現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 曲線美の極致とも言える「コークボトル・ライン」を纏い国産高級車の概念を変えた「革命児」

ここから本文です

曲線美の極致とも言える「コークボトル・ライン」を纏い国産高級車の概念を変えた「革命児」

掲載 更新 30
曲線美の極致とも言える「コークボトル・ライン」を纏い国産高級車の概念を変えた「革命児」



若い世代のひとの中では、クルマ好きでも「セドリック(&グロリア)」と聞いてピンとくるのはかなり希少ではないでしょうか。「セドリック&グロリア」は日産の高級セダンの代名詞的な存在で、40年以上にわたって日産のラインナップの重要な部分を支えてきましたが、2004年に製造を終了した10代目でその幕を閉じてしまいました。ここでは、その10代続いた「セドリック(&グロリア)」の中から、日産の歴史に重要な足跡を残した3代目の「セドリック」(グロリアは4代目)にスポットをあててすこし掘り下げていきたいと思います。

→【画像】曲線美の極致とも言える「コークボトル・ライン」を纏い国産高級車の概念を変えた「革命児」

●文:往機人(月刊自家用車編集部)

4ドアセダン(スタンダード)

―― パーソナルな魅力が強かったハードトップに対し、「実用性」「堅牢さ」「フォーマルさ」を極めた、まさに日本を代表する「高級車」のスタンダードであった。下位グレードに装備された丸型4灯ライトは、官公庁やタクシー、パトカーで採用された。高級志向の強い四角2灯式に比べて「精悍で無骨」な印象を与えていた。

―― セダン専用の横長デザインの重厚なテールランプが、ワイド感を強調した。

グロリアと姉妹車となり、トヨタとの高級乗用車の販売競争で真っ向勝負

日産の「セドリック(3代目・230系)」が発売されたのは1971年です。「グロリア」とは姉妹車として認識されている人が多いと思いますが、シャーシやエンジンを共用するようになったのはこの3代目からです。

初代の「セドリック(30系)」は、それまでライセンス生産で販売していた「ケンブリッジ(オースチン)」に代わる国産の上級車として1960年に生まれました。それから日本の経済成長に合わせて、ボディを大型化して先進のメカニズムを採用した2代目(130系・1965年~)にモデルチェンジ。そして1966年の「プリンス自動車工業」との合併を経て、1971年に3代目へとモデルチェンジされました。

姉妹車となった「グロリア」は、「プリンス」の最上級セダンとして「セドリック」より1年早く登場しました。合併までは独自の設計で進化が行われていましたが、合併によって「セドリック」と完全統合されました。

この時代の日産とトヨタは、大衆車の「サニー」と「カローラ」、小型車の「ブルーバード」と「コロナ」、高級中型車の「セドリック」と「クラウン」と、主力3クラスで真っ向勝負が行われていました。戦略の上手さや先進装備をいち早く導入することなどによって総合的にはトヨタ陣が優勢を保っていましたが、高級車クラスではこの代の「セドリック&グロリア」が勝利を収めたことで、日産の歴史に、誇れる足跡を残した車種として記録されています。

これは、プリンスと合併したことで「グロリア」の先進性を備えられて商品力が向上したことに加えて、ライバルの「クラウン」がデザイン優先の戦略を採ったことでトラブルが多発してイメージを下げたことによるものだと分析されていました。

―― インパネ回りには、広範囲にわたって木目調パネルが貼り巡らされ、アナログ時計が中央に設置されていた。

―― 上級グレードは、高級ベロア調モケットを採用。厚みのあるクッションとボタン留めの意匠が、まさにリビングのソファのような座り心地であった。

L26型2.6L直列6気筒エンジン

―― 1971年のマイナーチェンジで追加された2.6Lエンジン。ライバルであるクラウンが2Lエンジンを採用する中、いち早く2.6Lへと排気量アップさせ、余裕のあるトルクをアピールした。写真は、L26型シングルキャブ仕様エンジン。

いち早く“ハードトップ”を採用したことも大きなトピック

若い世代の人には馴染みの無い単語だと思いますが、この代で採用された“ハードトップ”というボディのバリエーションも重要な要素になっています。“ハードトップ”=硬い上部、しっかりしたルーフという意味になります。ルーフがしっかりしているというのは遠回しな表現で、要はドアのサッシュ(窓枠)が無い構造のことです。この“ハードトップ”はサッシュやピラー(柱)が無いため、窓を開けた際に広い開口部が現れ、サッシュタイプとは比べものにならない開放感が得られるという点です。

これが、経済が成長して豊かになっていく時代にマッチして、ヒットする要因となりました。ちなみに「セドリック&グロリア」では在来の2ドアに加えて、国産車では初となる4ドアに“ハードトップ”が設定されました。キャビンが大きい4ドアの“ハードトップ”の開口部は驚くほどの広さで、これが販売促進の大きな要素となったと言って過言ではないでしょう。

