完全に不必要となるのはレベル5になってからだ
クルマの自動運転に関して、ホンダがレジェンドに搭載したホンダセンシングエリートによって、限定的とはいえ30km/h以下の速度での渋滞中は、クルマが周囲の状況に応じて自動走行するというレベル3を実現した。試乗をしたが、その完成度はかなり高いと感じた。次は、レベル3の適用範囲を広げながら、レベル4へ開発は目指していくことになるだろう。
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レベル4以降は、本当の意味での完全自動運転の領域に入り、クルマの安全走行はクルマの責任となっていく。ただし、完全自動運転の完成形となるレベル5に達するまで、レベル4では自動運転が可能となる範囲にまだ制約がある。たとえば、専用車線内であるとか、特定地域内であるなどだ。したがってその条件を離れて走行する場面があれば、安全の確保は再び運転者の責任とならざるを得ない。
では、レベル3とレベル4で、何に違いがあるかといえば、レベル3では交通状況や天候など外的要因によって自動操作が難しい場合に、運転者へ責任が戻される。レベル4では、そうした外的要因があったとしても、指定された車線内や規定された地域内での走行においては、クルマが責任を負う。ただし、それでも走行に支障をきたす事態が生じた場合には、クルマの責任において走行を止め、安全に停車するなどまでを自動で行う。
レベル3でも、運転者が意識不明になるなど、監視カメラによって運転者へ責任を戻せない状況では、クルマを減速させ、最終的には停車させることも行う。そこは同じようにも見えるが、レベル4あるいはレベル5へ向けた安全確保の準備段階といえるのではないか。レベル3で緊急時への対応で安全を確保できることが実証されていけば、レベル4やレベル5への期待は高まる。
ところで、レベル4となれば、運転免許は不要になるかということだが、まだ明確な規定は定められていない。また、走行範囲が限定的となるレベル4では、一般消費者というより、催し物のような特別な場での運用であったり、地域に応じた高齢者などの移動の手助けであったり、事業として行う業者が利用の中心になっていくのではないか。その場合は、事業として推進するうえでの管理・監督などの責任は残るのではないか。そして、定められた領域以外での利用はしない、あるいは運用できる場所までは業者の運転者が責任をもって移動させるなどの措置が採られることになるのではないか。
自動運転という言葉がまさしくそのまま現実となり、運転者が不要になり、乗車に際し乗員全員が運転免許証を必要としない完全自動運転は、レベル5を待つことになるだろう。それはまだ先のことかもしれない。だが、それを実現すれば、クルマが健常者のためだけでなく、障がい者や運転免許証を返納した高齢者など含め、本当の意味で万人のものとなっていくのである。
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