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トヨタが、「クラウン専門店」をこのタイミングで開業する背景

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トヨタが、「クラウン専門店」をこのタイミングで開業する背景

「シン・クラウン」が本格スタート

トヨタは2023年10月6日、東京・六本木ヒルズで「CROWN STYLE TALK SHOW」を実施した。

【画像】クラウン専門店 「横浜都筑」と「福岡天神」の内部を見る【クラウン・スポーツ登場!】 全68枚

これは16代目クラウン4車系のうち、2022年デビューの「クロスオーバー」に継ぐ第2弾となる「スポーツ」の注文開始も兼ねたイベントだ。発売は2023年11月頃。

同モデルはハイブリッド車だが、2023年12月にはプラグインハイブリッドの発売も予定している。

また、「セダン」を2023年11月頃、「エステート」を2023年度中に発売することを明らかにした。

さらに、メディアにとっても、またユーザーにとっても注目されるのが、クラウン専門店「THE CROWN」が全国で展開される点であろう。

これについてトヨタは、「新しいクラウンは、お客様の多様なライフスタイルに寄り添うブランド拠点が必要」との考え方を示した。

まずは 「THE CROWN 横浜都筑(ウエインズトヨタ神奈川)」と「THE CROWN 福岡天神(福岡トヨタ)」が2023年10月6日に開業。

このほか、2024年2月は愛知(愛知トヨタ)、2024年度に入ってからは東京(トヨタモビリティ東京)と千葉(千葉トヨタ)での開業を予定している。

そうした店舗でのクラウンブランド新展開のキックオフとして、六本木ヒルズで2023年10月7日~8日、4つのクラウン体験イベント「CROWN STYLE PARK」を実施しているところだ。

THE CROWN 横浜都筑店 じっくり視察

六本木ヒルズでの会見後、「THE CROWN 横浜都筑」を視察した。

場所は、新興住宅地の港北ニュータウン内である。

店舗デザインの基調は「和モダン」。交通量が多い道路側の建物外面には「格子」をモチーフとし、木のぬくもりを感じさせる雰囲気がある。正面玄関には、「CROWN」のエンブレムを描いた「のれん」がある。

「のれん」をくぐり、自動ドアを通り室内へ入る。

すると、右手は「軒(のき)」をイメージした空間が広がり、その前にクラウンが展示されている。

「軒」と称するように、縁側をモチーフにした着座スペースがあり、その前のクラウンが置かれた空間は「庭」のイメージである。

「軒」の内部の壁面には、初代クラウンにまつわる展示スペースや、トヨタ開発主査やチーフデザイナーが新型クラウンにかける熱い思いを紹介するデジタルサイネージを配置。

その先には大きな「樟(くす)」のテーブルがあり目を引く。

元々は、神奈川県内の小田原厚木道路の大磯パーキングエリアにあった大木で、そこから切り出した。樟には独特のカンファーの香りがある。

さらに奥には、和を強く意識した商談用の個室が並ぶ。

こうしたクラウンに特化した店舗空間で、クラウンに精通したコンサルタントがお客さまに寄り添って、お客様ひとりひとりのライフスタイルにあったクラウンを提案する。

きっかけは、販売店の「全モデル併売」

では、なぜこうしたクラウン専門店が誕生したのか。

その背景には様々な要因がある。

最大の理由は、トヨタが2020年に国内市場で新たに取り入れた「全販売店全車種併売化」というビジネスモデルへの転換の影響だ。

それ以前は、トヨタ店、ネッツ店、トヨペット店、トヨタカローラ店という4つの販売チャネルをトヨタは国内で構築し、一部車種をのぞいてそれぞれの販売チャネルが違う車種を扱う方式を採用していた。

それが、トヨタの“どの販売チャネルでも”トヨタのフルラインナップからクルマを選べる、というシステムに大きく変わった。

これを受けて、地域によっては、地場のトヨタ販売各社の経営判断によってトヨタ販売チャネルの“統合”が進んでいるところだ。

こうした状況の中で、トヨタ販売各社としては「独自性を持つ店舗づくりは必須」という考えを持つようになった。

そこにトヨタの「16代目クラウン4車系」という製品戦略が出てきて、それにあわせた“クラウン専門店”という提案がトヨタからトヨタ販売各社にあった、という流れだ。

ただし、全国各地域では、トヨタ販売各チャネルでの資本を含めた事業の関係性や、顧客ニーズなどの市場環境は違う。そのため、トヨタ販売会社それぞれのクラウン専門店に対する経営方針も変わってくる。

20代が倍増? 変化するユーザー層

今回視察した「THE CROWN 横浜都筑」の場合、この敷地は2023年6月まで「ウエインズトヨタ神奈川・港北ニュータウン店(旧横浜トヨペット・港北ニュータウン店」だった。

ウエインズトヨタ神奈川は、神奈川県内のトヨタ販売会社のひとつであるウエインズグループ傘下にあり、2023年1月に横浜トヨペット、トヨタカローラ神奈川、ネッツトヨタ神奈川が統合したもの。

「全販売店全車種併売化」以前、クラウンはトヨタ店での専売であったため、ウエインズグループとしては、それまで手がけてこなかったクラウンによって、新たな顧客層獲得を目指すためにも、クラウン専門店「THE CROWN」を全国に先駆けて展開するという事業戦略に出たと言える。

トヨタによると、16代目クラウン「クロスオーバー」の販売は好調で、国内市場においてクラウン購買層に大きな変化が出てきた。

15代目クラウンと比較すると、20代顧客が2.58倍、また40歳未満が2.04倍と大きく伸びている。

16代目クラウンも国産高級車という製品価値は歴代クラウンと変わらないものの、クラウンというブランド自体が大きく変わってきていることが実証された数字である。

クラウン専門店「THE CROWN」の飛躍に期待したい。

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みんなのコメント

4件
  • クラウンもトヨタ系列全店販売できるようになったものの、やはり上級車種を新車で買う層を満足させるには、レクサス店のような専用店舗にしないとダメだという事か。まあ、地場の有力販売会社にはレクサス店も展開してノウハウもあるところが比較的多いと聞きますからね。そういうところが手を挙げるのでしょう。
  • 最近クラウンの購入者の平均年齢が若返ったとか
    若い人に人気とか作られた記事があるけど、絶対信じるんじゃねえぞ。
    俺たちにとってネットのコメントこそが唯一の神様であり絶対的真実。
    つまりトヨタクソ、ロシアプーチンに栄光を。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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