文・神尾 成
本誌でも何度か執筆してもらっている河西啓介さんが、クラウドファンディングを通じて『クラクショN vol.2 ~片岡義男と僕らの夏。』という雑誌を出版しようとしている。彼はこれまでも同じ方法で2021年に『片岡義男を旅する一冊。』を発刊し、昨年は「自動車雑誌『NAVI』とは、何だったのか」をテーマにした『クラクショN vol.1』を刊行した。今回は『クラクショN』のvol.2となり、「片岡義男が教えてくれた、オートバイ、クルマ、旅、人生ー。」といったメッセージ性の強いキャッチフレーズが付いて「片岡義男小説の魅力を伝えること」がテーマとなる。
いまさら説明するまでもないが、片岡義男氏の小説は80年代に人気を博し、バイクに乗る多くのひとのバイブルとなった。僕も高校生の頃に“片岡ワールド”にハマったことがきっかけで本格的にバイクに乗りはじめたひとりだ。映画の『スローなブギにしてくれ』にはじまり、『ボビーに首ったけ』や『ときには星の下で眠る』など、バイクが登場する物語に大きな影響を受けたので、まさに“片岡義男が教えてくれた”ことは数多くある。
先日『片岡.com』という読み放題のサイトを登録して久しぶりに片岡作品を読み直してみたら、あの頃の夏の空気と当時の“心の状態”がよみがえってきた。そして忘れかけていたが、片岡作品のバイク小説は10代が共感できるハードボイルドだったことを思い出したのだ。しかしハードボイルドといっても探偵や拳銃が出てくるわけではなく、代わりに旅があって主人公がバイクに乗って走っていくのである。その場面のリアルなバイクの動きやライダーの所作の描写がハードボイルドな雰囲気を醸し出しているのだ。
明け透けな承認欲求を是とする現代は、ハードボイルドのような価値観が求められくなってきた。それはバイクの本質的な魅力を片岡作品のように描くことが難しい時代になってしまったということでもある。河西さんがはじめた片岡作品を遺していくための一連の活動は、“片岡チルドレン”ともいえる僕たちのアイデンティティを守っていくことにも繋がっている。
神尾 成/Sei Kamio
2007年11月からaheadに参画、企画全般を担当している。2010年から7年間編集長を務め、後進に席を譲ったが、2023年1月号より編集長に復帰。朝日新聞社のプレスライダー、ライコランドの開発室主任、神戸ユニコーンのカスタムバイクの企画などに携わってきた。1964年生まれ60歳。
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