当時の定価から劇的な高騰を見せる! 1280kg車両重量の993型
1995年式「ポルシェ 911 カレラRS 3.8」がRMサザビーズ・ザ・モントレー・オークションに登場。日本へ新車納車された走行1万5532kmの美車が、新車時価格の10倍近くとなる約1.2億円(79万7000ドル)で落札された。その詳細をお届けする。
ポルシェなら「992」より「964」が絶対に買い! 価格高騰でも30年前の空冷モデルがオススメな理由とは
装備を削ぎ落とした限定1104台! スピードイエロー原色の佇まい
空冷ポルシェの最終世代として、世界中のコレクターが熱烈な視線を注ぎ続ける「993型」。そのラインナップにおいて、モータースポーツのピュアな遺伝子を最も濃密に宿したモデルが1995年に登場した「911 カレラRS 3.8」だ。1995年当時の日本における新車価格は1230万円。BPR GT3およびGT4カテゴリーで戦うレースカー「3.8 RSR」のホモロゲーション(レース参戦資格を満たすために必要な市販車の生産台数規定)を取得するために誕生した本機は、まさに「公道を走るレーシングカー」そのものであった。
2026年8月に開催された名門「RMサザビーズ・ザ・モントレー・オークション」に出品された1995年式「ポルシェ 911 カレラRS 3.8(シャシーNo. WPOZZZ99ZSS390173)」は、エスティメートの予想落札価格50万~65万ドル(邦貨換算約7750万~1億750万円)を大きく置き去りにする79万7000ドル(邦貨換算で約1億2353万5000円)で落札された。新車価格の実に10倍にも達するこの落札額は、本機が持つ歴史的価値の高さを見事に証明している。
世界限定約1104台が生産された993カレラRS。シュトゥットガルトのエンジニアたちは、このマシンを究極のドライビングツールへと昇華させるため、狂気的とも言える軽量化を断行した。フロントフードとドアパネルには軽量なアルミニウムを採用し、ガラス類は薄型化。さらに中央集中ドアロック、ラジオスピーカー、パワーシート、電動ミラー、防音材、エアバッグ、リアデフォッガー、果てはヘッドライナー(車内の天井内張り部分)に至るまで、走りに不要なすべての装備を削ぎ落とした。
その結果、ベース車を大幅に下回る1280kgという極めてスリムな車両重量を達成。スパルタンな室内には、軽量なレカロ製バケットシートと、ドアを引っ張って開ける伝統のファブリック製ドアプルが備えられている。
3.8L空冷300馬力バリオカム! G50系6速MT配す駆動系
リアに搭載されるのは、3.8L空冷水平対向6気筒「Type M64/20」エンジンだ。ポルシェ革新の可変吸気システム「バリオカム(エンジン回転数に応じて吸気バルブの開閉タイミングを変化させる可変バルブタイミング機構)」と軽量な鍛造ピストン、デュアルオイルクーラーを装備し、自然吸気(NA)でありながら最高出力300hp/6500rpm、最大トルク36.2kg-m/5400rpmを叩き出す。
これに最高速よりも加速レスポンスに振った「G50/31型6速マニュアルトランスミッション」を組み合わせ、足回りにはマグネシウムセンターを採用した18インチの3ピース「Speedline for Porsche」軽量アロイホイールと、993ターボ譲りの大径ABSブレーキを組み込んでいる。
79万7000ドルで手槌打たれた個体! クラブスポーツリア翼付属
出品された個体は1995年7月にラインオフし、日本へ新車として正規デリバリーされた1台だ。鮮やかな「スピードイエロー」のボディに、ブラック×グレーの2トーン・レザーインテリアが組み合わされている。
新車時オプションとしてエアコン、パワーウィンドウ、デュアルエアバッグ、そして「クラブスポーツ・リアウィング(現在は別添えで付属)」が選択されており、日常の使い勝手も考慮された仕様となっていた。
2012年に現オーナー(アメリカ)へと引き継がれたが、オドメーターが示す走行距離はわずか「1万5532km(約9652マイル)」。驚くべきことに、塗膜計による測定で「スピードイエロー」のペイントは新車時の工場出荷状態(オリジナル塗膜)であることが確認されており、エンジンも新車時と合致する「マッチングナンバー(主要部品が新車出荷時の番号と合致していること)」を保持している。
空冷ポルシェの自然吸気エンジンが到達した最高の高み。日本で大切に育まれ、最高のコンディションを保ったまま世界へと渡ったこの1台は、まさに自動車文化遺産と呼ぶにふさわしい逸品だ。
■注目ポイント
1995年7月に日本へ新車デリバリーされ走行1万5532kmの動態保存コンディションを保った「1995年式 911 カレラRS 3.8」 新車時価格1230万円から約10倍のプレミアム価格となる約1億2353万5000円(79万7000ドル)でRMサザビーズ競売にて高額落札 アルミ製フロントフードや防音材撤去により1280kgへ軽量化された車体にバリオカム装備の3.8L空冷300馬力エンジンを搭載
■車両情報
車両名称:1995 Porsche 911 Carrera RS 3.8(Type 993) オークション:RM Sotheby’s The Monterey Auction 2026 落札価格:$797,000 USD(約1億2353万5000円 ※1ドル=155円換算) 予想落札価格:$500,000 – $650,000 USD(約7750万~1億750万円) 生産台数:993型カレラRS 全約1104台中の1台 パワートレイン:マッチングナンバー(新車時一致エンジン搭載) エンジン:3.8L(3,746cc)空冷水平対向6気筒 SOHC 12バルブ(Type M64/20 / バリオカム装備) 最高出力:300 hp @ 6500 rpm 最大トルク:262 lb-ft @ 5400 rpm トランスミッション:Type G50/31 6速マニュアルトランスミッション(加速追求型ギア比) 車両重量:1280 kg(2,822 lbs / 軽量化仕様) ボディカラー:スピードイエロー(Speed Yellow / ファクトリーオリジナル塗装保持) インテリア:ブラック&グレー 2トーン・レザー(センター部パンチング加工 / レカロバケットシート) 足回り / ブレーキ:18インチ Speedline for Porsche 3ピース鍛造ホイール(マグネシウムセンター)、993ターボ用ABSブレーキ、LSD 走行距離:1万5532 km(約9652 miles) 車歴・ヒストリー:1995年7月製造 → 日本へ新車納車 → 2012年に現オーナー(アメリカ)へ輸出・購入 付属書類・パーツ:ポルシェ正規適合証明書(COA)、輸入関連ドキュメント、クラブスポーツ・リアウィング(別添え)
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みんなのコメント
日本のポルシェの中古車は世界一程度が良いと言われる
でも、円安で海外から買い漁られてる
もうまともな空冷は日本から無くなる
二度と作ることのできない製品というのは年を経て減る一方だから価値が下がらない。