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1980年代の個性的な日本車セダン4選

1980年代に登場したユニークな日本製セダンを小川フミオがセレクト。当時の思い出とは?

1980年代に登場した日本のセダンはおもしろい。1970年代後半まで日本車は“小さな米国車”というおもむきだったものの、そこから脱してオリジナリティを追求しはじめた時代である。

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頂点は、この年代最後の年である1989年1月に米国で発表された、レクサス「LS」、日本名トヨタ「セルシオ」だろう。オーソドクスなスタイルとはいえ、均衡のとれたプロポーションと、低振動でかつ静かなV型8気筒ガソリン・エンジンは、トヨタ自動車だから作れた、と、納得させられる出来だった。

ただし、オーソドキシーも多様だ。トヨタいがいのメーカーも、この時代、自社なりの理想的なセダンを追求した。そのなかで私が1980年代はとりわけいいなあと思うのは、いってみれば、手探り感のあるクルマづくりのおもしろさだ。

最大公約数的なクルマづくり(じつはむずかしい)でなく、自社なりのベストを尽くした結果のセダン。私たちは、このころ、ドイツに追いつけ追い越せなんてかんじで、”まだまだだなぁ”などと評価していた。

けれども、いま数社のセダンをこうして横並びにして眺めてみると、それぞれがんばっていて、べつにメルセデス・ベンツやBMWにならなくてもいいよね、と、思うのである。

(1)日産「レパード」(初代) 

初代レパードが1980年に登場したときは衝撃だった。ひとことでいうと、冒険的だったからだ。910型ブルーバードから6気筒を落とし、そのかわり上級車種を……と、考えた日産自動車のマーケティングの帰結である。

冒険的であると思ったのは、なににも似ていないスタイリングが大きい。4630mmのボディは当時としてはまずまず大きく、伸びやかな印象を活かして、逆カンチレバー(Aピラーのみ車体と同色に塗装し後はブラックアウトするデザイン手法)のルーフと大きなウィンドウ面積のキャビン。新しい高級セダン像を見せてくれたのだ。

もうひとつ、さらに冒険的だったのが、2ドアハードトップの設定である。ボディ側面はほとんど1枚の大きなドアという大胆さ。くわえて、リアクオーターウィンドウとリアウィンドウをつなげているため、外から見ていると、後席乗員は水槽のなかにいるみたいだった。

当初は2.8リッター/2.0リッター直列6気筒と1.8リッター直列4気筒の2本立て。1984年のマイナーチェンジで3.0リッターV型6気筒ターボが設定された。メカニズムとしては、ロックアップ機構付き3段オートマチック変速機や、車高自動調整システムが採用された。もっともヘンな技術は、ワイパー付きフェンダーミラーである。

乗った印象は、ふわふわした乗り心地のモデルがあるかと思うと、ターボのように瞬発力命のモデルもあり、総体としてレパードはどんな高級セダンなのか、わかりにくかった。

「スカイラインRS」みたいに車体側面下部をブラックで塗装し「TURBO」と大きく入れた塗り分けの2ドアターボもあって、「メルセデス・ベンツだったらこんなことやらないだろうなぁ」と、思ったものだ。

でも、メーカーがあれもこれもとさまざまな技術を投入した、その混沌としたかんじが、成長期に入った当時の日本車そのもの。いまなら広い気持で、いいじゃない、と思えるのだ。

(2)ホンダ「レジェンド」(初代)

ホンダが初代レジェンドを1985年に発売したのは大きなニュースだった。「N360」や「シビック」、「アコード」といった小型~中型車メーカーが、ついにここまで(涙)と、ホンダの関係者でもないのに嬉しく思えたものだ。

全長4810mmもあるうえに2.5リッターV型6気筒エンジンという成り立ちでありながら、ホンダのラインナップに合わせて前輪駆動を採用したのも、この駆動方式に意義を見出すホンダのメーカーとしての気骨を感じさせた。

当時、クワトロでブイブイ言わせていたアウディだって、前輪駆動にこだわっているし、とも思ったものだ。アウディのようにエンジンを前車軸よりオーバーハングさせてトラクションをかけるという考えかたをホンダは採用しておらず、むしろ重心高を下げ、重いものをボディの四隅には配置しないというハンドリング重視の考えかただった。

驚いたのは、1987年のマイナーチェンジで、サスペンション形式を四輪ダブルウィッシュボーンへと変更してしまったことだ(初期モデルの場合、リアはストラットだった)。なんと金のかかることを平然とやりとげてしまうのか。これがホンダのセダンなのだと感心した記憶がある。

