2024/2025年ABB FIAフォーミュラE世界選手権の第8&9戦『東京E-Prix』が5月17~18日に江東区有明エリアの特設サーキットで開催される。ここでは東京E-Prixの2度目の開催を記念し、フォーミュラEの現行マシン『GEN3 Evo』が他のカテゴリーとの比較してどれほど速いクルマなのか、もし鈴鹿サーキットを走ったらどれほどのタイムが出るのかを考える特別妄想企画をお届けする。
なお、本企画はGEN3 Evoマシンがどれほど速いクルマなのかをわかりやすく紐解くことを目的とした“机上の空論”をまとめたものであり、シャシーや電動パワートレイン等の個々の性能を比較検証するものではないことをご了承いただきたい。
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フォーミュラEでは今季2024/2025年シーズンより改良型マシンGEN3 Evoを導入した。改良前の『GEN3』ではフロントに搭載されていたモータージェネレーターユニット(MGU)でエネルギー回生のみを行なっていたが、GEN3 EvoからはこのMGUを駆動にも活用。予選デュエルステージや決勝スタート時、そしてアタックモード時に限って四輪駆動での走行が可能となり、最高出力350kW(約469hp)、最高速は200mph(約321km/h)に達する。また、特に加速性能が飛躍的な向上を遂げ、時速0~100キロの加速にかかる時間は1.86秒と、現行のF1マシンよりも30パーセント速くなっている。
では、そんなGEN3 Evoは他のレースカテゴリーのマシンと比較してどれほどのタイムを残すのだろうか。幸い2024/2025年シーズンの第6&7戦モナコE-Prixの舞台モンテカルロ市街地コース(3.337km)は、F1世界選手権のモナコGPと同じコースレイアウトでの開催となっているため安易に比較が可能だ。F1はまだ今年のモナコGP開催前のため、2024年の予選ポールタイムを見てみると、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が記録した1分10秒270となる。
一方、先日行われたフォーミュラE第6戦予選での最速タイムは1分26秒315となる(第7戦は雨)。このタイムは、デュエルステージ準決勝でテイラー・バーナード(ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム)が記録したもので、350kW(約469hp)の四輪駆動時に記録したものだ。フォーミュラEの予選では、グループステージまでが300kW(約402hp)のリア駆動、デュエルステージからは350kW(約469hp)の四輪駆動となる。両者を比較し、ルクレールのタイムを100とした場合、バーナードのタイムは123パーセントとなる。
さらに他のカテゴリーと比較するため、この対F1比の数値を元に、GEN3 Evoが鈴鹿サーキットを走行した際にタイムを算出してみよう。2025年F1第3戦日本GPの予選でマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が記録したポールポジションタイムは1分26秒983(コースレコード更新)。このフェルスタッペンのタイムを基準(100)とすると、123パーセントのフォーミュラE GEN3 Evoは1分46~47秒あたりと算出された。当然ながら低~中速のモンテカルロ市街地と中~高速の鈴鹿ではコース特性が大きく異なるため、実際にはこのタイムにも届かないのではないかとも推察できる。
とはいえ、鈴鹿を1分46~47秒で走ることができれば、スーパーGTのGT500クラスの予選タイムに近く、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFライツ)やスーパーGTのGT300クラスマシンよりも速いことになる。世界最高峰のF1の20秒落ち、国内最速の全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)の10秒落ちではあるものの、電気自動車が日本最速のハコ車レースであるGT500に近いタイムを残す時代が訪れていると考えれば、EV技術の進化には驚かされる。
以前は1レース走り切るバッテリー容量がなく、ピットでドライバーがクルマを乗り換えるシーンが見られたフォーミュラEも、2024/2025年シーズンで11シーズン目を迎えた。さらに、2026/2027年シーズン13でデビューする次世代Gen4マシンは最大出力は600kW(約816hp)に達する予定であり、電気自動車がGT500のタイムを超える日はそう遠くない日に訪れる。電気自動車レースの最高峰で日々培われる技術の進化、そして日本メーカーとして参戦するニッサン、ヤマハの活躍を実際に目のできる絶好の機会となるだけに、今回の東京E-Prixも見逃せない一戦となるに違いない。
■鈴鹿サーキット予選最速タイム
・1分26秒983(F1:レッドブルRB21・ホンダRBPT/マックス・フェルスタッペン/2025年第3戦Q3)
・1分36秒060(SF:ダラーラSF23・ホンダ/野尻智紀/2025年第2戦Q2)
・1分43秒143(GT500:ENEOS X PRIME GR Supra/福住仁嶺/2024年第5戦Q2※12月開催)
・1分45秒434(GT500:Deloitte TOM’S GR Supra/笹原右京/2024年第3戦Q2※6月開催)
・1分50秒628(SFライツ:ダラーラ320・トムス/佐野雄城/2025年第2戦)
・1分55秒092(GT300:リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/2024年第5戦Q2※12月開催)
・1分57秒894(GT300:D’station Vantage GT3/藤井誠暢/2024年第3戦Q1※6月開催)
★5月14日時点で2025年度のレース開催がまだのカテゴリーは2024年度大会のタイムを記載
■編集部算出による参考タイム
・1分41秒~42秒前半(FIA F2:ダラーラF2 2024/※鈴鹿1ラップ妄想企画における想定タイム)
・1分46秒~47秒(フォーミュラE:GEN3 Evo/※本企画における算出タイム)
[オートスポーツweb 2025年05月14日]
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みんなのコメント
DRY/WET両方OKな市販車用に近いタイヤに、ほぼダウンフォースの無いウイングなので、そこを普通に造ればSFと同等くらいになるはず。
ただ、それをやるとブレーキング距離が縮まって今の様な激戦が無くなる。
電動化による一番の差はタイムでは無く走行距離だと思う。