2022年シーズンのWRC(世界ラリー選手権)の6イベントへ参戦したセバスチャン・オジェは、ピレリの供給するタイヤに不満をぶちまけている。
8度王者のオジェは2021年限りでWRCフル参戦を終了させたが、2022年も”パートタイム”でWRCへ参戦を継続。今季はトヨタから計6戦に出場した。
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そんなオジェだが、彼は現在WRCで使用されているピレリ製タイヤの信頼性に懸念を示している。実際、彼が6戦中4戦でパンクに見舞われていることもあり、そう考えることも不思議ではないだろう。
開幕戦ラリー・モンテカルロではトップを快走しながらも、パンクで勝利をライバルに譲り、ケニアでのサファリ・ラリーでもリードしているタイミングでパンクが発生してしまった。
そして11月中旬に愛知県周辺で行なわれたラリージャパンでもオジェはパンクに見舞われている。何度もパンクに苦しめられた”恨み”からか、オジェはラリージャパンで次のようにピレリの仕事ぶりを批判している。
「(日本では)素晴らしい時間を過ごせたよ」
「(パンクは)いつものことだ。いつかピレリのやっているクソッタレな仕事について話すときがくるかもしれない。そうすれば何かが変わるかもしれない。でも現時点で彼らは冗談みたいな仕事ぶりで、ただのくじ引きになっている」
オジェはそう厳しく語った。後に言葉遣いについては謝罪もしているが、タイヤは改善されるべきだという姿勢は崩していない。
なおピレリにタイヤの改善を求めているのはオジェだけではない。M-Sportもピレリに対してターマック用のレインタイヤ強化を求めている。
オジェはこの件について、更に次のように語った。
「時には感情的になって良くない言葉で話してしまうこともある。そのことについては謝らなければならない。でも、これは本当に問題だし受け入れられないモノだ」
「誰も話そうとはせず、僕だけが率直に話しているけど、(タイヤは)受け入れられないものだ」
「WRCの皆は、誰もがベストを尽くして懸命に働いている。そして、チャンピオンシップのこの(タイヤ)領域では、あるべきレベルに達していないモノを使わなくちゃならないんだ。残念だよ」
「本当かは分からないけど、1年半の間で以前のサプライヤーの10年間よりも多くのパンクが発生していると聞いたことがある。それについてはどう説明するんだろうね」
「WRCというスポーツがタイヤのギャンブルであってはならない。僕はフル参戦はしていないけど、(パンクのせいで)何回負けたかは楽に数えられる。驕っているわけじゃないけど、毎回表彰台に上がっていただろうし、何回か勝っていただろう」
下記の写真はラリージャパンにおける、オジェの1回目のパンク(SS2)を起こしたタイヤだ。この画像からは、パンクがタイヤのショルダー部分からエッジ、トレッドに向かっていることから、縁石に接触したことが原因だと推測できる。
批判を受けるピレリだが、彼らはシーズン終了後に2022年型のタイヤについて「信頼性と耐衝撃性を確保した」と言及。ただ、2023年シーズンに向けてグラベルとアスファルト向けのタイヤの微調整を行なうことも明らかにしている。
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