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’20ホンダCRF1100Lアフリカツイン、充実のハイテクユーティリティをチェック

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’20ホンダCRF1100Lアフリカツイン、充実のハイテクユーティリティをチェック

長旅もちろんOKの快適機能進化形

’20ホンダ新型CRF1100Lアフリカツインシリーズは、前ページでも解説した通り、アドベンチャースポーツESの電子制御サスペンションを軸として走行性能を大きく進化させたが、ユーティリティ機能/装備面も負けてはいない。より遠く、どこまでも走っていける快適装備が追加されている。

’20ホンダCRF1100Lアフリカツイン、限定足長モデル〈S〉と電サスの関係を考察インプレ

●文:谷田貝洋暁 ●写真:関野温

価格アップも納得の充実装備

新型アフリカツインを最初に見た時、正直、どこかどう変わったのか見分けがつかなかった。しかし、よく見るとアップルカープレイの採用や6軸IMUの採用によりウイリーコントロールが追加されるなど、装備や機能も大幅にアップグレードが施されていることがわかる。

◆アップル カープレイ 【STD/アドベンチャースポーツ】

ホンダ車ではゴールドウイングに続いてアップルカープレイを搭載。iPhoneへの有線接続とインカムは必要だが、音声によるコマンド入力や、6.5インチディスプレイに地図などを表示することができるようになった。残念ながら、現状アンドロイドユーザーは音楽再生/着信応答ぐらいしか利用できないが、今後アンドロイドアプリへの対応も検討しているとか。

―― (左)音楽再生、コントロール、着信応答などの操作は左スイッチボックスにて行う。(右)アップルカープレイの使用にあたってはUSBによる有線接続と市販のインカムが必要になる。

◆ウイリーコントロール 【STD/アドベンチャースポーツ】

IMUからの姿勢情報をもとにウイリーを抑止する機能で、3段階+OFFの設定が可能。ONにしておけばマクられる心配がないので、心おきなくアクセルがワイドオープンできる。ただしジャンプの踏み切りでも制御が入るようなので、コース走行でしっかり跳びたいならオフにしておいた方がよい。

◆5段階設定のグリップヒーター 【STD/アドベンチャースポーツ】

機能そのものは目新しくないものの、特筆すべきはその熱量。5段階で設定温度が変更できるのだが、最強にすると熱いくらいに発熱する。おかげで、真冬でも薄手のグローブで走ることができそうだ。切り替えはスイッチボックスのほか、タッチパネルメーターでも行える。

◆クルーズコントロール 【STD/アドベンチャースポーツ】

ライバルたちの間で標準装備化が進んでいるだけに、市場からの要望も多かったというクルーズコントロール機能。50~160km/hの間で設定でき、上下ボタンで1km/hごとの増減速コントロールが可能だ。アフリカツインらしい、長旅で役に立つ機能だ。

◆コーナリングライト 【アドベンチャースポーツのみ】

IMUによって車体の傾きを計測し、コーナリング中に見えにくいイン側の死角に追加で光を当てる機能。バンク角に合わせて、メインライトの下に装備した片側3つのLEDライトが段階的に進行方向を照射する。

◆5段階調整式スクリーン 【アドベンチャースポーツのみ】

両手で根元のつまみを握るだけで、簡単に5段階のスライド調整が可能。実際に使ってみると、上方へスライドするにつれて角度が立つこともあり、スライド幅以上の効果が体感できた。雨天巡航時の視界確保にも有効であるとともに、下げておけばスタンディング走行時に邪魔にならない絶妙な高さに設定されている。

純正アクセサリーも豊富

エンジンガードやフォグランプ、ラリーステップなどの純正アクセサリーも豊富なアフリカツイン。とくにアドベンチャーツアラーとして装着率が多いパニアケース&トップボックスには、今回、堅牢なアルミ製のハードタイプが用意される。パニアケースの容量は右側33L/左側37L(許容重量:各10kg)で、トップボックスは42L(許容重量:6kg)。ホンダ純正アクセサリーとしてきちんと走行テストを行い、”キッチリ問題なく走れる”と太鼓判を押された製品で安心。純正ならではの使いやすいワンキータイプであるのも魅力だ。

おまけ情報:シート高が下がってライポジもイイ感じに

前作アフリカツインアドベンチャーのシートも高さが変えられたが、高い方はなんと890mm。1週間ほど乗り回した際には最初こそ高い方で頑張っていたのだが、どこかのタイミングで低い方の870mmに下げて以来、二度とシートを上げなかった。あまりにシートが高かったのだ。

その点で言えば、’20モデルのアフリカツインはシート高810mm~830mm、ストローク量の増えた〈S〉では850mm~870mmと、前作とは比べられないほど足つき性が向上している。

◆STD〈Hi:830mm〉

―― STDのHiポジションは830mm。アドベンチャースポーツと同じシート高のため、足つき性そのものは変わらないが、仕様によっては24kgもの重量差が生まれることもあり、体感的にも軽い印象を受けた。

◆アドベンチャースポーツ[Hi:830mm]

―― アドベンチャースポーツのHiポジションも、STDと同じ830mm。なんとか両足のかかとが着く良足つき性。アドベンチャーモデルを諦めていたライダーには、是非とも一度またがってもらいたいシート高だ。

◆アドベンチャースポーツ[Low:810mm]

―― シートを取り外して組み替えると、さらに20mmほどシート高をダウンさせられる。もはや膝の曲がりに余裕ができるくらいに足つきがよくなる。

◆アドベンチャースポーツ〈S〉[Hi:870mm]

―― ロングストローク仕様の〈S〉だと、フロントストロークが45mmほどアップしているため、最低地上高も40mmほどアップ。当然ながらかかとは浮くが、とはいえ支えられないほどではない。

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