■Dレンジばかりじゃもったいない! MTモード活用のススメ
現在、日本で販売されるクルマの98%はAT車が占めているといわれています。1991年11月にAT限定免許が導入されたことでMT車に乗れない人が増え、一部のクルマ好きを除けば、MT車を購入する人が激減しています。
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最近では、変速時や発進時の操作をアシストするインテリジェントマニュアルトランスミッションをトヨタが新開発したり、マツダも多くのモデルにMT車を設定するなど、MT車の設定も増えていますが、それでもAT車が優勢という状況には変わりありません。
一方で、多くのAT車(CVT車含む)には、「MTモード付きAT」が搭載されています。ハンドルの奥にあるパドルシフトや、シフトレバーのMTゲートで操作して、任意でギアを選択できます。
普段は「D」レンジに入れておけば自動でシフトチェンジしてくれるAT車がほとんどのため、街乗りで「MTモード」を使わなくても問題ありません。MTモードは、どのような場面で使うのが良いのでしょうか。
MTモード付きATにはさまざまなタイプがあり、大きく分けて3種類が存在します。
ひとつめは、長い間主流であるトルクコンバーターを使用した「トルコンAT」ベースのものです。現在では、6速ATなど多段化が進み、トルクコンバーターの性能向上、シフトダウンの機能の進化(回転数を合わせるブリッピング技術など)もあって、本物のMT以上に素早くシフトチェンジができるようになりました。
ふたつめが、プーリー(滑車)と金属ベルトやチェーンを組み合わせた無段階変速の「CVT」ベースのものです。以前は小型車に搭載されていましたが、近年では金属ベルトの耐久性向上などもあり大パワーエンジンでも搭載が可能になり、最近ではスポーティ感を演出するMTモードも搭載するようになりました。
実際のMTモード使用では、ややダイレクト感に欠けますが、無段階変速CVTならではの滑らかなフィーリングは、日常の走行ではとても大きなメリットです。
そして、本格的なスポーツカーや欧州車が多く採用しているのが、実際のMT操作とクラッチ操作を自動化した「DCT(デュアルクラッチトランスミッション)」ベースのものです。
スズキが採用している「AGS」や、フィアットやアルファロメオが採用している「セレスピード」もこの部類になります。
ほかのふたつよりもMTモードのダイレクト感が感じられ、よりMTに近い感覚で運転できますが、一方で、車庫入れや信号待ちからの発進、渋滞のような超低速時ではギクシャクするクセがあるなど一長一短な部分もあります。
■意外にある! MTモードを使った方がいい場面とは?
MTモードを使う場面として連想しやすいのがワインディングです。とはいえ、ワインディングを走行する機会がほとんどないという人も多いでしょう。走行する機会がないため、ATモードのまま走っている人が多いのが現状です。
ワインディング以外でMTモードを使用するのにオススメなのは、高速道路の合流です。
料金所(ETC含む)を過ぎると、本線までのアプローチする区間には意外にカーブの角度がキツイ箇所があり、思うように速度を上げにくいものです。
このときATモードのままだとエンジンの回転数に応じて自動でギアが上がってしまい、コーナリング中にブレーキを踏んで、クルマの挙動が乱れることがあります。
加速中にカーブを旋回(コーナリング)する場合は、ギアは固定された方がクルマの挙動が安定します。MTモードを使ってカーブに最適なギアを選択しておけば、安定してカーブを曲がることができるというわけです。
道路には、平坦な道だけでなく、上り坂や下り坂では勾配がついていることがあります。とくに下り坂の場合は、ATモードのままだとどんどん加速してしまい、常にブレーキ操作を繰り返すことにもなります。
また、長い下り坂でフットブレーキを多用しすぎると、ブレーキの効きが悪くなる「フェード現象」や「ベーパーロック現象」が起きるため非常に危険です。そこでMTモードの出番です。
ATがプログラミングで判断しているギアからシフトダウンすることで、適度なエンジンブレーキがかかり、下り坂でのスピードの上がりすぎを抑えてくれます。
現在のMTモード付きATは優秀な部分も多く、多少強引なシフトダウンでもクルマが壊れる心配もありません。それより、エンジンブレーキを使用して、フットブレーキを踏む回数が減るほうが、運転自体も楽になります。
また直噴エンジンの場合は、低い回転数ばかり使用していると内側にカスが溜まりやすくなり、エンジンの回転が気持ちよく回らなくなる、いわゆる吹き上がりが悪い状態になることもあります。
そんな場合も、あえてMTモードで低めのギアを選択し、高い回転数までエンジンを回してあげることで、カスを減らすこともできます。
※ ※ ※
MTモードは、スポーティに走るだけではなく、スムーズに走るためにも使えるものです。これまで使ったことがなかったという人も、MTモードを活用してみてはどうでしょうか。新たな楽しさが発見できるかもしれません。
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