9月26日、WEC世界耐久選手権第7戦『富士6時間耐久レース』が開幕し、レーストラックでの走行がスタートした。ここでは各90分間のフリープラクティスが2度行われた富士スピードウェイから走行初日の各種トピックをお届けする。
■「正しい方向」に進んでいる
トヨタ7号車の予選担当が変更に。直線勝負の富士で速度差に苦戦「4台分離れていても普通に抜かれます」
金曜フリー走行でミケル・イェンセン(プジョー・トタル・エナジーズ/93号車プジョー9X8)が記録した1分29秒495という最速タイムは、昨年の初日のトラックアクションをわずかに上回った。2024年の初日ベストタイムはドリス・ファントール(BMW MチームWRT/15号車BMW MハイブリッドV8)がマークした1分29秒577だった。
一方、LMGT3クラスでベン・バーニコート(アコーディスASPチーム/78号車レクサスRC F GT3)がマークしたベストタイム1分41秒257は、佐藤万璃音(ユナイテッド・オートスポーツ/95号車マクラーレン720S GT3エボ)が昨年記録した1分40秒528からいくぶん遅くなっている。
FP2でクラス2番手となったユナイテッド・オートスポーツ59号車のセバスチャン・バウドは、同セッションでの『危険な運転』によりスチュワードから訓戒処分を受けた。スチュワードの報告書には、「59号車のドライバーがピットストレートで36号車のすぐ前を蛇行し、後続車が衝突を避けるために避けざるを得ない状況を生じさせた」と記載されている。
BMWドライバーのファントールは、今月初めにサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)でのレース後テストで初めてテストした、MハイブリッドV8の更新されたエアロキットの第一印象について記者会見で語った。
「どれだけ改善されているのかを知るのは常に難しい。来年の最初のレースで分かるだろうが、少なくともフィーリング的には前進と言える」とドリス。「常にポジティブな面とネガティブな面があるが、ほとんどはポジティブであり、我々にとって正しい方向への一歩だ。(現在のクルマよりも)成功を収めることができると思うよ」
■チームオーダー発令の可能性は?
フェラーリのパフォーマンスおよびレギュレーション担当マネージャーであるマウロ・バルビエリは、イタリアのメーカーがバーレーンでのシーズン最終戦を前に、今週末の富士でドライバーズタイトルまたはマニュファクチャラーズタイトルのいずれかを確定させる可能性は考えていないと語った。
彼は記者団に対し、「オースティンで言っていたように、チェッカーフラッグを受けるためにトラブルを避け、クラッシュせず、クルマのパフォーマンスを最適化することがもっとも重要だ。現時点では、特別なことや具体的なことは何もない」と語った。
バルビエリはまた、AFコルセの83号車フェラーリ499Pがマニュファクチャラーズランキングに含まれないことを考慮すると、富士での結果に影響を与えるようなチームオーダーが出る可能性は低いと付け加えた。
「最終的には特定の瞬間にそれを検討するだろうが、カスタマーカーはランキングに影響しない。だから、マニュファクチャラー選手権側でとくに動きはないだろう。ドライバー選手権はまだかなりオープンだ。この争いを終わらせることを考えるのは時期尚早だと思う」
50号車のクルーを51号車のトリオのドライバーズタイトル獲得を助けるためにサポートへ回らせる可能性について尋ねられた際、バルビエリは次のように答えた。「彼らも計算上はまだタイトル争いから除外されていないため、現段階で一方のクルマを他方のクルマのために犠牲にするのは公平ではないだろう。我々はチームなので、ドライバーたちはお互いを助けたいと考えているが、そのような種類の選択は適切なタイミングで行われるべきであり、このレースでそのような決定を下すのはまだ早すぎる」
■久々のスリックタイヤ
プジョー・スポールのテクニカルディレクターであるオリビエ・ジャンソニは、2026年シーズンに向けて新たに契約したニック・キャシディが初めてプジョー9X8をドライブしたCOTAでのテストを「非常に素晴らしいものになった」と評した。
ジャンソニは記者団に対し、「私たちにとって非常に大きなテストプランだった」と述べた。「ドライバーとしてテオ(・プルシェール)とニック(・キャシディ)がおり、技術的にクルマで試すことがたくさんあった。どちらのクルマにも信頼性の問題はなく、完全なテストプランを達成できたと考えている」
ジャンソニは、最近はフォーミュラEに集中するなか2023年にセブリングでチップ・ガナッシ・レーシングからインディカーのテストに参加して以来、初めてスリックタイヤで走行したとみられるキャシディのパフォーマンスを称賛した。「彼はそれを非常に真剣に受け止め、ミスをしないように努め、一日を通して改善していった」と語った同氏は、キャシディがバーレーンでのルーキーテストで9X8をドライブする別の機会を得る可能性が高いと付け加えた。
今週末でチームを離れるストフェル・バンドーンの代わりに、バーレーンでのシーズン最終戦でキャシディをレースドライバーに選ばなかった理由を尋ねられた際、ジャンソニは次のように答えた。「我々はテオをこの1年間準備してきた。基本的には彼の方が今すぐの準備ができているはずだ。しかし、ニックもすぐに準備が整うだろう」
■ドライビングコーチとして
ニック・タンディは今週末、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのリザーブドライバーを務めている。このイギリス人ドライバーにとって、コルベット・レーシングで戦った2022年シーズン以来、ル・マン24時間レース以外でWECパドックに姿を現す初めての機会となる。
今週末、多くのパドック関係者がWECレースの現場での参戦100回目を祝っている。この特別なグループには、プロトン・コンペティションのチームオーナーであるクリスチャン・リードをはじめ、AFコルセのチーム創設者アマート・フェラーリ、AFのチームマネージャーであるバッティ・プレグリアスコ、そして著名な英オートスポーツ誌のジャーナリストであるギャリー・ワトキンスが含まれる。ワトキンスはメディア関係者の中で唯一、皆勤記録を持つ人物だとされている。
フェラーリのエンデュランス部門グローバルヘッドであるアントネッロ・コレッタと、トヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパのテクニカルディレクターであるデイビッド・フルーリーは、2012年にセブリングで現行シリーズが始まって以来、たった1レースしか欠席していない。。
レッドブルF1チームのリザーブドライバーである岩佐歩夢の姿が今週末、富士のパドックにある。岩佐はフォーミュラ・リージョナル・ジャパン・チャンピオンシップのドライバーである大宮賢人のドライビングコーチを務めている。岩佐と大宮は共通のスポンサーであるPONOSを通じてつながりがある。
27日土曜のトラックアクションは9時50分から行われるFP3に始まり、午後は14時20分から予選およびハイパーポールが実施される予定だ。なお、FP3の直前にはおなじみのサーキットサファリも開催される。
[オートスポーツweb 2025年09月27日]
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