自動車は軽コンセプトカー「スーパーハイト軽ワゴンコンセプト」を世界初公開する。拡大する軽ハイトワゴン市場に、三菱自らしいSUVテイストのデザインを盛り込んだコンセプトモデル。高速道路で同一車線運転支援技術「マイパイロット」を搭載する。
一方、プレスブリーフィングでは、経営体制の刷新を決定した日産が注目されるが、当日は暫定CEO(最高経営責任者)を務める山内康裕氏が壇上に立つ予定だ。ティエリー・ボロレCEOを解任したルノーは現地法人ルノー・ジャポンの大極司社長と、新型「ルーテシア」(海外名=クリオ)のデザイナーがブリーフィングを行う予定で、ルノー幹部は出席しない見通し。
東京モーターショー2019は10月23日が報道公開日で、10月24日に開幕、10月25日から11月4日まで一般公開される。
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