4ドアハードトップ

―― 日本初のピラーレス4ドアハードトップとして1972年に追加。後のハイソカーブームの先駆けとなった。

―― 窓を全開にした時に中央を遮る柱(Bピラー)がない「ピラーレス」構造による開放感と、流麗なスタイリングが人気を呼んだ。

―― セダンよりルーフが短く、リアデッキが長く見えるプロポーション。後輪の上のフェンダーラインが力強く盛り上がっており、当時のアメリカン・マッスルカーを彷彿させた。当時、クーペの主流であった、屋根にレザー風のビニールを貼る「バイニールーフ(レザートップ)」も採用した。

一部ではつぶされる車輌の代名詞という不名誉な印象も…

現役時代は、ドライバーズカーとして日産のフラッグシップのポジションを努めた「セドリック&グロリア」ですが、とある界隈では“つぶされたり転がされたりするクルマ”としてのイメージがクローズアップされ、ちょくちょくイジられています。2代目辺りから「セドリック&グロリア」はパトカーなどの警察車輌として導入されるようになっていて、一般的にもそのイメージが定着していました。

そうなると“刑事もの”の劇中車としても多く登場する車種となります。この代の「セドリック&グロリア」がイジられる羽目になったのは、「大陽にほえろ」や「西部警察」などの刑事ドラマの流行によるものでした。それまでは捜査中心の渋い展開がメインでしたが、時代が華やかになるにつれてハリウッドのようなカーアクションが導入されるようになり、カーチェイスの際に横転したり爆発したりというシーンが増えるようになります。

その際、現行車を転がしたり爆破したりしていては、さすがに予算を圧迫してしまうので、ほどよく旧すぎず、かつ安価で入手できる型落ちの高級車がよく使われることになります。人気の刑事ドラマは1970年代半ば辺りから盛り上がりを見せていたので、ちょうど良く型落ちの「230型・セドリック&グロリア」がピッタリだったようです。

