FIA F2の2022年最終ラウンド、アブダビ戦のフィーチャーレースで、DAMSの岩佐歩夢がポール・トゥ・ウイン。今季2勝目を挙げた。しかしこの勝利は、簡単なモノではなかった。
金曜日に行なわれた予選でポールポジションを獲得した岩佐は、トップ10がリバースグリッドとなる土曜日のスプリントレースを10番手からスタート。しかしレース中のペースが上がらず、13位でのフィニッシュとなった。
■岩佐歩夢、今季王者ドルゴビッチの猛攻凌ぎ切り今季2勝目。ランク5位でシーズンを終える|FIA F2アブダビ・フィーチャーレース
一夜明けた日曜日のフィーチャーレースも、我慢のレースとなった。スタートでは2番グリッドのチームメイト、ロイ・ニッサニーにスタートで先行されそうになるも、なんとかこれを死守。その後も後続を引き離すことはできなかった。タイヤ交換を終えた後、レース終盤には今季の王者フェリペ・ドルゴビッチ(MPモータースポーツ)に激しくプレッシャーをかけられた。しかし岩佐はこれをなんとか凌ぎ切り、トップチェッカー。今季2勝目を挙げた。
「(1勝目を挙げた)ポール・リカールとは全然違うレースでした。例えば、フェリペからは厳しいプレッシャーを受けていたんです。実際、ペースはあまり良くなくて、かなり苦戦しました」
岩佐はレース後の記者会見でそう語った。
「クルマの挙動とバランスは良かったです。でも、後続を引き離すのに十分なスピードがありませんでした。データを見直して、今回のレースから改善できる点を確認する必要があると思います。ただ、とにかくレースに勝つことができたので、これは本当に嬉しいです」
「レース前には、デグラデーションがもう少し良いと期待していたんですが、マシンのバランスとオーバーステアに苦しみました。そのバランスとタイヤをなんとかしようと思っていたんですが、それはうまく機能しませんでした」
「僕の判断ではなく、エンジニアが指示を出してくれて、僕はかなり早いタイイングでピットインすることになりました」
予選ではフロントロウを獲得したDAMSだが、レースペースでは岩佐は何とか逃げ切ったものの、苦労した。ニッサニーは結局10位だった。
アタックラップのパフォーマンスと、レースペースのパフォーマンスが大きく違うように感じられた今回のDAMS勢。その原因が何にあったのかと尋ねられると、岩佐は次のように説明した。
「1周のペースはかなり良かったと思います。でも、レースペースはそれほどではありませんでした」
そう岩佐は言う。
「昨日もとても苦労し、大きくポジションを落としてしまいました。今日のレースに向けて改善できるように集中し、昨夜はかなりの作業をしました。いくつかの改善点が見つかり、レースで全てのことを試しました。でも、十分ではなかったです」
「クルマをもっと改善する必要があるのかもしれないですし……自分の走行データをチャックしたいと思います」
岩佐は今回の勝利でランキングでのポジションを上げたものの、5位止まり。F1参戦に必要なスーパーライセンスの発給要件には満たなかった。しかし、岩佐にとっては今季がFIA F2での1年目。来季も参戦することになれば、重要な1年ということになるだろう。
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