キャンピングカーの世界には、常に「快適性」と「自由」のせめぎ合いがある。サイズを大きくすれば快適になるが、取り回しや運転のしやすさは損なわれる。逆に、コンパクトにまとめれば走行性能は上がるが、車内の居住性は犠牲になりがちだ。この相反する要素を高次元で両立させたバンコンがある。それが、キャンパーアシストが製作する「YAZU(ヤアズ)」だ。
【写真 16枚】→「本当に救急車?」ホテルのような車内のキャンピングカー。
●文:月刊自家用車編集部
救急車ベースという新発想──バンコンの常識を超える室内高
「ヤアズ」のベース車両は、日産NV350キャラバンのスーパーハイルーフ・スーパーロング・ワイドボディ仕様。もともとは救急車として使用される特別なモデルをキャンピングカーに転用している。これにより、バンコンとしては異例とも言える180cm以上の室内高を実現。腰をかがめることなく移動できる車内は、キャブコンにも劣らない快適な空間を生み出している。
この構造は、同じく救急車をベースにしたハイエース・ベースの名車「RICH」の流れを汲みながら、全長をわずかに抑えることで取り回し性能を向上させている点もポイントだ。長距離移動から街中の取り回しまで、幅広くこなす万能性を備えている。
「2人+ペット」の旅に最適化された快適装備
ヤアズの開発コンセプトは、「2人+ペットでの快適な旅」。そのため、装備の一つひとつがユーザーファーストで設計されている。まず特筆すべきは、標準搭載のリチウムイオンバッテリーシステム(3.8kWh)と、家庭用薄型エアコン「ダイキン risora」の組み合わせ。夏の暑さも冬の寒さも快適に乗り切れる設計で、エンジンを停止していても静かで涼しい環境を保てる。
さらに、2口ガスコンロ付きのシンク、50L冷蔵庫、電子オーブンレンジ(オプション)など調理設備も充実しており、長期滞在型の旅にも十分に対応できる。シンク下には収納スペースがしっかり確保され、床下ステンレスタンクを選べば、さらに室内空間を有効活用できる構成だ。
縦型常設2段ベッドがもたらす上質な眠り
従来のバンコンでは、横向きベッドが主流だったが、ヤアズではスーパーロングボディを活かし、縦型配置の2段ベッドを採用。長さは190cmを超え、大柄な方でも足を伸ばして快適に就寝できる。上段は折りたたみ可能で、下段はソファとしても使えるマルチ仕様。限られたスペースを有効活用しながら、上質な眠りを提供してくれる。
リビングは開放感と使い勝手の両立
車内のリビングスペースは、横向きL字型シートを採用し、後部スライドドアを開ければ外との一体感も抜群だ。エントランスに設けられた網戸付きのアクリル二重窓や、外からもアクセス可能な冷蔵庫など、細かい工夫が満載されている。
リビング中央には昇降式の首折れテーブルを設置。不要な時は折りたたんで通路スペースを広げられるため、車内移動のストレスも少ない。家のリビングのようにくつろぎながらも、移動できる「もう一つの部屋」としての機能性を備えている。
リアに設けられたマルチルームでトイレ問題も解決
リアゲート側には、トイレルームやクローゼット、大型収納などに使えるマルチルームを設置。ラップポン式トイレ(オプション)にも対応しており、排泄物を1回ごとに密封して処理することで、衛生面・匂い対策も万全だ。まさに「いつでもどこでも快適に過ごせる」仕様といえる。
見た目以上に頼れる電装と空調の技術力
ヤアズの電装周りは、単なる快適性だけではなく、「自立型旅」を可能にする設計がなされている。リチウム電源は3.8kWhが標準ながら、オプションで5.5kWhや7.6kWhへの増設も可能。外部電源が取れない場所でも長時間の使用が想定されている。
また、エアコンの室外機は床下に収納されており、車内のスペースを圧迫することなく空調性能を最大限に発揮。キャンパーアシスト独自の設計思想が光るポイントだ。加えて、マックスファンやアクリル窓の換気性能も優れており、四季を問わず車中泊を楽しめる。
多彩な収納が旅の自由度をさらに高める
バンコンでありがちな「収納不足」も、ヤアズには無縁だ。室内高を活かして運転席上部にオーバーヘッド収納を設置。ギャレーには上部・下部ともに大容量の収納があり、2段ベッド下にも大型収納スペースを完備。小物類はベッドサイドの目隠し収納にまとめておけるため、生活感を抑えた室内を保てる。
長旅で荷物が増えても、室内をすっきり保てる収納力は大きな武器となる。
高性能なベース車両が安全な旅を支える
ヤアズのベースであるNV350キャラバンには、日産の最新安全装備が惜しみなく搭載されている。インテリジェントアラウンドビューモニター、インテリジェントルームミラー、エマージェンシーブレーキや車線逸脱警報、踏み間違い防止アシストなど、ドライバーをサポートする機能が充実。
また、標準装備のオートスライドドアやフロントオートエアコン、インテリジェントキーなど利便性も高く、「動く家」としての完成度を引き上げている。
「ヤアズ」はバンコンという枠を超えた新たな答え
バンコンでありながら、キャブコンに迫る空間と装備を備え、しかも取り回しやすい全長を実現した「YAZU(ヤアズ)」。これは単なるキャンピングカーではなく、モビリティと快適な暮らしの融合体である。
「ふたりと一匹」の旅を、自由に、快適に、そして安全に楽しみたい──そんなユーザーにこそ、このヤアズは新しい選択肢となるだろう。キャンパーアシストが長年培ってきたノウハウと、日本製へのこだわりが凝縮されたこの一台は、まさに“走る邸宅”という表現がふさわしい。
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みんなのコメント
なお、本物の救急車をキャンピングカーにするのはおすすめできない。新車は高額ゆえ中古車になると思うが、昨今の報道しかり、救急隊は激務で車両も酷使されている。また予算不足から使用年数も増加傾向。電装品が多いのでオルタネーターやバッテリーも要交換。そして都度消毒されているとはいえ、感染症やら血しぶき舞う外傷患者、搬送中に絶命など、霊感のない私でもちょっとハード。