新幹線で移動しているかのような走行感覚
以前AUTOCAR JAPANの長期レポート車として活躍していた『ヒョンデ・コナ』を1泊2日で預かり、70kmほど走り回ってみたり、急速充電したりしてみたことがある。
【画像】共通点はジウジアーロ!筆者の1974年式アルファ・ロメオと長期レポートのヒョンデ・アイオニック5 全6枚
驚くほど普通に使えたので、「こりゃあ足グルマとして最適だな」と思ったが、今回1週間ほど我が家にやって来たRWDの『ヒョンデ・アイオニック5ラウンジ』は、コナのあらゆるシーンでのちょうどよさとは、異なる魅力を有しているBEVだった。
その魅力とは、高速道路で走らせると新幹線っぽい、という独特の走行感覚だ。
今回は編集部からステアリングホイールに装着されるパドルシフトの右側を長押しをすると、オートモード(前を走るクルマに接近すると自動的に減速する)になることを教えてもらっていたので、アクセルから足を離しての快適クルージングを存分に堪能してみた。
また、パドルシフト左側で回生の強さを変更できることも教えてもらったので街中で試してみたが、回生を一番強くするとアクセルペダルの踏み加減だけで、加速、減速、停止までを操作できるiペダルモードになり、普段乗っているMT仕様キャブ車のエンジンブレーキに近いフィーリングだったので、これはコレで乗りやすかった。
街中ではちょっとだけ大きい
アイオニック5は全長が4655mmなのにホイールベースが3000mmもあって、これが新幹線っぽいと感じる乗り心地のよさを生み出しているようだ。ロングホイールベースによる恩恵で室内空間がビックリするほど広くなっており、居心地もすこぶるいい。
そんな感じの褒め言葉を並べると、コナと同じようにアイオニック5も足グルマとして最高なんじゃないの? と思うかもしれないが、1890mmという全幅が筆者の中でネックになった。
クルマのボディが大きくなった今となっては1890mmの全幅は一般的だといえるが、やはり、街中で使うとちょっとだけ大きいのだ。
コナの全長は4355mmで、全幅は1825mmなのでアイオニック5よりもほんの少しコンパクトなだけだが、数センチ小さいことによって駐車できたり、狭い道路ですれ違えたりできるので、筆者の使用環境ではコナのほうが使いやすいのであった。
ジウジアーロ・デザインのポニー・クーペに思いを馳せて
世界的に有名な工業デザイナーのひとりであるジョルジェット・ジウジアーロは、ヒョンデのデザインも手がけてきた。
1974年のトリノ・モーターショーで発表された『ポニー・クーペ』は、自ら設立したイタルデザインでのキャリアをスタートさせたばかりだった若きジウジアーロの作品で、グローバル市場向けに開発されたコンセプトカーであった。量産には至らなかったが、ポニー・クーペは今でもヒョンデ・ブランドのアイコンとなっている。
ポニー・クーペのスタイルは、アメリカのSF映画においてタイムマシンとして活躍したデロリアン DMC12のルーツとなり、2019年に開催されたフランクフルト・モーターショーで発表されたEV専用モデル、『ヒョンデ45コンセプト』につながった。
ヒョンデ45という車名は、45年前に登場したポニー・クーペのオマージュであることを意味しており(前後ガラスの傾斜角が45度であることも関係している)、ヒョンデは過去からインスピレーションを受け、未来へと進んでいった。
ポニー・クーペから繋がる未来
その未来とはEV専用モデルの量産化で、ポニー・クーペのデザインをモダンかつシャープなものにしたヒョンデ45を経て、プロポーションを余すところなく引き継いだアイオニック5が登場したのだ。
実はアイオニック5を初めて見たときから我が愛機であるアルファ・ロメオGT1600ジュニアとのツーショットを撮ってみたいと思っていたが、今回、ついにそれが実現した(感謝カンシャ)。
もちろん、アルファ・ロメオのクーペとアイオニック5の間にデザイン的なつながりはなく、ジウジアーロが介在しているだけだが、筆者のGT1600ジュニアは奇しくも1974年式なので、ポニー・クーペの発表と時を同じくしてミラノの工場をラインオフしたのだ。
これも何かの縁だと思うので、ジウジアーロ・ファンのひとりとして、これからもポニー・クーペ、ヒョンデ45、アイオニック5のことを気にしていきたいと思う。
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