ドアの開閉にも影響を与える強風
気象庁は2024年12月25日、2024年の台風のまとめを発表した。台風の発生数は26個で、平年の25.1個とほぼ同水準である。日本への接近数は11個で平年の11.7個と同様だ。日本への上陸数は2個で、平年の3.0個を下回った。
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毎年日本には台風が上陸する。大型化した場合、車両に被害を及ぼすことがある。実例として2019年、最大瞬間風速が50m/sを超える強風が記録された。このとき、風により車が横転した。気象庁はこの強風を「猛烈な風」に分類している。
・平均風速:30m/s以上
・およその時速:140km
・速さの目安:特急電車
・人への影響:屋外での行動は極めて危険
・走行中の車:走行中のトラックが横転する
日本自動車連盟(JAF)はウェブサイト「JAF Mate online」で、強風時の運転について注意を呼びかけている。運転中に強風に遭遇したら、安全な速度に落とし、危険を感じた場合は無理せず安全な場所に車を停止することが推奨されている。また、乗降時のドアの開閉にも注意が必要だと指摘している。
実際、大型台風並みの強風の中でドアを開ける実験が行われた。結果、猛烈な風よりも弱い「非常に強い風」でもドアの開閉に影響が出ることが確認された。
非常に強い風は以下の条件で定義されている。
・平均風速:20~25m/s未満
・およその時速:90km
・速さの目安:高速道路の自動車
・人への影響:何かにつかまっていないと立っていられない。飛来物によって負傷するおそれがある
・走行中の車:通常の速度で運転するのが困難になる
では、強風時には具体的にドアの開閉にどのような影響が出るのか。さらに、どのような点に注意すべきかを検証する必要がある。
強風時にドアを開閉する際の注意点
前述の大型台風並みの強風の中でドアを開ける実験では、送風機を使い風速20m/s、30m/s、40m/sの風をドアに当てた。開けた際に手でドアを押さえられるかどうかを試験した。対象者は6歳男児、10歳女児、30代女性、40代男性の4人で、年齢や性別が異なる。結果は以下のとおりである。
・風速20m/s:30代女性、40代男性がドアを押さえられた
・風速30m/s:30代女性のみが押さえられた
・風速40m/s:誰も押さえられなかった
大人でも風速が上がると押さえられなくなることが明らかになった。子どもは風速20m/sでも難しかった。6歳男児はドアを押し開けるのがやっとで、10歳女児は開けることはできたが押さえられなかった。
このように強風時のドアの開閉は、大人も子どもも困難である。強風時はドア自体が風を受ける。風向きや強さによっては、ドアが勢いよく開いたり閉まったりする。その際、隣の車にぶつかる可能性がある。ドアを押さえきれず、手を挟んでケガをする恐れもある。
さらに、強風でドアが外側に持っていかれると、ヒンジやストッパーに強い力がかかる。これが破損の原因となる。ヒンジやストッパーが壊れてドアが180度開くと、ドアだけでなくボディも損傷することがある。以上の理由から、強風時のドアの開閉には細心の注意が必要である。
では、風が弱いときや無風時は、ドアの開閉に注意が不要なのだろうか。
約半数を占める「ドア開き」事故
クルマのドア開閉による事故は、強風時だけでなく日常的に発生している。
交通事故センター研究部の主任研究員・高橋昭夫氏の論文「駐停車中のドア開き事故」によると、2014(平成26)年における駐停車中の四輪車が第一当事者となった事故は合計3803件であった。そのうち、ドア開きによる事故が約49%とほぼ半数を占めている。
他の事故の割合は以下のとおりだ。
・追突:21%
・出会い頭:3%
・対歩行者:2%
・その他(車両相互事故):25%
この数字からも、ドア開き事故の多さが際立っている。
したがって、ドアの開閉時は常に周囲の安全確認が必要である。障害物の有無や歩行者、車両、自転車の接近を目視やミラーでしっかり確認すべきだ。安全を確認したうえで、慎重に開閉することが求められる。
安全なドアの開閉をするためにすべきこと
クルマのドア開閉は、強風時だけでなく普段から危険をともなう。そのため、日頃から注意を払うことが重要だ。
運転時には「だろう運転」ではなく「かもしれない運転」が求められる。ドアの開閉時にも同様の心構えが必要だろう。こうした慎重さがあれば、強風でドアが急に開くのを防げる。隣の車にぶつけたり、歩行者に接触するリスクを減らせるはずだ。
商業施設やレジャー施設の駐車場では、隣車との間隔が狭い場合がある。そのため、一気にドアを開けるのではなく、周囲を確認しながら徐々に開けることが望ましい。強風時はドアをしっかり押さえ、少しずつ開ける工夫も必要だ。小さな子どもの場合は、大人が代わって開閉することも有効である。
また、駐車場によっては駐車枠が極端に狭いケースもある。ファミリーカーなど大型車は、より慎重な対応が求められる。収容台数確保のための工夫かもしれないが、ドア開閉時の事故やトラブルを減らすには、駐車枠の拡大が望ましい。(小島聖夏(フリーライター))
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