F1タイヤサプライヤーのピレリは、バーレーンGPの復活、シーズン終盤のカタールGPとアブダビGPの開催が実現しない可能性があるとして、その理由を明確に説明した。ピレリ・モータースポーツ部門責任者のダリオ・マラフスキは、同社の物流のための必要条件により、開催準備にはある程度の時間が必要であると語っている。
F1で使用される他の機材とは異なり、タイヤは航空輸送することができない。高高度で受ける温度変化や気圧の変化によってタイヤの特性が変化し、性能が損なわれる恐れがあるためだ。したがって、ピレリはフライアウェイ戦で使用するすべてのタイヤを船便で輸送している。
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一方、各チームもホスピタリティ施設一式、調理設備を備えたキッチン、ラウンジやオフィス用の家具、ガレージ設備など、レースに直接関係しない多くの機材を船便で輸送している。ただし、こちらは大量の資材を航空便で運ぶとコストが膨大になることが、その理由である。
■タイヤ輸送には最低15週間必要
イタリアのウェブサイトの取材に応じたマラフスキは、「この種の輸送を手配するには最低15週間前の通知が必要だ。つまり、約4カ月前に通知を受けなければならない」と説明した。
「最悪のケースでは15~16週間、最も条件が良い場合でも6週間は必要だ」
F1は、中東情勢の影響で4月の日程をキャンセルされたバーレーンGPを、アゼルバイジャンGPとシンガポールGPの間、10月最初の週末に開催することを検討してきたが、すでにその時期まで3カ月を切っている。
現時点で問題になっているのは、中東情勢の変化だ。アメリカ中央軍とイランの攻撃の応酬が激しくなっており、最近もバーレーンにあるアメリカ軍基地がイランにより攻撃を受けた。
ピレリとチームにとっては海上輸送を確実に行えることを100%確信できなければならないが、現時点ではそれを保証できる状況ではない。
マラフスキは、「我々が対処しなければならない物流上の課題はふたつある。ひとつはホルムズ海峡、もうひとつはイエメン沖のフーシ派支配海域であり、ここが貨物船の航行に大きな支障をもたらしている」と指摘した。
「我々はいくつかのシナリオを検討してきた。現状のまま中東へ向かうのであれば、アフリカ大陸を回るルートを取らなければならない」。このルートでは輸送に約15週間を要するため、10月初旬のバーレーンGP開催は、すでに不可能な状況にある。
また、「スエズ運河を利用し、その後ジェッダからサウジアラビアを横断するという代替ルートもある。ただし、そのルートが実際に利用可能で、なおかつ効率的であることが前提となる」ともマラフスキは述べている。
■バーレーンの10月開催は絶望的。カタールとアブダビは8月前半に判断か
アメリカとイランの対立が最近再び激化し、いったん合意された停戦も双方によって破られ、連日の攻撃が続いていることから、バーレーンGPがカレンダーに復帰する可能性は事実上不可能な状況となった。
一方、11月29日に予定されているカタールGPと、12月6日の最終戦アブダビGPについては、戦闘が継続していた場合、ピレリがタイヤを船便で送り出す期限は8月10日前後となる。紛争地域を避けるためにアフリカを回るルートで輸送せざるを得ず、残された時間は極めて限られるわけだ。
ステファノ・ドメニカリ率いるF1首脳陣が、2026年F1世界選手権をいつ、そしてどこで締めくくるのかについての最終判断を下さなければならない時期が近付いている。
[オートスポーツweb 2026年07月16日]
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