2025年12月18日、経済産業省はCEV補助金の補助上限額の見直しを発表。 これまでPHEVの補助額上限60万から85万円に大幅アップしたのだ。なんとプリウスはCEV補助金85万円、地方自治体の補助金55万円(東京都)を合わせると140万円となり、ハイブリッドのプリウスより安く買えてしまうのだ。あなたはどちらを選ぶ?
文:渡辺陽一郎/写真:ベストカーWeb編集部、トヨタ
【画像ギャラリー】プリウスPHEVがハイブリッドより80万円も安い理由とは(5枚)
補助金140万円を引くとプリウスPHEV G は244万7300円で買える!
2025年1~12月に国内で新車として販売された乗用車の内、PHEV(プラグインハイブリッド/充電の可能なハイブリッド)の割合は、わずか1%だった。充電機能を備えていないハイブリッドの47%に比べて大幅に低い。EV(充電機能のない純粋な電気自動車)の1.4%と比べても売れていない。
PHEVの販売が伸びない理由として、車種の不足が挙げられる。トヨタはプリウス、アルファード&ヴェルファイア、RAV4、ハリアーなどにPHEVを設定するが、ほかのメーカーは、三菱アウトランダー、マツダCX-60/CX-80など少数に限られてしまう。日本では総世帯数の約40%がマンションなどの集合住宅に住み、自宅に充電設備を設置しにくいことも、EVと併せてPHEVが売れない理由だ。
ところがPHEVの損得勘定を計算すると、車種によっては意外に買い得だ。EVと同様に補助金が交付され、その金額が価格の割に多額であるためだ。プリウスPHEV Gの価格は384万7300円で、ハイブリッドGは324万7300円になる。PHEVはハイブリッドよりも60万円高い。
そしてプリウスPHEVを購入して申請を行うと、国から85万円の補助金が交付される。PHEVの価格がハイブリッドに比べて60万円高くても、85万円交付されると、逆に25万円得をする。
さらに車両を登録する地域によっては、自治体からも、国とは別の補助金が交付される。例えば東京都でプリウスPHEVを新車登録すると、国の85万円とは別に、55万円の補助金が交付されるのだ。東京都千代田区では、国や東京都とは別に10万円を交付している。
したがって東京都でプリウスPHEVを買う場合、補助金をすべて合計すれば140万円だ。プリウスPHEV Gの価格は384万7300円だが、実質244万7300円で入手できるのだ。10万円の補助金が出る千代田区の場合だと、234万7300円だ。この金額は同グレードのハイブリッドGの324万7300円と比べると80万円安い。
またプリウスで最も安価なハイブリッドXの276万9800円を大幅に下まわる。しかもハイブリッドは2万2500円のエコカー減税しか受けられない。
プリウスPHEV Zの価格は460万8900円、一方、同グレードのハイブリッド、プリウスZは384万7300円。PHEVの補助金140万円を引くと、320万8900円となる。
同グレードのハイブリッドのZは387万500円、エコカー減税の2万2500円を引いても、384万8000円だから、プリウスPHEVのZにおいても、PHEVのほうが63万9100円安いので圧倒的にお得ということになる。
以上は2025年度の計算だから、2026年度(2026年4月以降)には交付額が変わる可能性も高い。それでも国と併せて自治体からも補助金を受けられる基本的なシステムは変わらないだろう。
補助金の原資は税金だから、国や自治体による多額の交付は不公平を招く。補助金額には十分に注意すべきだが、PHEVを用意する車種を買う時は、国や登録する自治体の補助金交付額を確認したい。
PHEVはEVとは違う魅力
PHEVの魅力として、EVとは異なり、マンションに住むなど自宅に充電設備がなくても所有できることも挙げられる。市役所、ショッピングモール、クルマの販売店などに設置された充電設備で充電を行い、電気を使い切ったらエンジンを駆動してハイブリッドとして走行できる。EVで生じる、いわゆる電欠の心配がない。
PHEVを選ぶ時に注意したいのは、急速充電器の対応だ。プリウスPHEVは、急速充電器に対応しておらず、PHEV Gの価格はハイブリッドGよりも60万円高い。RAV4 PHEVは、急速充電器に対応しており、PHEV Zの価格はハイブリッドZよりも110万円高い。補助金額は85万円だから、プリウスPHEVと同じだ。
つまりRAV4のPHEVは、急速充電器を使える代わりに、ハイブリッドとの価格差がプリウスを50万円上まわる。補助金額は同じだから、この50万円という急速充電器の対価は、そのまま出費を増やしてしまう。
ちなみに今のところ、同じ車種のPHEVで、急速充電対応と非対応を選択できるタイプはない。プリウスPHEVにも急速充電器が欲しい、あるいは普通充電で十分なのにRAV4のPHEVは急速充電のみで価格が高いなど、ユーザーニーズと食い違う場合もある。このあたりもPHEVが普及しにくい原因だ。
なおPHEVは、ハイブリッドに充電機能を加えただけの仕様ではない。充電機能の追加で駆動用電池の容量も拡大され、バッテリー出力も向上して、ハイブリッドよりも動力性能を高めている車種が多い。
例えばプリウスハイブリッドのシステム最高出力(エンジンとモーターの相乗効果による最高出力)は196馬力(2WD)だが、PHEVは223馬力に増える。
RAV4ハイブリッドのシステム最高出力は240馬力だが、PHEVは329馬力に達する。このようにPHEVは、最高出力がハイブリッドよりも高く、動力性能を向上できる付加価値も魅力だ。
これらの特徴を踏まえると、プリウスPHEVが補助金の交付によってプリウスハイブリッドよりも安く買えたりするのは大きなメリットになる。自治体の補助金交付状況によっては、さらに買い得になるので、欲しい車種にPHEVの設定があるなら検討するといいだろう。
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