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なぜ残る? 昔はよく見た「レース生地カバー」 需要減でも存続する理由とは

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なぜ残る? 昔はよく見た「レース生地カバー」 需要減でも存続する理由とは

■見かけないけど、純正オプションに根強く設定される理由とは

 昭和の頃には、よく見かけたクルマのアイテムとして、シート上部に付ける「レース生地カバー」があります。当時、走っていたセダンタイプのクルマのほとんどに、装着されていたといっても過言ではありません。

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 いつの頃からか「レース生地カバー」を見かける機会が減りました。しかし、現在市販されているセダンタイプのモデルには、まだしっかりと純正オプションの設定があります。なぜいまだに多くのクルマに設定されているのでしょうか。

「レース生地カバー」は、汚れ防止やお洒落を目的としたドレスアップのパーツとして販売されています。一般的に流通しているのは、ハーフシートカバーと呼ばれヘッドレストから背中の半分までをカバーするものです。

 現在も純正オプションとして設定しているのは、トヨタ「クラウン」、日産「スカイライン」、ホンダ「インサイト」などといった各社のセダンモデルには、ほとんど存在しています。

 いまだに「レース生地カバー」が設定される理由について、トヨタ販売店のスタッフは次のように説明します。

「レース生地のシートカバーは、一昔前までセダンモデルの定番ともいえる商品でした。しかし、最近では見た目のデザイン性で“年よりっぽい”と避ける方や、防水・防汚加工などシート自体の性能が向上したため、装着率は減少しています。

 しかし、現在でもセダンの多くにオプションとしてご用意しています。ご年配の方には、いまだに一定数好評なほか、社用車などで購入される場合などにも選ばれているようです」

※ ※ ※

 また、最近ではセダンの新型車が多く登場しており、一部ユーザーからは「セダンブーム?」ともいわれています。

 勢いが徐々に出始めたセダンモデルにおいて、マツダのフラッグシップセダン「アテンザ」には、「レース生地カバー」のオプション設定はありません。なぜ、一定数の要望がある「レース生地カバー」がないのでしょうか。

「マツダのオプション品は、その車両開発デザイナーなども加わり、クルマのコンセプトや世界観に合っているかという点で商品化を決めている部分があります。

 また、過去の販売実績や開発に力を入れているシート性能の向上、マツダの提案する「理想的なドライビングポジションの考え」などを総合的に考えて「レース生地カバー」は設定していません」(マツダ関係者)

■タクシー業界では「レース生地カバー」の装着率は高い

 世間的には、需要が減少している「レース生地カバー」ですが、普及率が高い業界もあります。それは、タクシー業界です。

 タクシー車両の代名詞といえるトヨタ「コンフォート」は、昔から走っていることもあり名残も含めて「レース生地カバー」の装着率が高いのは予想できます。

 しかし、2017年に次世代タクシーとして登場したトヨタ「JPN TAXI」にも、「レース生地カバー」は装着されているのです。

 現代のトレンドやシート自体の性能を考えれば、減少してもおかしくないですが、なぜタクシー業界では普及率は高いままなのでしょうか。

「いろいろな理由がありますが、まずはタクシーに対するイメージの問題があります。昔から『レース生地カバー』が装着されている物を、急に廃止すると『なぜ、無くなった?』というような意見が出てきます。良くも悪くも、今まであったものを変えるのには慎重に判断しなければなりません。

 また、『白』というものには清潔感のイメージがあります。さまざまお客様が利用されるタクシーは汚れ防止の機能面もふまえて、清潔でなくてはならないため、白のレース生地カバーを使用しています」(大手タクシー会社)

※ ※ ※

 世の中に出回っている商品には、需要が減っても完全に売れなくなることはありません。なかには、「レース生地カバー」のように、一部ユーザーや業界から熱望されているものも存在します。

 また、「流行り」とはある程度のサイクルを持っており、今回の「レース生地カバー」を“ダサかっこいい”“オヤジ臭いアイテム”といった形で、あえて装着する若いユーザーも出てきているようです。

 流行り廃れは、数十年経つと再び人気が再燃することがあります。もしかすると「レース生地カバー」の再ブームが来るかもしれません。 【了】

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