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激レアモデル7600万円は妥当!? ベクター「W8」ってどんなスーパーカー?

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激レアモデル7600万円は妥当!? ベクター「W8」ってどんなスーパーカー?

■米国カリフォルニアから生まれたスーパーカーメーカー「ベクター」とは

 魅力的な、そして高性能で高価なスーパーカーを作って、いずれは世界中のカスタマーに一目置かれる、フェラーリやランボルギーニのような成功を収めよう。そう考える野心家は、これまでの歴史のなかで数多く存在する。

【画像】めったに現れない激レアモデル!ベクター「W8」をチェック!(22枚)

 そのなかには見事に夢を実現した人物も存在するが、その大半は夢半ばでスーパーカーの世界から撤退してしまっている。スーパーカーの新興勢力として成功するのは、かくも難しいことなのである。

 1990年代に、アメリカのカリフォルニア州ウィルミントンに、ジェラルド・ウィガードによって設立されたベクターもまた、そのような夢を抱いて誕生したスーパーカー・メーカーだった。

 彼らがまず開発したのは、「W2」と呼ばれるプロトタイプである。W2が発表された1989年のパリ・サロンの会場では、そのボディデザインは、多くのゲストの視線を集中させ、その評価もまたおおむね良好だった。

 その評価で確信を得たベクターは、ショーが終了するとすぐに、W2をプロダクションモデルとするための改良作業へと取りかかる。

 W2でのコンセプトは、「最先端の技術と最先端の材料を採用したスーパーカー」。そのため、プロダクション化に伴うコスト削減策として最先端技術/材料を見送ることはなかった。

 ボディにはCFRP、ケブラー、グラスファイバーが贅沢に使用され、当時のテストデータによれば0-60mph(約0-97km/h)は、4.2秒。最高速は242mphを(約387.2km/h)を記録することが可能であると発表されていた。

 リアミッドに横置き搭載されたエンジンは、6リッター仕様のV型8気筒だ。最高出力は625ps、最大トルクは880Nmとされ、これに3速ATが組み合わされている。

■17台しか作られなかったベクター「W8」に価値はあるのか?

 オークションに出品されたのは、新たにネーミングを「W8」に変更したプロダクション仕様で、1990年にファーストオーナーからのオーダーを受け、生産が開始されている。

 実際に完成したのは9番目、すなわち1991年式のシリアルナンバー「9」ということになる。

 最終的にベクターは、17台のW8を生産し、活動を休止することになった。1990年代半ばには、ランボルギーニ製のV型12気筒エンジンを搭載した「M12」で起死回生のヒットを狙うが、こちらもその計画通りにはいかなかった。

 とはいえクラッシック・カー・マーケットで、ベクターがその姿を現すことは非常に珍しい。今回の「アリゾナ・セール」のために、その売り手を見つけるのは、相当な苦労があったに違いない。それもまたオークショネアの営業力のひとつといったところなのだ。

 そして気になる落札価格は72万ドル(邦貨換算約7600万円)。その希少性やコンディションを考えれば、まずは妥当なところだろうか。参考までにファーストオーナーが支払った新車価格は17万8000ドルだったという。

* * *

【VAGUEの見解】
 落札されたベクターW8の走行距離は、たったの2268マイル。内外装のコンディションもよく、ボディカラーも当時の世相を反映するかのような深いパープル。コレクションするには最適な1台といえる。

 ランボルギーニやフェラーリなどのスーパーカーを所有、コレクションし始めると、行き着くのは誰も持っていないレアなモデルということになる。その点、ベクターはメーカーそのものがレアであり、W8はたったの17台しか生産されていない究極のレアモデルだ。

 近い存在としては、チゼータ「V16T」があるかもしれない。台数の少なさは、クラシック業界では価値を高めることにほかならない。メーカーが倒産してしまったという負のイメージも、時間とともに風化しむしろ神格化される要素になるケースもある。ビッザリーニなどがそうであろう。

 また、なにかの拍子にブランドが復活する場合もある(ベクターは限りなくその確率は低いが)。その際に、ブガッティ「EB110」のように、再び脚光を浴び、その価値を高めるケースもある。

 1970年代のイタリアン・カロッツェリアが作ったコンセプトカーのようなスタリングも含めて、ベクターはスーパーカーマニアにとって、興味のつきない1台であることは間違いない。最終落札価格が、新車価格よりも高額であることが何よりの証拠だ。

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みんなのコメント

1件
  • スーパーカー図鑑なら必ず出てくるような伝説のレア車がその値段だとむしろ安い気がする。あとミッションが3ATじゃなかったっけ?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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