文:月刊自家用車WEB 月刊自家用車編集部
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

「一体どうして…」100万台売り上げたトヨタの名車、今はレア車に。高値が付く事態に「気軽に購入できません」
「一体どうして…」100万台売り上げたトヨタの名車、今はレア車に。高値が付く事態に「気軽に購入できません」
月刊自家用車WEB
「教養としてのニッポン自動車産業史」~『白いクラウン』が変えた日本の高級車像。トヨタの挑戦と失敗が築いた「攻め」の戦略
「教養としてのニッポン自動車産業史」~『白いクラウン』が変えた日本の高級車像。トヨタの挑戦と失敗が築いた「攻め」の戦略
月刊自家用車WEB
PF60ジェミニZZは名車揃いの「いすゞ自動車」の中核的モデル【GT memories15 ジェミニZZ/ジェミニイルムシャー ダイジェスト/1】
PF60ジェミニZZは名車揃いの「いすゞ自動車」の中核的モデル【GT memories15 ジェミニZZ/ジェミニイルムシャー ダイジェスト/1】
Webモーターマガジン
マツダ「“新型”MAZDA2」まもなく登場!? 次期型匂わせた「ビジョンXコンパクト」は別モノ? 「小さな高級車の先駆け」 妥協ナシの「主力コンパクトカー」は全面刷新でどう変わる?
マツダ「“新型”MAZDA2」まもなく登場!? 次期型匂わせた「ビジョンXコンパクト」は別モノ? 「小さな高級車の先駆け」 妥協ナシの「主力コンパクトカー」は全面刷新でどう変わる?
くるまのニュース
生まれたのが早すぎた!? 時代が追いつかなかった「天才車」列伝
生まれたのが早すぎた!? 時代が追いつかなかった「天才車」列伝
ベストカーWeb
ダイハツ「ちいさい軽セダン」に熱視線! 丸目レトロな“欧州車風”で人気の「ミラジーノ」に復活希望の声! 豪華内装&MT×ターボも選べた“唯一無二”の存在とは!
ダイハツ「ちいさい軽セダン」に熱視線! 丸目レトロな“欧州車風”で人気の「ミラジーノ」に復活希望の声! 豪華内装&MT×ターボも選べた“唯一無二”の存在とは!
くるまのニュース
「プレリュード」の復活で 令和でも人気再燃の兆し!? 80年代「デートカー」と呼ばれて憧れだった“国産2ドアクーペ”3選
「プレリュード」の復活で 令和でも人気再燃の兆し!? 80年代「デートカー」と呼ばれて憧れだった“国産2ドアクーペ”3選
VAGUE
ダイハツ「小さな高級クーペ」が“美しすぎる”と反響殺到!「フランス車みたいな趣ある!」「母にプレゼントします」の声も! めちゃレトロな“旧車デザイン”採用した「DNコンパーノ」とは!
ダイハツ「小さな高級クーペ」が“美しすぎる”と反響殺到!「フランス車みたいな趣ある!」「母にプレゼントします」の声も! めちゃレトロな“旧車デザイン”採用した「DNコンパーノ」とは!
くるまのニュース
価格が下がらない!? 経済合理性で選ぶ、国産新車5モデル
価格が下がらない!? 経済合理性で選ぶ、国産新車5モデル
グーネット
21年ぶりに復活! トヨタ「“最新”スターレット」に反響殺到! 「車名の存続に感激!」「低価格なのに装備がスゴい」の声も! 全長4m未満のちいさいボディにMTもある「コンパクトカー」南ア仕様に熱視線!
21年ぶりに復活! トヨタ「“最新”スターレット」に反響殺到! 「車名の存続に感激!」「低価格なのに装備がスゴい」の声も! 全長4m未満のちいさいボディにMTもある「コンパクトカー」南ア仕様に熱視線!
くるまのニュース
いすゞが生んだ先進SUV!? 世界で流行「クーペ風」の源流は「ヴィークロス」にあった?【Key’s note】
いすゞが生んだ先進SUV!? 世界で流行「クーペ風」の源流は「ヴィークロス」にあった?【Key’s note】
Auto Messe Web
新たな「“2人乗り”スポーツカー」に反響殺到! 「“21年ぶり名車復活”はアツい」「V8に5速MTはサイコー」「レトロデザインが渋い」の声も! “豪華内装”も素敵なエスプリベースのアンコール・デザイン「シリーズI」英国仕様が凄い!
新たな「“2人乗り”スポーツカー」に反響殺到! 「“21年ぶり名車復活”はアツい」「V8に5速MTはサイコー」「レトロデザインが渋い」の声も! “豪華内装”も素敵なエスプリベースのアンコール・デザイン「シリーズI」英国仕様が凄い!
くるまのニュース
ホンダ新型「インサイト」航続500km超のBEVとして復活。【先行ティザーサイトを公開、発売は2026年春を予定】
ホンダ新型「インサイト」航続500km超のBEVとして復活。【先行ティザーサイトを公開、発売は2026年春を予定】
月刊自家用車WEB
【BMW3シリーズ物語】1975年、BMWは最初の3シリーズを発表した それから50年、BMWの大成功モデル、3シリーズの特別な記念日を祝う
【BMW3シリーズ物語】1975年、BMWは最初の3シリーズを発表した それから50年、BMWの大成功モデル、3シリーズの特別な記念日を祝う
AutoBild Japan
“同じ年式”なのに「軽」より「ベンツ」が安い! しかも“走行距離”も同等で!?「これ社会のバグだろ…」「何が起きてるの!?」「じゃあベンツ買うわ!」と困惑も! お買い得すぎる格安“高級車“とは
“同じ年式”なのに「軽」より「ベンツ」が安い! しかも“走行距離”も同等で!?「これ社会のバグだろ…」「何が起きてるの!?」「じゃあベンツ買うわ!」と困惑も! お買い得すぎる格安“高級車“とは
くるまのニュース
意外と知られていないオーストリア生まれの名車 30選(前編) 歴史的なモデルから最新EV、国産ブランドのスポーツカーまで
意外と知られていないオーストリア生まれの名車 30選(前編) 歴史的なモデルから最新EV、国産ブランドのスポーツカーまで
AUTOCAR JAPAN
ホンダ“N-BOX軽トラ”こと「N-TRUCK/N-CAMP」に反響殺到! 2015年公開モデルに「絶対買う」「内装が想像以上にお洒落」「組み合わせが面白い」の声も! 大人2人が寝れる「広い空間」付きのコンセプトカーに熱視線!
ホンダ“N-BOX軽トラ”こと「N-TRUCK/N-CAMP」に反響殺到! 2015年公開モデルに「絶対買う」「内装が想像以上にお洒落」「組み合わせが面白い」の声も! 大人2人が寝れる「広い空間」付きのコンセプトカーに熱視線!
くるまのニュース
歴史を変えたV8、象徴的なフラットシックスなど 市販車に搭載された最高峰のエンジン 50選(前編)
歴史を変えたV8、象徴的なフラットシックスなど 市販車に搭載された最高峰のエンジン 50選(前編)
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

30件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

314 . 9万円 580 . 7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

24 . 9万円 630 . 0万円

中古車を検索
日産 グロリアの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

314 . 9万円 580 . 7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

24 . 9万円 630 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村