乗ると、“スポーツカーみたいなエンジンを搭載する大型セダン”というのが印象的だった。スムーズに高回転域までまわるエンジンで、F1も手がけるホンダ、という存在意義をメーカーじしん、このあたりに見出していたのだろう。そのぶん低回転域のトルクはやや不足ぎみで、欧米の高級セダンとはすこし違うコンセプトだったのが印象的である。

まぁ、これでいいのだ。そうでなくては、メーカーがいくつもある意味がない。ホンダはホンダで独自の道をいけばいい。そう思わせてくれた最初のプロダクトが、初代レジェンドだった。

(3)三菱「デボネアV」(2代目)

三菱の高級セダンであるデボネアは、1986年に22年ぶりのフルモデルチェンジを受けた。それまでは2555ccも排気量のある直列4気筒を搭載してトルクの太さだけは特徴だったものの、今回は車名が“デボネアV”というだけあって、V型エンジンが最大のセリングポイントになっていたのだ。

2.0リッターも3.0リッターもV6。三菱が当時力を傾注していた電子制御「サイクロン」ユニットである。もうひとつメカニズムとして注目すべきは、前輪駆動化された点だ。

リアサスペンションの形式は、ダブルウィッシュボーンでもマルチリンクでもなく、いたずらに”トレンド”を追わず、半独立のトーションアクスル。いいクルマはスペックではない、というエンジニアのこだわりを感じさせて、好ましかった。

初代デボネアに乗るのは、ほとんどが三菱グループの役員などと言われたが、デボネアVはトヨタや日産の高級パーソナルカーオーナーもターゲットに据えた。ただし4ドアボディひとつしかなかったため、AMG社に依頼してエアロキットとロードホイールを用意してもらった3000ロイヤルAMGも発売した。

いまみると、ボルボのスポーツモデル、あるいは下半分はメルセデス・ベンツ「Eクラス」みたいで、それなりに雰囲気があるものの、当時は野暮ったかった。でも操縦するとハンドリングもよくて、私は好きだった。乗っている自分が外から見られることを想像して自己愛でうっとり、なんてこととは無縁だったが。

1987年にスーパーチャージャー版が発売になり、1989年に新しい3.0リッターV6エンジンが投入されたものの、当時このクルマを理解して愛するには、ほかに選択肢が多すぎた。デボネアVでなくてもいいじゃん、ということだ。

でもいまデボネアVの程度のいい中古車があったら、乗ってみたい。とくに、3000ロイヤル。走りもさることながら、レザー張りの立体的なクッションのシートなんて、いまでもぜいたくきわまりない代物だ。

(4)マツダ「ルーチェ」(5代目)

ルーチェの5代目が1986年に発表されたころ、マツダは他社の後塵を拝していた。理由はこのルーチェに集約されている。少なくともデザインにオリジナリティがとぼしいからだ。

よく見ると、面のつくりの細やかさとか、ボディのバランスなど、ていねいに考えられている。キャビンは後退ぎみで、後輪駆動車の黄金比が守られているかんじだ。デザインディレクターの趣味のよさを感じさせるのだ。

残念ながら、没個性的なフロントグリルと、アメリカ車の影響をひきずっていたインテリアの造型は、日本車がどんどんオリジナリティを追求していた1986年という時代にそぐわなかった。残念だなぁと思ったものだ。

当初は前輪駆動化も検討されたとはいうものの、2ローターのロータリーエンジンやV型6気筒など、サイズをコンパクトに抑えることで、後輪駆動でも効率的なパッケージングを採用できたそうだ。

当時のマツダ車だけあって、エンジンのラインナップは多様だ。13Bロータリーターボ、2.0リッター直列4気筒、2.0リッターV6、同ターボが当初からあり、途中3.0リッターV6DOHCなどと、バリエーションが増えていった。

走りの印象は、スポーティなクルマを得意とするマツダならではの個性があった。ハンドリングもそれなりにシャープで、運転を楽しめるクルマに仕上がっていた。

でもいったいどうして、ロータリーからV6まで、エンジンがそこまで多様なのか、理解できなかった。まぁ、それがこの時代なのだろう。いや、マツダというメーカー独自の哲学のせいかも。

マツダは現在、独自のデザイン哲学(“魂動”と呼ぶ)を貫き、プロダクトは、「マツダ2」から「CX-8」にいたるまで、全体のシルエットから面づくり、それにインテリアまで、統一性のあるデザインが採用されている。

かつ、エンジンはガソリンにくわえてディーゼルも選べて、マニュアル変速機がほとんどのモデルに用意されている。称賛したい考えだ。そんな”こだわり”は、このときのルーチェにもあるのだ。いまここで、すべてのエンジンを試せたらなぁと思う。

文・小川フミオ

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