■あおる側の心理から、あおられない運転を考える
警察はあおり運転への罰則を強化し、最近ではヘリコプターによるあおり運転摘発も行われるようになりました。また、「高速道路上であおられたらSAPAに避難して通報する」「本線上では絶対にクルマを停めない」「あおりの挑発に乗らない」など、「あおられたときの対応策」も浸透しつつあります。しかし、あおり運転はなかなか減っていないのが現状です。
なぜ多い? 煽り運転のきっかけ「通せんぼ走行」 高速追い越し車線で法定速度走行はNG?
そもそも、あおり運転を繰り返すクルマは、「罰則が強化されたからあおり運転はやめよう」など素直に引き下がることは期待できないでしょう。一番よいことは、「あおられない」ことです。あおり被害に遭うクルマは、(理不尽な場合もありますが)何かしら、相手を激高させる原因を作っている場合も少なくありません。あおられやすい人、特に運転に不慣れな初心者や運転に自信がない女性ドライバーに向けた「あおりの標的にならないための運転術」はないのでしょうか。
そもそも、あおり運転はどんな状況で起こるのでしょうか? 数多くのTV番組に出演されている交通事故鑑定の国内第一人者、交通事故鑑定ラプター 中島博史氏に教えていただきました。
――あおり運転はどんな状況で起きることが多いのでしょうか?
あおる側の心理で整理してみると、以下の3つに分析できるのではないかと思います。
(1)自分のしようとしていた操作を妨げられたとき→特に急いでいるときには遅いクルマが邪魔に思える。合流させてくれなかった。右左折の優先順が守られなかった(ことで自分が後ろになった)。
(2)侮辱された・あおられたと思ったとき。※勘違いや思い込みも含みます→ハイビームで近づかれた。車間距離が狭すぎる状態が続いた。割り込まれた等。
(3)あおり運転自体を好んでいる場合→初心者・女性・自車よりも小さい(格が低い)クルマを狙うケースが多いですね。
――あおられないように気を付けることはありますか?
簡単に言うと、上記1-3の状況にならない(そう思われないように)ようにすればよいわけです。女性や初心者の場合、とくに初心者で運転に自信がないように見せない工夫ということです。
■一番右の追い越し車線を走り続けない運転を
高速道路には一部対面通行の場所を除いて、走行車線と追越し車線があります。路肩に近い方が走行車線で、一番右が追越し車線です。そして、あおり運転の多くは追越し車線で発生しています。
本来、追越し車線は、「追越しをするための車線」なので、追越しが終わったら速やかに走行車線に戻らないといけません。走行車線側が混んでいる場合などを除いて、追越し車線を走り続けて良いのはおおむね2キロです。
しかし、実際は走行車線がガラガラに空いていても、追越し車線を走り続けるクルマがたくさん見られます。ちなみに、追越し車線を走り続ける運転は「通行帯違反」となり、道交法第27条には「追いつかれた車両の義務」もあります。追越し車線で後続車に追いつかれたら道を譲らなくてはなりません。
あおりの標的になりやすいのが、この追越し車線を特に遅いスピードで走るクルマです。後続車の状況に気づかない、そもそも追越し車線本来の意味を知らないクルマもいるでしょう。あおるクルマを擁護するわけではありませんが、周囲の状況に鈍感で追越し車線をノロノロ走り続けるようなクルマはあおりの標的になりやすいです。
■周りの空気を読む運転を心がける
上手な運転をする人は周囲のクルマの動きに敏感です。前を行くクルマ、後ろを走るクルマのドライバーの姿や表情が見えなくても、クルマの動きや周囲の雰囲気だけで、そのクルマが「どうしたいのか?」「どこに行きたいのか?」が分かるといいます。
ルールを守る走行はもちろん大事なことですが、クルマの運転は前だけを見て法定速度で走っていればいい、というものではありません。先日、筆者(加藤久美子)が東名高速道路を御殿場方面に向かって走っているときに、気になるクルマがいました。追越し車線を微妙な速度(100km/h区間を90km/hくらい)で走り続けており、そのクルマの後ろには何台かクルマが続いていました。
中にはパッシングをしているクルマもいましたが、まったく気づかない様子で後続車は仕方なく走行車線から抜いていました。周りの交通状況を把握し、流れに乗った走りができるドライバーはあおりの標的になることは少ないと感じます。
ちなみに、そのクルマのドライバーを横目にみてみたら、大きなツバがついた(麦わら帽子タイプ)帽子を被った女性がハンドルにしがみつくような姿勢で運転していました。そんな帽子を被ったままでは周囲のクルマの動きに気づくはずもなく、もちろん、安全確認等できないでしょう。
■運転姿勢、ハンドルの握り方、いかにも「運転が不慣れ」は標的になりやすい?
標的になりやすいのは物理的にも精神的にも初心者や運転に不慣れなドライバーである場合が多いとも聞きます。運転になれるまでは実際仕方ないとしても、「ヘタそう」に見せない工夫をすることも自衛のために大切です。
例えば、運転姿勢に関しては、ハンドルは「(アナログ時計の針で)10時10分の位置」など上の方ではなく、9時15分の位置より下の方が良いです。しがみつくような形で握るのは、急な回避ハンドル操作にも支障をきたします。
背中はしっかりシートの背もたれに着けます。初心者ドライバーの方は、特に前をよく見ようと前のめりの姿勢になりがちです。
また、ブレーキの踏み方にイラつく後続車もいることを覚えておきましょう。危険回避のためにブレーキをかけることはもちろん重要ですが、適正ではないブレーキを踏む(=ブレーキランプを点灯させる)ことは、周囲のクルマに様々なストレスを与えます。
あおり運転は理不尽で卑劣な腹立たしい犯罪行為ですが、あおりの標的にならないよう自衛することも大切です。怪しいクルマは動きを見ていればだいたいわかります。間違ってもそんなクルマの前に割り込んだり、逆に割り込みを拒否したりはしないように。そして、追越し車線の意味を理解し、後ろにつかれたら速やかに道を譲りましょう。
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