■ベース車より100km多く走れるのは非常に有利!
2017年にラインナップに加わったCRF250ラリーは、ダカールラリーにも参戦するCRF450Rラリーのイメージを踏襲した外観と、250ccクラスの枠を超えた存在感。さらにはオフロード性能を有したアドベンチャーツーリングモデルとして人気を博しています。新型の開発責任者である杉山栄治さん(本田技術工業株式会社 二輪事業本部ものづくりセンター)に、進化ポイントを教えていただきましょう。
ホンダ「CRF250M」 その機動力の高さとファンライドはストリートで本領発揮!?
「新型開発の方向性は、ツーリング性能の向上です。航続距離を伸ばし、居住性を向上。純正積載用品の設定により、ツーリングでの扱いやすさに磨きをかけました。
燃料給油のタイミングの心配から解放されて、余裕のあるツーリングがしたいという要望から、ベースモデルに対し航続距離を向上させました。フューエルタンクの容量を2.7リッター増やし、燃費も向上。WMTCモード値で計算すると、タンク満タンでベースモデル(CRF250L)に対し、航続距離が約100kmほど向上することになります。
外観では、ただ単純に容量アップをおこなうとスポーティさを損なってしまうので、ラリーのイメージを崩さないようタンクだけでなくシートやカウル形状もバランスをとっています」(杉山さん)
■快適性アップで余裕あるツーリングに!
また、ライダーが触れる部分の仕様変更により、ツーリングでの快適性を向上していると教えてくれます。
「ハンドルはダイナミックマウントタイプのウェイトを採用し、ステップはラバーを追加。振動を軽減しています。ラリー専用設計のシートはラバーマウントを採用することで振動を減らし、居住性に配慮。CR250Lと同等の股下幅で足つき性を確保しながら、着座面の幅を20mm、クッションの暑さを5mm拡大しています」(杉山さん)
整理しておくと、ベース車はCRF250RALLYの場合ではCRF250L、CRF250RALLY<s>ではCRF250L<s>となります。なお、<s>モデルにおいては前後サスペンションの伸長により最低地上高を確保し、オフロード走破性をより向上。気になるシート高と最低地上高は下記の通りです。
■シート高CRF250L:830mmCRF250L<s>:880mmCRF250RALLY:830mmCRF250RALLY<s>:885mm
■最低地上高CRF250L:245mmCRF250L<s>:285mmCRF250RALLY:220mmCRF250RALLY<s>:275mm※
※RALLY<s>は樹脂製スキッドプレートを装備。
後輪は任意でキャンセル可能なABSを標準装備していることや、文字サイズを17mmから23mmに拡大し、ギヤポジションインジケーターや燃費計を新採用した新型メーター、クラッチ操作荷重を従来比約20%低減するアシストスリッパークラッチの搭載などはシリーズ共通。吸排気系を見直したエンジンや、5速までをローレシオ化し、6速をハイレシオなオーバードライブとしたミッション周りも相違点はありません。
■ダカールレーサースタイルをさらに追求!!
さらにスタイリングデザインについて杉山さんは次のように話してくれました。
「ラリーのスタイリングコンセプトは、FOLLOW UP “CRF DAKAR” IMAGEとして、熱く冒険心をくすぐるダカールレーサーのイメージを踏襲しながら、ボリュームアップした力強いタンク周りとCRFの持つシャープさを融合させた“ダイナミックダカールレーサースタイル”としています」(杉山さん)
純正オプションも新型では刷新され、リヤキャリアやトップケースなどCRF250L/<s>と共通で設定。ワン・キー・システムタイプのトップケースは、35リットルとアルミパネル付き38リットルと、容量違いを2タイプ用意。スイッチのON/OFFや5段階の温度調整が可能なスポーツ・グリップヒーターやラリーステップ、イモビアラームもラインナップされています。
また、CRF250ラリー用として、電子機器の充電が可能な汎用性の高い12Vアクセサリーソケットも。「車両との同時開発により機能をしっかり確認していますので、安心してツーリングや通勤にご活用ください」と、杉山さんは言います。
なお、CRF250ラリーの車両価格(消費税込)は74万1400円で、前後サスペンションを伸長し、オフロード走破性を追求したCRF250 RALLY〈s〉も同じ価格です。
■税込み車両価格CRF250L:59万9500円CRF250L<s>:59万9500円CRF250RALLY:74万1400円CRF250RALLY<s>:74万1400円
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