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【ドイツで感動、では日本の速度域では?】ブッフローエの最終モデル!アルピナB3GT&B4GT

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【ドイツで感動、では日本の速度域では?】ブッフローエの最終モデル!アルピナB3GT&B4GT

公道生まれを公道で試したい

昨年6月、ドイツで試乗したBMWアルピナのB3GTとB4GT。ブッフローエの最終モデルともいえる2台が先ごろ日本上陸を果たし、試乗することができた。

【画像】ブッフローエ最終モデルとなるアルピナを堪能!B3GTとB4GT 全92枚

すでにドイツで試乗済みなので、あらためて乗る必要はない……、かといえばそんなこともない。ドイツでは条件がずいぶんと特殊だったのである。

例えば、試乗はザクセンリンクというサーキットだったし、ペースカーが先導するスタイルといってもスピードを抑えるのではなくむしろ引っ張るという容赦ないスタイル。しかも筆者の試乗の直前、左側のタイヤが減り過ぎていたため、なんと左の前後輪だけ新品に(!)してくれたのである。

それでもB3とB4のマイナーチェンジ版というべき 『GT』のパフォーマンスが新たな次元に突入していることはよくわかった。スロットルのひと踏みでメーターの針が勢いよく200km/hを飛び越し、その最中でもドライバーが落ち着いてエアコンの調整できるほどのスタビリティを持ち合わせている。

しかもエンジニアは「ニュルブルクリンクは確認で走るだけ。開発は公道中心」なんてサラリと言ってくる。だから試乗のあとホテルまでアルピナのスタッフがD5ツーリングで送ってくれたのだが、その時のアウトバーン超高速体験の方が感動が大きかったのだ。やはりアルピナは『快適な長距離移動を楽しむクルマ』として作り込まれている。日本でもう一回乗らなくては! と感じたのである。

極上乗り心地モードに現れたGTの真価

今回の試乗の目的地はいつものワインディング。借り出したニコル・オートモビルズ本社からの往復も含めて、B3GTとB4GTを試乗する。ホイールやストライプ等にピンクゴールド風のオロテクニコと呼ばれるカラーが用いられた2台をあらためて観察すると、いくつか新たな発見があった。

まず、GTの専用装備であるフロント左右のカナードの形状がそれぞれ異なること。B4GT用は端が翼端坂のように立ち上がっているのだ。

リア下回りを覗くと、B4GTにはリアドア下からデフの頂点を結ぶような複雑なブレースが入っていた。これはベースのBMW M440iと同じものだが、アンドレアス・ボーフェンジーペンが言っていた「BEV用がベースなのでB4の方がフロアが強い」という証言を補完するものといえる。

往路ではB4GTをドライブしたのだが、走りはじめてすぐ進化の一端が伝わってきた。走り出しや首都高速の合流の姿勢変化が穏やかで、路面の継ぎ目におけるアシ捌きの良さもこれまでのモデルを凌いでいる。GT化で若干変更されたボディ剛性にダンパーのチューニングが完璧に合わせ込まれているのだ。

B4の時代からドライブモードの項目自体は変わっていないが、高速道路中心の今回の移動で感心させられたのは『コンフォートプラス』だった。これはアルピナが独自に設定しているモードで、コンフォートより当たりの柔らかさが明確に増している。GT化のためにダンパーチューニングを徹底的に再構築した結果として、極上乗り心地モードが際立って感じられるようになったのだろう。

空気圧にも秘密が? カバレッジの理由

ちなみに、B4GTが履くピレリ・タイヤの指定空気圧は3.4bar(340kpa)。このレベルの超高圧になると、例えばエアサス装備のフルサイズモデルでも乗り心地が悪化する。にもかかわらず、金属スプリングでしなやかな乗り心地を実現しているという点がアルピナのアドバンテージなのだ。

彼らが標榜する300km/hオーバーの巡航最高速に備え、高めの空気圧でタイヤの余計な動きを極限まで抑え込む。となると低速域でボディにバシバシと入力が入りそうなところだが、むしろたわみの少ないタイヤのおかげで電子制御ダンパーのチューニング精度が上げられる。だからアルピナのカバレッジは驚くほど広く、それを『マジック』と呼ぶ人がいるのだ。

GT化による基本的な伸びしろはフロントボンネット内に専用の補強が追加されたB3GTに乗り換えてもほぼ同じだった。そして両車のキャラクターの違いも、昨年ドイツで感じた通りだ(【高出力を悟らせない】 BMWアルピナB3 GT/ツーリング ブッフローエ・アルピナ、その最高到達点/【時間をかけて開発する意味】 BMWアルピナB4 GT リムジンとグランクーペ、個性の違いはどこにある?:リンク下記参照)。

B3GTの方がステアリングに対するレスポンスが速く、総じて曲がりたがり。対するB4GTは2サイズ太いリアタイヤの設定からも伺える通り、直進していてもスタビリティの高さが感じられ、1サイズ大きな車体に感じられるのだ。

ドイツの超高速域だけでなく普段の場所で2台を試乗できたことはやはり貴重な機会だった。特に日本の一般的な速度域まできちんと作り込まれていることが確認できたことは今回の最大の収穫だった。ブッフローエ最終のアルピナは史上最高レベルと断言できる仕上がりだったのである。

BMWアルピナB3GT&B4GTのスペック

BMWアルピナB3GT
全長×全幅×全高:4725×1825×1440mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:1860kg
エンジン:直列6気筒DOHC
総排気量:2992cc
最高出力:389kW(529ps)/6250-6500rpm
最大トルク:730Nm(74.4kg-m)/2500-4500rpm
圧縮比:9.3
トランスミッション:8速AT
巡行最高速度:308km/h
車両価格:1650万円
取材車車両価格:1880万6000円

BMWアルピナB4GT
全長×全幅×全高:4800×1850×1440mm
ホイールベース:2855mm
車両重量:1930kg
エンジン:直列6気筒DOHC
総排気量:2992cc
最高出力:389kW(529ps)/6250-6500rpm
最大トルク:730Nm(74.4kg-m)/2500-4500rpm
圧縮比:9.3
トランスミッション:8速AT
巡行最高速度:305km/h
車両価格:1710万円
取材車車両価格:1984万9000円

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